ぶらぶら★アフリック

アフリカ・プロモーター、ンボテ★飯村がお送りする100%アフリカ仏族ぶらぶらトーク!

ジョセフィーヌとのたわいもない会話〜あるブルキナファソ移民の日常

2018-11-18 07:30:10 | アフリカ紀行
最近よく話をするこちらの人の中に、ジョセフィーヌ(仮名)という子がいる。子というよりはもう立派な大人なのだが、見た目がどこか「子」と呼びたくなる。

話をするときは、たいてい昼下がり。ココナツがたわわになる、ヤシの木の下の質素なマキ(現地の人がよく使う野外のカフェ)。



彼女はボノアという、アビジャンから約30キロほど離れたところに暮らしているが、もともとはブルキナファソの出身。

「幼い頃、両親に連れられてここにやってきた。でも離婚して父はどこかへ消えてしまった。母はわたしが18の頃に亡くなった。以降、兄弟三人で寄り添って暮らしてきた。」

いまではレストランの手伝いやココナッツオイルづくりなどをして生計を立てる。

「生活は楽じゃないわ。弟はアビジャンに働きに出ている。彼の稼ぎは頼り。妹はアビジャンで建築を勉強した。ブルキナファソにいる親戚からもありったけのお金をかき集めて学校にいかせた。でもいまでは楽して稼ぐことしか考えていない。白人を見つけては、しばしの身銭を稼ぎ、いなくなればまた次の男を漁る。もう本当にまともになってほしい。」

もう30年以上もコートジボワールで暮らしているが、今もブルキナファソの国籍のままだ。

「コートジボワールのONI(Office National de l'identification: 国民登録署)はほんとうに意地悪だから。一個一個書類を取りに行くだけで、そのたびに何万フランCFAも要求するの。」

学校にはいけるの??
「学校に行くことは問題ないわ。ただし教科書とか、文房具とか、なにももらえなかったけど。それからコートジボワール国籍がないからバカロレアは取れないの。いや、取れるんだけど、法外なお金を要求されるわ。だからこの時だけはブルキナファソに帰らなきゃいけないの。」

病院は?
「病院?どうせ地域病院(Hôpital Générale)にいったって、機材もなければ、薬もないわ。だからくすり屋さんで薬買えれば、それでいい。でもその薬が高いの。。。」

国籍で不自由することもいろいろなんだね。
「ブルキナファソの国籍で困ることは、なくはないけど、大丈夫だわ。だけど、いつまでたっても私たちはここでは『移民』のままなの。」

ブルキナには帰らないの?
「もう長くここにいるから。そしてなにより、ここには海があるから。」

苦労の連続。楽しいことは?
「ここではなんでもお金、お金、お金。疲れちゃう。だけど毎日の生活は楽しいわ。いまはスマホが欲しい。みんながやってるSNSとかやってみたい。そして結婚を夢見てるの。子供もできて、、、」

えっ?それでお腹が大きくなってたの?

「ちがうわよー。これはアチャケの食べ過ぎ。子供はこれからの話だわ!大笑」

あ、ごめん!!

いろいろ話しているうちに、もう日は落ち始めていた。夕日が大地を赤く染めていくのだった。



(おわり)

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
美夕焼 (み乃生~)
2018-12-04 21:47:19
お腹が大きくなって・・・のくだりが、ちょっとユーモアで笑っちゃいました。
長女が幸せになれますように!
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Re: 美夕焼 (ンボテ)
2018-12-06 06:24:07
み乃生~さん、いつもありがとうございます。笑っちゃうでしょ。アフリカ人だとこういう突っ込み、逆にすごいウケるんです笑。どこか不器用ふだけど愛嬌たっぷりな彼女。応援しています。
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