万博記念公園の中の路。夜遅くに重い荷物を持って、ぼんやりと街頭で照らされただけのうす暗いこの路を走って、何度モノレールの駅に向かったことだろう。大学院のゼミや授業、研究で遅くまで研究室に残ってふと気づくと、いつも東京行きの夜行バスに間に合わなくなるような時間。この路を通るたびにダッシュの記憶が蘇る。
あれからもう10年か・・・。もうこの路を走ることはなくなったが、路は違っても今もなお、いつもどこかを走り続けているような気がしてならない。あの時と同じように手がちぎれる感覚を覚えるような重い荷物を持ちながら。陸上部で風を切っていた記憶や感覚を忘れることができずに、そんな過去のかすかな想いにしがみついているからだろうか。過去を断ち切れば、ぼくは疾走してしまうのか、疾走することができるのか?
午前9時、まだ開館していない静まりかえった万博記念公園のこもれびの中を歩きながら、走り続ける自分を少し遠目から見つめることができたような気がした。それでもぼくは決して疾走したりはしない。止まらないんだよ。止められないんだよ。
あれからもう10年か・・・。もうこの路を走ることはなくなったが、路は違っても今もなお、いつもどこかを走り続けているような気がしてならない。あの時と同じように手がちぎれる感覚を覚えるような重い荷物を持ちながら。陸上部で風を切っていた記憶や感覚を忘れることができずに、そんな過去のかすかな想いにしがみついているからだろうか。過去を断ち切れば、ぼくは疾走してしまうのか、疾走することができるのか?
午前9時、まだ開館していない静まりかえった万博記念公園のこもれびの中を歩きながら、走り続ける自分を少し遠目から見つめることができたような気がした。それでもぼくは決して疾走したりはしない。止まらないんだよ。止められないんだよ。