桐生スバル☆☆☆座   

映画好きの座長がWEB劇場・桐生スバル座を始めましたが
東日本震災で故郷FUKUSHIMAが悲惨な状況で帰れないネ~

虎造芝居「奴は都鳥!4」最後に、石松がお民に語った秘め事

2012年04月06日 | 次郎長
04/03(石松が七五郎女房お民と会う) 04/04(半かぶちヤクザのすばる座為五郎の茶屋の場)04/05(石松の狼藉と田舎者イジメに泣く吉兵衛一家)04/06(石松がお民に語った秘め事)

 さてさて、面従腹背という言葉がありますが、この芝居は音従筋背の有様で、芝居小屋に流れる広沢浪曲は次郎長・石松を褒め称える翼賛音楽。ところが、舞台の筋立ては正反対の悪玉次郎長vs善玉吉兵衛という進み方です。
     心安からぬ方々もおられるかと存じますが、もうシバラクお楽しみ下さい。
      このWEBから借用←クリック
 (A)夜景となって薄暗い舞台の左半分は焔魔堂の絵幕で、右半分は吉兵衛一家の前で障子戸だけ明るい。そこから石松と七五郎がバタバタと外に出てきて
   石松「七五郎さんヨ・・このカネを持ってすぐ清水へ行ってくれ・・後は次郎長親分がうまくやってくれる!」
   七五郎「あのイカサマはバレてしまったようだゼ・・残った石松さんはどうなるんジャろ・・」
   石松「こちらの心配なぞしないで清水に行けば、あんたは男が上がる算段だぜ」
   七五郎「もう一度、お民に会いたいが・・」
   石松「馬鹿な事を言っちゃイケナイヨ~~」
  石松に怒鳴られて七五郎は花道へ逃げ去る。

  そこへ子分達が背後から現れて、
   子分達「ヤイ!石松、テメエ~!七五郎と組んでのイカサマで100両も誤魔化しやがった。カネを返しやがれ!」
   石松「カネは無いヨ。七五郎に上げちゃた。マ~、田舎で気まずい思いをさせちゃった石松様への詫び金だと思って・・諦めやがれ!」
   子分達「ふざけた野郎だ、殺っちまえ!」
  焔魔堂の絵幕と花道に至る場所で斬り合いが始まり、やがて、全員が舞台の左へ消え去る。

 (B)サ~と焔魔堂絵幕も引かれると、そこは七五郎の居間でお民が座っている。左手から吉兵衛らが現れ
   吉兵衛「ヤイッ!石松、此所に隠れていることは判ってるんだ!男らしく、とっとと出てこい! 手前エが村に来たときから、オカシイと思ってたんだ! 子分はイジメるし罵詈雑言を吐き散らす。昔お前がやられたことを繰り返しヤガッて、その馬鹿さ加減がわからネ~のか、最後にゃイカサマサイコロでカネを誤魔化しやがって・・許せネ~ぞー石松! 焔魔堂で待っているから、出て来いよ!」
   
   吉兵衛「お民さん、こういう始末だ!黙ってみててくれ・・」 
 吉兵衛ら、去る。

 (C)居間の奥の仏壇下から転げ出る石松。石松「お~痛て~、痛て~」
   お民「大丈夫かい?石松さん、裏道を通れば浜松まで逃げられるよ、サ~!気をしっかり持って!」
   石松「ど~もヒドく切られたようだ、浜松までは逃げられネ~、それに幼馴染みの吉兵衛にあ~言われたんじゃ行かねばならね~ゼ、焔魔堂へ」
   お民「何を言ってるのさ、あんな口ぶりでも、この土地じゃ優しい親分で通ってるんだ・・幼馴染みだし・・逃げろという意味なんだよ」
   石松「そうかもしれない、そうかもしれない、だけど行かなきゃならネイんだ。」
  しばらく沈黙、
   石松「しかし・・お民さん、あんた旦那の七五郎の心配を全然しないけど・・不思議だネ~、でも七五郎サンはちゃんと清水へ行ってるから安心してヨ」

次幕は、虎造芝居「奴は都鳥!5」石松秘め事はお蝶の浮気、二代目の惨殺