年二回の恒例行事、アフリカ連合(AU)の国家元首レベルの首脳サミット、エチオピアの首都アジスアベバのAU本部で7月3日、4日の予定で開幕する。
(Jeune Afriqueウェブサイトより)
毎度、重たい課題が満載のサミット。これまでも度々ご紹介してきたが、
第28回アフリカ連合総会、ここがポイント!
たまった「宿題」の答え合わせ
モロッコ、ガンビア、委員長
第27回アフリカ連合総会
ここがポイント!
では今回サミットのポイントは?!
まず、議長がギニアのアルファ・コンデ大統領、そして委員会組織のムッサ・ファキ・マハマ委員長に替わってから初めてのサミットとなる。
次に長くアフリカ統一機構(OAU)、AUから距離を置いてきたモロッコが再加盟を果たして初めてのサミットにも当たる。そのことは、モロッコと西サハラが議場で肩を並べることを意味する。
議案その1は、AUの2018年予算案の決議だ。総額7億6900万ドル、少なからずのポーションが、西側ドナーからの拠出で賄われている実態がある。
第二の議題は、治安問題とテロとの戦いだ。さしあたり、ソマリア、南スーダン、そしてサヘルが喫緊の治安問題だ。前日の2日、マリのバマコではサヘル五カ国グループ(G5 Sahel)の首脳会合が、フランスのエマニュアル・マクロン大統領の臨席のもと開催された。そして五カ国による10,000人規模の部隊展開、共同作戦などの合意が行われたところだが、実は財政的後ろ盾がまだない。欧州連合(EU)は5千万ユーロの拠出をいち早く表明したが、必要経費は4億ドルと目される。AUの場でのアピールに期待が集まる。
三つ目は、AUの機構改革。2016年のサミットでルワンダのカガメ大統領から提起された。AUはいかにあるべきか。
前に述べたが、財政問題も大きな論点。AU予算の80パーセントは、圏外の諸国からの支援で成り立っている。「ヨーロッパからほとんどのカネをもらっていて、ヨーロッパにノーが言えるか?アフリカの意思を表せるのか?」と議長国のギニア、アルファ・コンデ大統領。
これに対し、「カベルカ法案」が検討されており、アフリカ域外からの輸入の0.2パーセントに課税し、AU財政に当てようとするもの。AUにとっては財政問題解決の切り札になると期待されているが、他方、本来課税は主権国家の固有の所管。関税ルールにも反する恐れがあり、疑義が呈されている。
この他にも、前回までのサミットでホットな話題となってきた国際刑事裁判所に対するアフリカ諸国の意思についても注目される。
アフリカの真の自立と統一を理想に掲げたAU、しかし現実の中で揺れている。求心力の低下も指摘される中、今回のサミットはどんな方向性を打ち出すのか。
(おわり)
(Jeune Afriqueウェブサイトより)
毎度、重たい課題が満載のサミット。これまでも度々ご紹介してきたが、
第28回アフリカ連合総会、ここがポイント!
たまった「宿題」の答え合わせ
モロッコ、ガンビア、委員長
第27回アフリカ連合総会
ここがポイント!
では今回サミットのポイントは?!
まず、議長がギニアのアルファ・コンデ大統領、そして委員会組織のムッサ・ファキ・マハマ委員長に替わってから初めてのサミットとなる。
次に長くアフリカ統一機構(OAU)、AUから距離を置いてきたモロッコが再加盟を果たして初めてのサミットにも当たる。そのことは、モロッコと西サハラが議場で肩を並べることを意味する。
議案その1は、AUの2018年予算案の決議だ。総額7億6900万ドル、少なからずのポーションが、西側ドナーからの拠出で賄われている実態がある。
第二の議題は、治安問題とテロとの戦いだ。さしあたり、ソマリア、南スーダン、そしてサヘルが喫緊の治安問題だ。前日の2日、マリのバマコではサヘル五カ国グループ(G5 Sahel)の首脳会合が、フランスのエマニュアル・マクロン大統領の臨席のもと開催された。そして五カ国による10,000人規模の部隊展開、共同作戦などの合意が行われたところだが、実は財政的後ろ盾がまだない。欧州連合(EU)は5千万ユーロの拠出をいち早く表明したが、必要経費は4億ドルと目される。AUの場でのアピールに期待が集まる。
三つ目は、AUの機構改革。2016年のサミットでルワンダのカガメ大統領から提起された。AUはいかにあるべきか。
前に述べたが、財政問題も大きな論点。AU予算の80パーセントは、圏外の諸国からの支援で成り立っている。「ヨーロッパからほとんどのカネをもらっていて、ヨーロッパにノーが言えるか?アフリカの意思を表せるのか?」と議長国のギニア、アルファ・コンデ大統領。
これに対し、「カベルカ法案」が検討されており、アフリカ域外からの輸入の0.2パーセントに課税し、AU財政に当てようとするもの。AUにとっては財政問題解決の切り札になると期待されているが、他方、本来課税は主権国家の固有の所管。関税ルールにも反する恐れがあり、疑義が呈されている。
この他にも、前回までのサミットでホットな話題となってきた国際刑事裁判所に対するアフリカ諸国の意思についても注目される。
アフリカの真の自立と統一を理想に掲げたAU、しかし現実の中で揺れている。求心力の低下も指摘される中、今回のサミットはどんな方向性を打ち出すのか。
(おわり)