志情(しなさき)の海へ

かなたとこなた、どこにいてもつながりあう21世紀!世界は劇場、この島も心も劇場!貴方も私も劇場の主人公!

これまでの沖縄学これからの沖縄学、三日間盛況!様々な知見が、研究の現在が沸騰した!

2012-04-01 09:08:38 | グローカルな文化現象
       クロージングセッション (冨山一郎、島袋まりあ、ウェスリー・上運天、新垣誠、前嵩西一馬)

沖縄って何?
研究の意味は?
沖縄学?

世界のPerformance学会で研究発表をしてきたが、
今回は沖縄学の中での試みで、すべて沖縄がテーマの
48パネルと自由研究テーマのセッションである!
これほどの規模は初めてで、毎年できたらいいね!

焦点は沖縄の桎梏かな?
昨夜はましこひでのり先生と鈴木雅恵先生と高田の馬場の近くで
ビールで乾杯でしばしのユンタクが楽しかった。
それで0時にホテル入りでぐっすり寝入って起きたら
朝8時過ぎである!それからブログやツイタ―を
書き込んでいる!朝食に間に合わせなければ!
早稲田のことはまた後で書いて見たい!

ウチナーグチのクロ―ジングのことばが聞きたかった!
どこへ行ったのウチナーグチ?



(最後まで熱心な参加者、午後6時半から9時まで)

クロージングで知念ウシの名前が何回か飛び出してきた、これは面白い現象だったなー!
それを読み解いてみたい!

どうもクロージングの4人の中では、最もペダンティックではなく自分のことばで語ったウェスリー(Wesley Ueunten)さんが評判がいいのかな?などと思う。ことばなり概念構築がしゃれていることが,、本質的なものをえぐり出せるわけではない。ことばによることばのレトリックはまぁ、奇麗し知の謎解きのような面白さはあるが、知的スリルのくすぐりだが、しかし最も現実を言い得たのはまりあさんだったし、現実のパワーポリティックスをどう解いていくかが問われているのであって、反復帰論、反国家論の体制補完的論理をズバリ指摘したのは爽快にも思えた。すると新川明や川満信一など、琉大文学の論理の対極にいたように見えた大城立裕氏の方が、ラディカルであった、という反転もありえる。(すでにその事はこのブログでも書いたようなー)清田政信の論を新川などが拝借したのだともまりあさんは話していたようだが、清田の詩は観念的である。詩と思想のからみはもっと見据えてみたい。(それより自分で詩作する方がいいかな?)

アカデミズムを警戒する眼差しも声もある。権力を支える知の欺瞞性は常にそこにあり続けるわけで、権力を脱構築して真にパワーポリティックスを脱色し、脱構築できるシステム、真の民主主義の在り様を追求する真摯な姿勢が問われ続けるのだだろう。

英語による私達のセッションに参加したNさんは英語が堪能でかつウチナーグチもバリバリで組踊のフアンだとお話した。しかしアカデミズムはどうもとのことでお名前も教えてくださらなかった。クロージングでコメントをした一般人だと名乗った方は表層的なことばは麗しくても心がないとね、のような比喩で語った。黒人のジャズを例にした。

今、知の境界はもはや曖昧になりつつあると言える。アカデミズムのシステムも崩壊しつつある。それを認識しえているかどうか、境界・すきまの論理が必要だ。特権的空間が実は特権ではなかったのかもしれない。沈黙せざるをえない関係の痛みもある。
そこからどこへ?沖縄学から沖縄学へ!沖縄学は日本学であり、世界学でもありえる。沖縄の諸相はすなわち世界の諸相と重なる。沖縄を読み解くことは世界を読み解くことに他ならない。沖縄学はなんのために存在するのかな?啓蒙的であり、アイデンティティ再確認の学問であった。今後も変わらないのだろう。

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大阪大学教授 冨山一郎 / TOMIYAMA, Ichiro

■ 略歴 ■
1957年生、京都大学大学院農学研究科博士課程中退1989年、農学博士(京都大学)1990年。神戸市外国語大学講師、同助教授を経て1997年4月大阪大学助教授(2007年4月より准教授)。2009年4月より現職。

■ 研究テーマ ■
歴史学を専攻。主な研究テーマは、植民地主義に関わる歴史的、文化的諸問題。

■ 著作等 ■
『近代日本社会と沖縄人』日本経済評論社(1990)
『戦場の記憶』日本経済評論社(1995)
『ナショナリティの脱構築』 柏書房(共著、1996)
『暴力の予感』岩波書店(2002)

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カリフォルニア州立大学リバーサイド校の准教授島袋まりあさん(36)は、同校の日本研究の担当責任者を務める。同校は全米の中でもヒスパニック系、アジア系のようなマイノリティー出身の学生数がもっとも多い大学の一つであるため、日本研究を沖縄のようなマイノリティーの視点から教えるように努めているという。

 まりあさんは、アメリカ人の父と旧コザ市出身の母との間にミシガン州で生まれた。両親はまりあさんが幼いときに離婚し、その後、母と二人の兄と一緒にカリフォルニア州サンノゼ市に移り住んだ。幼いころ、週末に日本語教室に通ったり、母と一緒に郷里の沖縄へ何度か訪れたり、母から沖縄戦の話をよく聞いたりしていたので、大学時代に沖縄に興味を抱くようになった。
 その後、東京大学の修士課程に進学し、フェミニズムと沖縄のアメラジアンについての研究を開始した。日本語と英語での論文の執筆、新聞の評論・コラムの投稿も積極的に行っている。東大の博士課程を単位取得退学した後、アメリカ・ニューヨーク州にあるコーネル大学の博士課程に進学し、2008年に博士号を取得した。現在は、3年前に赴任したリバーサイド校で日本文学、日本社会、日本の現代思想などの授業を担当している。

 夫の金城正樹さん(38)は、オクラホマ州で生まれ、5歳のときに家族と共に沖縄に帰った。大阪大学の博士課程を単位取得後、現在はコーネル大学の博士課程に在籍し、近代以降の沖縄の社会運動、思想問題や文学を研究テーマにしている。

 正樹さんが大阪にいたころ、多くの沖縄出身者が居住する大阪市大正区の人たちと度々交流する機会があり、復帰前に集団就職のため関西にやって来た沖縄の若者たちが経験した沖縄差別の話をよく聞かされたという。彼らから聞いた過去のつらい話や、楽しい話が、琉球処分から現在に至るまで沖縄の人々が抱えざるを得なかったさまざまな苦難について真剣に考えるきっかけになったようだ。これまで、詩人の清田政信氏についての論文と、目取真俊氏の小説とコザ騒動についての論文を日本語、英語で書いた。正樹さんは現在、リバーサイドの自宅で博士論文を執筆している。

 二人のなれそめは13年前にさかのぼる。正樹さんとまりあさんがそれぞれ日本の大学院生だったころ、関西で研究会があり、そこで初めて知り合った。その後も沖縄に関する研究会やイベントで会う機会があり、研究仲間としての付き合いは長かった。
 沖縄から遠く離れたところで、沖縄の問題を考えるといった点が共通していた二人はやがて結ばれ、6年前に結婚した。そして昨年5月、長女の琉詩奈(るしな)ちゃんが生まれた。遠く沖縄から離れていながらも、今は存在しないものを、夢や希望としてあたかも存在しているかのように詠(うた)う詩のように、想像力を大事にして育ってもらいたいとの願いを込めて名前を付けた。(当銘貞夫通信員)
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Wesley Ueunten is a Sansei Okinawan, born and raised on Kaua'i, Hawai'i. After spending nearly 10 years living in Okinawa and Japan, he moved to California to pursue a Ph.D. degree in Ethnic Studies at the University of California, Berkeley. He now teaches in the Asian American Studies Department at San Francisco State University.

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新垣 誠 (ARAKAKI, Makoto)
沖縄キリスト教学院大学大学院 異文化コミュニケーション学研究科 准教授
【プロフィール】
カリフォルニア大学ロサンゼルス校修士課程入学 (University of California, Los Angeles)
同上(Asian American Studies - アジア系アメリカ研究プログラム)修了(修士-Master of Arts)1992
筑波大学大学院国際政治経済学研究科博士課程3年次編入学同課程単位修得中退2001
[専門分野]
ディアスポラ、エスニシティ、沖縄、労働移民、グロ-バリゼーション
[研究分野]
沖縄の海外離散共同体とエスニックネットワーク
[研究業績(主要論文・著書)]
Identity Politics of Japanese American Studies and Okinawans 2002 沖縄キリスト教短期
大学紀要第31号pp. 145-153.
夢見る力の可能性―目覚める沖縄の若者たち2007 『世界』岩波書店
「沖縄移民とチャンプルー文化 世界のウチナーンチュ・ネットワークがもたらす文化的多様性」2007沖縄県立美術館『沖縄文化の軌跡1872-2007』
Hawaii Uchinaanchu and Okinawa: Uchiaanchu Spirit and the Formation of a Transnational Identity 2007
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前嵩西一馬|まえたけにし・かずま

1971年生まれ。コロンビア大学人類学部博士課程修了。文化人類学・沖縄研究。現在、早稲田大学琉球・沖縄研究所客員講師、早稲田大学、明治大学、日本大学にて兼任講師を務める。主な著書・論文=『沖縄学入門――空腹の作法』(勝方=稲福恵子と共編著、昭和堂)、「沖縄で探す「鞘」の言葉――「高度必需品」としての蝶柄、笑い、生物群」『思想』9号(2010年、岩波書店)など。

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東大時代からウシさんの知人のお一人でもあるのらしい「ましこひでのり」さんは、多言語社会研究会の仲間。といっても私はいつも研究会に参加する度に聴講し学んでいる。しまくとぅばの日の前後に沖縄例会をもっている会で、しまくとくばの日、制定に実はこの研究会の力が大きかったのだと考えている。ましこさんは社会学者で教育学の研究者でもある。多くの著書があり、その集中力と知見、視野の深さにいつも感銘を受けている。息子さんは【リュウジン・マブヤーのフアン】だという。ウチナーグチの復興をしない限り、できない限り、植民地マインドは変わらない、などと考えている。字幕のない組踊、琉球歌劇、琉球史劇がいいね。
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ましこ・ひでのり

1960年茨城県うまれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程修了(博士:教育学)。日本学術振興会特別研究員などをへて、現在、中京大学国際教養学部教授(社会学)。主要著作:『日本人という自画像』、『ことばの政治社会学』、『増補新版 イデオロギーとしての「日本」』、『あたらしい自画像』、『増補新版 たたかいの社会学』、『幻想としての人種/民族/国民』、『知の政治経済学』(以上、三元社)。共著に「社会言語学」刊行会編『社会言語学』(1-11号+別冊)、真田信治・庄司博史編『事典 日本の多言語社会』(岩波書店)、前田富祺・野村雅昭編『朝倉漢字講座5 漢字の未来』(朝倉書店)、『ことば/権力/差別』(三元社,編著)、大橋・赤坂・ましこ『地域をつくる―東海の歴史的社会的点描』(勁草書房)、田尻英三・大津由紀雄 編『言語政策を問う!』(ひつじ書房)、米勢・ハヤシザキ・松岡編『公開講座 多文化共生論』(ひつじ書房)ほか。(2012年3月現在)

[ましこ・ひでのりの書籍一覧]

シリーズ「知のまなざし」
【社会学のまなざし】

[編]ましこ・ひでのり

「社会」を読みとくための社会学入門──
「社会学のまなざし」は、何をみようとし、何をてらしだそうとするのか。そこから、「社会」は、どのようにみえてくるのだろうか。本書は、「社会学のまなざし」の基本構造を紹介するとともに、「まなざし」が映し出すあらたな社会像を具体的に示していく。

定価=本体 1,700円+税
2012年3月31日/四六判並製/216頁/ISBN978-4-88303-311-9

知の政治経済学
あたらしい知識社会学のための序説

[著者]ましこ・ひでのり

疑似科学を動員した知的支配の政治経済学的構造を、社会言語学・障害学等をもとに論じる「あたらしい知識社会学」のための序説。知の威信秩序とその格差構造、社会科学の射程および境界、「日本語特殊論」をはじめとする「言語論」、沖縄島への米軍基地集中を合理化する地政学的議論など、既存の体制への挑戦。

[書評]
《沖縄タイムス》(2010年8月7日)、評者:桃原一彦氏(沖縄国際大学准教授)

定価=本体 3,600円+税
2010年4月25日/A5判並製/408ページ/ISBN978-4-88303-266-2





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