深夜に耳に響いてくる音、コン、コン、コンに目覚める。外で道路補修の工事でもやっているのだろうか?斜め向かいの83歳の母のベッドを見る。彼女は寝入っている。夜中の頻尿のため数回起きている彼女はベッドの頭のすぐ横にラジオを置いている。ひねもすラジオを聞いているのである。目覚めた時、ラジオのスイッチは入っていなかった。それで、コン、コン、コンの小さな響きである。寝室から起きあがって居間に行く。コン、コン . . . 本文を読む
大いに笑った。ハワイに移民した沖縄人の戦時中の物語である。真珠湾攻撃が起こった時、ハワイの島々に住むウチナーンチュはどう生きたのか?ジョン城田さんのヒューモアあふれるセンスで捉えた原作の英語台本を多言語がエコーする劇台本に翻訳した山里勝己さんのセンスがあった。演出家・幸喜良秀さんのパッションがあった!若い演劇人・舞踊家の勢いもあった!
芸術振興!現代のウチナーグチの芝居は領域が広い。新作ではなく . . . 本文を読む
Govan McCormackさんのIdeas, Identity and Ideology in Contemporary japan:The Sato Masaru Phenomenon
を読んだ。学生にこれを要約しコメントを書いてと宿題にした手前もあり、「属国日本」を書いた著者がどんな風に現代の日本や沖縄を見ているのか興味を持った。
結論から先に書いてみると、佐藤優は右と左の融合をアジテイ . . . 本文を読む
池上永一『トロイメライ』 琉球史特論 2010/12/9
第二夜「黒マンサージ」―殺人事件について
第二夜は、第一尚家の末裔の名残を見せる黒マンサージがこの物語の中心に位置する義賊である。先導役の武太は筑佐事で、物語の大枠の人物は、涅槃寺の大貫長老、十貫瀬の「をなり宿」の三姉妹たち、また 王の厨房、寄 . . . 本文を読む
女性の表象をテーマにしてジェンダーやSexualityやフェミニズムの論を読んでいると、目からうろこで、今まで何を見ていたのだろう、と曖昧な思念が少しほどけていく中にある。されど今日となった博論コンセプト発表のゼミには十分論を応用して展開はできそうにない。
ジェンダーなどの定義も問題だし、フェミニズムシアターの論者の本を読んで圧倒されてもそれを反芻するのに時間がかかりそうである。ことばを自分のも . . . 本文を読む
以下は【沖縄タイムス】のシリーズ「沖縄人ばなし」に掲載された文章に一部追記したものである!昨今「しまくとぅば」を残そうとの「文化運動」が台頭してきているが、それは危機的な状況を暗黙に伝えていると言えよう。沖縄芝居は戦前から日本への同化の荒波の中で新しい文化潮流の中、懸命に沖縄言葉にこだわり、独自の舞台空間を創出してきた沖縄の集合的無意識の夢・幻想・美・庶民の「思いの世界」であると言えないだろうか? . . . 本文を読む
大学3年次・4年次生によるグループの発表が面白い。3~4人で好きなテーマで調べた事柄をパワーポイントを使って英文で発表するプログラムをやっている。
先週は漫画やコミックについて、つまり日本のポップカルチャーについて欧米やアジアの現象も一部網羅しながらの発表があり、面白く、今日(12月3日)はrenewable energyのテーマの中で登場したのが宇宙太陽光利用システム(Space solar . . . 本文を読む
ミイラ取りがミイラになるように、折口の「死者の書」などめくっている。そして「身毒丸」とーー。折口信夫が無二[無比」の古代研究者であり、歌人であり、小説家であり、詩人であり、戯作者でもあったということ、その巨人のような姿が、ふと昨今、脳裏にのぼってきたロートレアモンの「マルドロールの歌」と重なってくるような「かすかな震え」を覚えている。
日本語の蛇のようなたおやかさ、というか、どうしても日本語を接 . . . 本文を読む
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琉球史特論 2010後期 11月25日
テーマ:琉球史または「琉球もの」歴史小説のはざま
Excuse:十分中身を吟味する余裕がなく、授業の総括までには『テンペスト』と『トロイメライ』のなかの女性の表象、特にジュリを取り巻く . . . 本文を読む