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アフリカ・プロモーター、ンボテ★飯村がお送りする100%アフリカ仏族ぶらぶらトーク!

『冠詞抜きでフランス語はわからない!』~フランス語学習オススメ図書

2016-03-30 07:30:15 | フランス語
日本を発つ前、家を整理していたら、もう10年、15年以上も前に購入したフランス語の参考書がたくさん出てきた。今読んでも実に勉強になる本がたくさんあることに気づかされる。そして特に興味深かったものを再び手に取ってみよう、と思いついた。

そんな中、目を引いたのが『初学者も専門家も 〇〇じゃフランス語はわからない』シリーズ。いろいろなテーマの本が出ており、ンボテもかつてこの本を読み物として活用させていただいた。なつかしい。

特にもう一回、読み直してみようかな?!なんて思って、手にしたのがこちら。

『新・冠詞抜きでフランス語はわからない~例文比較による徹底解説』
初学者も専門家も新・冠詞抜きでフランス語はわからない―例文比較による徹底解説
一川周史著
駿河台出版社


フランス語で大切な要件を伝えるためのレターや取り決め文書、スピーチ原稿などを作文するときに常につき惑うのが冠詞の処理。そもそも日本語には冠詞の概念がないのだが、フランス語では冠詞が表現する意味内容やニュアンスが多く、情報伝達において冠詞に依存する部分が少なくない。逆に言えば、冠詞を扱えないと、正しい意味内容も伝わらないリスクが高いのだ。

そういえばアフリカ人もこの手の話は大好きだ。取り決め文書の読み合わせを始めると、中身はさておき、文法をめぐる論戦で熱くなる、いや熱くなって議論が長引きまくることもしばしば。


ある程度、言語に関わってくると、冠詞の感覚もなんとなく体が覚えているものだが、どれだけ自信を持って使い分けられているか、といわれるとかなり怪しい。

この本はそもそも著者、一川氏が「趣味は冠詞」というくらい用法にこだわる。冠詞の与える話者の世界観に基礎を置き、定冠詞・不定冠詞と部分冠詞の使い分け、冠詞の省略とニュアンスの違い、否定文や再帰代名詞と冠詞との相関関係、個別の動詞や名刺との相性などに踏み込んでいく。

そういえば昔、参●製薬から「サンテ・ド・ウー」という目薬が販売されていた。これをめぐり、フランス語話者のコミュニティでもあった月刊『ふらんす』で、ちょっとした論争が巻き起こったという。

「サンテ・ド・ウー」は、フランス語で書くと'Santé de yeux'。日本語で言えば「目の健康」というところだ。これに対し、目(œil )は誰にでも二つあり、目の健康も二つの目、両方にかかるべきもの。ゆえに複数形のyeuxを使うべきであり、かつ、健康を求めるのはその二つの目「両方」ですよ、と指し示すための定冠詞複数形'les'が必要。そして前置詞'de'と定冠詞'les'の縮約がおきて'Santé des yeux'となるべきではないか、というもの。文法としてそちらが正しいとして、お薬の商品名として「サンテ・デ・ジュー」、いかがだろうか?いずれにせよフランス語はいろいろややこしい。


そういえばこの本、よく見ると表紙からしてすでに冠詞モード全開。笑


ンボテもこの本でles connaissances(冠詞にまつわる全ての知識)とはいかなかったが、des connaissances(いくばくかの知識)は得た。いやde la connaissance(冠詞にまつわる知識軍の一部)かなぁ。

かくして、冠詞抜きでフランス語はわからないのであった。

(おわり)

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2 コメント

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Unknown (堀本隆保)
2017-04-14 23:42:15
オボテさん 50過ぎて、しかも3年前に私がJeというのも知らなかったのにその直後から仏語圏アフリカの仕事をやりたいとの意思だけでフランス語をやっているおっさんがここにいます。15年以上鍛えられたオボテさんの力はぞんぶんに生かされているとして、ご活躍お祈りします。こっちもっどこまで行くか頑張ってみます。
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Re:Unknown (ンボテ)
2017-05-28 17:36:53
堀本さん、ことばに年齢は関係ありません。がんびりましょう!
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