志情(しなさき)の海へ

かなたとこなた、どこにいてもつながりあう21世紀!世界は劇場、この島も心も劇場!貴方も私も劇場の主人公!

衝撃!琉球舞踊の「研修修了実技発表」の原案は、二年以上前に廃案。なぜ今回この亡霊が蘇ったか?当時文化庁は、候補者選考のための研修を否定!

2017-07-13 23:44:52 | 琉球・沖縄芸能:組踊・沖縄芝居、他

     (毛糸のような赤い花がぶら下がっている!)

衝撃!琉球舞踊の「研修修了実技発表」の原案は、二年以上前に廃案。なぜ今回この亡霊が蘇ったか?当時文化庁は、候補者選考のための研修を否定!

                        by もったいない!

 私は、本ブログ「2017年06月17日 NEW#琉球舞踊界の不都合な真実!伝統を守らない強者が、伝統を守る弱者を殺していく!」に「保存会の舞踊実技審査は、補助金の不正流用ではないか?」とコメントした「もったいない!」です。

 言い出しっぺとしての責任を果たそうと思って、根拠となる手元の資料を提示します。

 別添の資料は、去年の12月に、琉球舞踊保存会のある先生から借りた会議資料。理事会で配布されたという執行部会の議事録(平成26年の1月と2月)です。

 ※1月の議事録は全部あります。2月の議事録は一枚(途中まで)しかないですが、先述の先生が探してみると仰ってそのままなので、今あるだけの資料をお送りします。(今は頼みづらい空気になっています)

 読み込むと様々なことが分かります。

 本ブログ「2017年07月09日 完全版【資料:琉球舞踊問題】県議会での玉城満議員と平敷昭人教育長のやりとりです。」に寄せられたコメント。「保存会と文化財課は一蓮托生」さんのコメント「伝承者養成事業に、保持者選考のための研修という考え方は存在しない。」を裏付けますね。

 結論から言います。

今回(平成2812月)の保持者候補者選考のために行われた「実技発表会」は「研修」には該当しないこと。保持者候補選考を、平成26年度に研修の形で実施しようとしたが不都合があり廃案になった経緯から、「保持者選考」を「研修」の目的として実施することは出来ないこと。従って、研修の予算的根拠である伝承者養成事業の事業費(補助金)を、「実技発表会」に充てることはできないこと。以上が明白です。

 琉球舞踊保存会が、同実技発表に補助金を流用していれば、違法行為です。

 議事録に沿って具体的に書きます。

平成26年1月に、琉球舞踊保存会は、この4月から始まる次年度26年度に実施する研修として、平成25年度をもって研修修了予定の特別研修生(現研修修了生)に対する技能研修を実施しようとしました。

議事録だけでは分かりづらいので、先生から伺ったことを補足します。

平成25年1月26日(日)に、沖縄市民会館にて平成25年度琉球舞踊保存会研修の成果発表会が行われています。その際に、文化庁の吉田純子調査官、顧問の宜保榮治郎先生、田中英機先生を交えて、保存会は相談会を持ったようです。

その際に、今年度で研修を修了する特別研修生に対して、「来年度の研修として、保持者候補者選考のために、実技研修をすべきである」という提言を、文化庁と顧問がした。という「誤解」が生まれたようです。

誤解の生じた原因は私にはよく分かりません。資料を提供して下さった保持者の先生の説明を聞いても判然としません。

先生のお話だと、保存会の方々(国の保持者)は頭を抱えて困ってしまいました。実は、この技能研修の実施は本意ではなかったからです。特別研修生(県の保持者)に対して、今後(研修修了後)は、研修の場で皆さんに実技を課すことはありませんと約束したことを破ることになるからです。

なぜ、そんな掟破り。約束不履行をしようとしたかというと、この実技研修は「必要」

との「顧問や文化庁の提言(?)」があったと、(たぶん)保持者全員が思い込んでいたからです。

実際は、これは誤解だったのですが、その認識が訂正されないまま1月27日の執行部会では、特別研修生との約束を反故にする研修案が提案されました。

「1月執行部会議事録」の2頁を読むと、当時県の担当だった島元さんが疑義を呈し、「2月執行部会議事録」によると、その後彼が顧問と文化庁に確認をとった結果、誤解と分かり、無事(?)廃案になっています。間一髪で窮地(?)を回避できたわけです。(この時の島元さんの主張は、去年12月13日に琉球新報に寄稿した(本ブログ2017年06月29日「資料:琉球舞踊保持者選考問題 新聞報道の軌跡~」 参照)内容と変わりません。一貫してます。)

何故こんな誤解が生じたのでしょう。議事録を読むと、この技能研修について、保存会は「顧問と文化庁の意向」だと考え、文化庁は文化庁で「(保存会が)困難も予想されるが~先生方が是非必要という判断なら~進めて欲しい」と考えていたようです。

(ここでの文化庁の対応も沖縄タイムスに掲載された「実技をすべきだとか、すべきでないとか言う立場にない」(本ブログ 2017年06月29日「資料:琉球舞踊保持者選考問題 新聞報道の軌跡~」参照)と保存会の自主性を尊重する点は一貫しています)

 1月26日の相談会の議事録(があれば)を見れば分かることかも知れませんが、私は、昨今国会を賑わした「忖度」という言葉を思い出してぞっとします。思い込みで、誰も考えていない、誰も望まない実態のない見解に踊らされるなんて実態なら、恐ろしいですね。

 この団体の文化庁や顧問や県を交えた話し合いでさえ、きちんと成立しない危うさは今後も心配です。

見落とせないのは、この当時の保存会は、顧問の田中先生の仰る「特別研修生のプライドを傷つける研修は不要である」という思いを共有しておられたこと。先生のお話や、何しろ「特別研修生への研修実施が、顧問や国の意向でないなら、「今年度で研修修了」という約束を反故にし、物議をかもしてまで行う必要がない」という結論が議事録にありますから。

問題は、この人間的で実演家(保持者である前に)としての良識のある見解が一体どこで変節したか、です。

特別研修生(県の保持者)のプライドを傷つける「研修」を良しとしなかった国の保持者が、研修よりもっと抜き差しならないほどプライドを傷つける「候補者選考」を強行した理由は何か。現役生の確認のために必要という理由は本当か?知りたい。

島元さんを始め多くの人が言及しているように、他の方法がある。現役性が必要なのは、能や歌舞伎等の他の芸能も同じだ。なぜ、現役性の確認のために琉球舞踊だけ「実技発表」が必要なのか、長年の指導過程の中で何をしてきたのか。保持者としての資質も問われる。

この変貌ぶりには、国の保持者の変節を後押し、具体的な実施要項の偽装(選考会を研修に見せかける)を促した外部の力が、無かったか。気になる。

ただ、廃案になったとは言え、「技能研修」を研修として成立させるための保存会の努力の跡は、特別研修生(研修終了生)を、一堂に集めての稽古の中で「手を直すのではなく、基本的な姿勢を見る」とか保持者全員参加による「総見」という記述に見て取れる。かつての同僚(同じ県の保持者同士であった)に対して、特に他流儀に対してより困難な中で、形だけでも「指導」を成立させようという苦労がにじみ出ている。こ研修を行うのはもう限界であろう。だからこそ、研修修了させたのではないでしょうか。

そもそも研修とは何でしょう?ただ、踊らせるだけ、演奏させるだけでは研修とは言えない。保持者や有識者による指導がないと、道場での稽古や稽古のおさらい会の実技とどう差別化できるのか、際限なく研修の範囲が広がる危険性もある。公費を投じての研修であるからには、明確な線引きが必要でしょう。

その点から考えても、指導や指導の結果である成果発表とは言いがたい実演。指導も行わない、芸能分野では常識(組踊りの場合も)の一般観客を入れての成果発表も行わない、審査のためだけの実技発表を研修と呼ぶ余地はないでしょう。

この議事録で一番肝心な点は、2月執行部会の議事録で、文化庁調査官の吉田純子氏が指摘した『「26年度の研修の内容は、次の保持者候補を選ぶことを目的とする」という文言は、保持者の内々の心情としては理解できるが、明文化するのは適切でない』という見解である。

前述のブログ記事「NEW#琉球舞踊界の不都合な真実~」でのコメントで触れたように、去年の12月に、文化財課の前の担当者の島元さんが、文化庁にも確認をとって明言した「(保持者選考について)補助金をこの取り組みにあてることは出来ません」という認識とも重なる。

 玉城満議員におかれましては、是非、文化財課に琉球舞踊の平成28年度の伝承者養成事業の実績報告書の開示を求めてほしい。

 

 

 

 



最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
琉球舞踊保存会の議事録 (動かぬ証拠)
2017-07-17 04:22:39
 このブログの別の記事やコメントでも指摘されていたことだが、内部資料である会議録で、文化庁の方が、「保持者候補を選ぶための研修」を否定しているわけだから、はっきりした。

 無理でしょう。
 
 補助金の流用。
返信する
情報の片寄り (何でだろう)
2017-07-17 09:54:41
投稿された総会の議事録も含めてブログには補助金の不正流用に関する証拠がいくつもあげられています。

県教育長はこのブログにあげられた真実をご存じなんでしょうか。
ご存じならどのように考えているのでしょうか。

補助金の不正流用や芸能に関する県教育委員会の認識は社会一般と大きく隔たっています。

前任の島元さんが
鬱で休職している件も含めて
情報の片寄りを修正して
県教育委員会はしっかりとした対応をして欲しい。
返信する
文化財課とは違う情報ソースが必要 (大事なのは情報収集)
2017-07-17 22:35:24
 島元さんの体調次第ではありますが、コンタクトをとって、彼から話をお聞きになってはどうでしょう?
 県民感情や、多くの芸能関係者と思いが共有できたら、意外と問題の解決は速いのでは。
返信する
Unknown (Unknown)
2017-07-18 13:06:37
今、変わらずに、いつやる?
今でしょ
閉鎖的な琉球舞踊界の昔から囁かれていた問題、不透明、不公平な国保持者選考問題、併せて補助金不正流用疑惑、パワハラ問題、、、

問題が露呈した、今が変革のチャンス。

まずは県議会の皆様、玉城議員、一般にもわかりやすい補助金の不正流用疑惑、パワハラ問題から徹底的に追求して下さい。心の底からお願いします。

歴史は繰り返します。本質がかわらなければ、又、同じことが、起こります。
逆に言えば
、今、変われなければ琉球舞踊はどうなる?

よろしくお願いします
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。