安里英子さんは、沖縄の文化思潮の中で目立った方だった。はじめてお会いした時の印象は、ゆったりしていて雰囲気が詩人だと感じていた。
山之口貘賞の『神々のエクスタシー』は彼女の感性のエキスが込められていると感じた。この間紙面に沖縄のあらゆる御嶽をルポした記事が一冊の『揺れる聖域』にまとめられ、それが第5回地方出版文化賞次席(1992年)となっている。
沖縄では突出した女性表現者である。
故詩人とはだいぶ前から交流があり、著書の中に詩篇が紹介されている。作家として数冊の著書を発行している。
たまたま隣の部屋の書棚を見ると安里さんの著書『琉球弧の精神世界』(第二回女性文化賞)があった。興味深い。ペラペラめくったが、じっくり読みたい。本の装丁があまりよくないイメージだが~。『凌辱される命』は以前ひも解いたことがある。題名が強烈だと感じた。
自分の専門の研究について、一冊も著書を発行できない身近な大学教員より作家として、いいお仕事をされてきたことが分かる。
詩も、小説もエッセイも昨今まとめられていた。『月と太陽』はつい最近出版されている。
『あすら』同人として、ゆっくり語り合いたかった。作家安里英子さんの社会的なインパクトは大きかったに違いない。
ご冥福をお祈りします。
元参議院議員の糸数慶子さんが追悼文を寄稿されている。