桐生スバル☆☆☆座   

映画好きの座長がWEB劇場・桐生スバル座を始めましたが
東日本震災で故郷FUKUSHIMAが悲惨な状況で帰れないネ~

虎造芝居「奴は都鳥!5」石松秘め事「お蝶の浮気、二代目惨殺」

2012年04月07日 | 次郎長
04/03(石松が七五郎女房お民と会う) 04/04(半かぶちヤクザのすばる座為五郎の茶屋の場)04/05(石松の狼藉と田舎者イジメに泣く吉兵衛一家)04/06(石松がお民に語った秘め事)04/07(お蝶の浮気、二代目の惨殺)

 さてさて、無骨な座長には男女の秘め事芝居など書けませんが、佐橋法龍著「清水次郎長伝」49頁の一代目お蝶さんの浮気説を読んだ時には驚いた。そこで、二代目お蝶さんの不可解な惨殺(実際は明治二年の事)も組み入れて、石松の語る秘め事芝居としました。
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                           写真は三代目お蝶さん
 (A)石松「アノネ・・お民さん、石松は妙に話したくなったんで・・聞いてくれるかい? なにしろ。昨日は焔魔堂の前、さっきまではあの仏壇の下、と冥土へ一歩一歩近づいていく石松なんでネ~・・何か言い残して置きたい気分なんすヨ」
   石松「今度の仕事は親分次郎長の筋書き通りなんだ・・。石松最後の門出にと金比羅参りと上方見物をさせてもらって・・・最後はこの都田村で上がりというサイコロ遊びヨ。吉兵衛一家に散々悪口と狼藉をやらかして、最後にイカサマ博打で吉兵衛を怒らせ、
この石松を殺させようという算段。これがヤクザの道で・・逃げられネ~」
   石松「実はね~お民さん、最後だから言うけど、あの先代のお蝶さんは・・浮気してたんダヨ、俺は親分の留守中に、元相撲取りの保下田の久六と姐さんが一緒に楽しんでるのを見ちゃった!見ちゃったんだよ。その久六野郎は去年殺しましたが、その後も親分が「お蝶、お蝶」と歎くもので、アッシは思わず次郎長親分に言ってしまった。「お蝶さんはネ・・実は久六と楽しんでたんですヨ・・」とネ。
その時の親分の顔が忘れられない・・ジッと俺の顔を見て「石ッ!その事は誰にも言うん
じゃね~ぞ・・」
   石松「お民さん、この話はあんただけに話すんだよ・・。女同士なら判りあえる所があるんじゃね~か・・てね」

 (B)石松「それからの親分は変わってしまった・・俺に対しても、付き合うオンナにたいしても。まもなく二代目の姐サンを迎えて名前をお蝶と呼ぶほどの恋仲になったんだが・・・親分の猜疑心は傍目からも異常と思えるほどで・・可哀想だったぜ~二代目お蝶さんは!」
   石松「その挙げ句には、その頃一家に寝泊まりしてた浪人を使って殺しちゃった。しかも、その浪人までも殺せと俺に言いつけヤガッて・・俺は殺したよ・・言われるままに」
   石松「だけど、しばらくして清水の路でモノ乞いしてる子供を見つけた・・アッあのサムライの子だ、この御時勢だから、お勤め先をクビになり、仕方なく難儀な浪人暮らしとなって・・上方へでも職のあてがあったのだろうか?この清水へ寄った為に不運な最後になっちゃった」

 (C)石松「アッシはその薄汚い子が「昔の俺だ!」と思った瞬間、手持ちのカネをその子の手に握らせた。それからだぜ・・親分と肌が合わなくなってしまったのは・・」
   石松「お民さん、今年三月の清水での事は・・七五郎も知らせない約束だったし、アッシがこのまま焔魔堂へ行けば誰~れにもわからネ~・・幸せに暮らしておくれヨ。
七五郎さんは昔から気弱な男だけど、勝ち気なお民さんがいるから、ヤクザをやっていけるんだゼ」
   石松「アレレ、頭がボ~としてきたせいか?・・お民さんが?お民さんが・・・お蝶さんに見えてきましたヨ~
お民に見入る石松
   お民「石松さん!どうしちまったのサ! 頭もおかしくなっちゃたんだよ・・」               
                     (幕引きー暗転)

次幕は、虎造芝居「奴は都鳥!5」すばる座為五郎の勇気、次郎長へタンカ!