Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

ハイシーズンなので

2010年01月09日 | バリ
 「ハイシーズンなので部屋の料金は12月24日から1月3日まで10パーセントUPなのよ」とフロントの顔見知りの女性は少し申し訳なさそうに私に言った。だって私が宿泊したのは、12月24日から1月7日の2週間で、その間はこのホテルのハイシーズンとばっちり重なっているから。一番安い部屋とはいえ、10パーセントアップが10日以上続けば、一泊分は高くなる計算である。

 「仕方ないですよ。決まりですからね」まあ、そんなところである。ごねたところで、最初からそう聞いて宿泊しているのだからしかたがない。しかし料金のことよりも、このハイシーズン期間、ホテルには別の問題があるのだ。実はこの期間、ホテルは、ジャワ島からやってきた観光客の高級な車でいっぱいになる。そしてほとんどの車が自分の部屋の前に車を駐車する。この車が夜中の12時とか1時にクタあたりから戻ってきて、うるさいのである。それに朝早くエンジンをふかしたりするのだからたまらない。さらに、隣の部屋の前に駐車された車のアラームが壊れているらしく(あるいは半ドアになっているからか?)、2時間おき程度にものすごい音でアラームが鳴るのだ。夜2時、4時、6時…、たまったものではない。そのたびごとに目が覚めてしまうのだ。

 もっと驚いたことに、6畳ほどの二つのベットが並べられたクーラーもないツインルームに家族四人が泊まっていることが普通なのだ。どうやって、いったいどこに寝てるんだろうと不思議になる。ジャワからの観光客がこうしたドメスティック向けのホテルに宿泊するときは普通なのだそうだ。次から次に人が出てくると、思わず指折り数えてしまう。

 ほとんどのジャワからの観光客がジャワに戻るのは、まだ暗い朝5時過ぎである。「ギリマヌクのフェーリー乗り場が混むからね。」と隣の家族連れは私にそういって、バリで買ったミカンをいくつかくれた。アラームの「詫び」のつもりなのかもしれない。でも最後まで「うるさくしてごめんね」と言ってもらえなかった。そういってくれたらなんとなく救われた気がしたのだけど。だって、車のアラームを別にしたって、ほんとうに数日間、あなた達はうるさかったからね……。