
合同練りは、各自治会の喇叭隊をはじめ、自治会のメンバーが、合同で浜松の街中を上品に練るイベントである。複数の喇叭隊が参加するわけなので、その大音響たるや尋常ではない。基本的には浜松の観光振興のためにだいぶ前から行われているようだ。
それにしても、私が気になるのは基本的には同じ旋律でありながら微小なところで音の動き方が異なるグループ同士が同時に演奏するという状況である。ときたま三度とか五度の和音が聞こえてくるのだが、これは明らかに自治会の喇叭の旋律の違いから生まれる結果である。演奏者もそのことは気がついているらしい。私が話したベテランの演奏者は「ありゃあダメだ」とはっきり言っていた。やはり違いが気になるらしいのである。
しかし若者はどうなのだろうか?自分の自治会だけでなく、観光客や他の自治会の人々の大勢のまなざしに触れ、他と比較することでさまざまな意識が変わるような気もする。しかも合同練りが終わっても、自治会単独で浜松の街中をデモ更新のように練るので、これもまた自分の自治会周辺とは異なる景色を見る人々もいて「やりがい」が見いだせるのかもしれない。