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ギニア作家のチェルノ・モネネムボがアカデミー・フランセーズグランプリに

2017-07-02 17:30:01 | アフリカおすすめ本
少し前の話になるが、6月22日、フランスの文化・芸術の最高権威であるアカデミー・フランセーズは、ギニア人の作家、チェルノ・モネネンムボに仏語圏文学グランプリを授与した。

チェルノ・モネネムボは、1947 年、ギニアのポレダカに生まれる。フランスと一線を画して独立したギニアだが、初代大統領の強権の中、社会主義路線を歩む。モネネムボは1969に亡命、コートジボワールやセネガルで作家としての創作活動を継続する。いまでは、アフリカ仏語圏において最も注目を集める作家の一人だ。 "Le roi de Kahel" (カヘルの王)でルノドー賞、"Terroriste noir" (黒いテロリスト、2008年)アマドゥ・クルマ賞など複数の賞を受賞している。彼の作品は、「カヘルの王」、「プール族」が日本語に翻訳され、出版されている。



「黒いテロリスト」は、プール族のギニア人、アディ・バの生涯を描いたもの。第二次世界大戦でフランス軍の対ドイツ抵抗運動で活躍した「英雄」で、まさに「黒いテロリスト」と呼ばれた。最後は1943年、モネネムボが生まれる前にナチスに銃殺された。

「カヘルの王」は、19世紀後半、 アフリカに商圏や鉄道を建設し、しまいには自らの王国を築こうとしたフランス人の生涯を描いたもの。アフリカ人ではなく、フランス人の視点で小説が進んで行くところが極めてユニークだ。


ムネネムボは、現在フランスに暮らしている。アフリカやギニアの現状を嘆き、問題意識を提起する。2009年9月、ギニアの首都コナクリで発生したスタジアム虐殺事件では、国際社会の無関心と沈黙に疑義を呈した。ル・モンド紙には「独立50年は、監獄の50年に他ならなかった」と述べている。

アフリカの日常は、ニュースやドキュメントのみならず、映画や文学でも知ることができる。ご関心の方図書館などでお手にしてみては?

(おわり)

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