院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

旧漢字の復活運動はなぜ起こらないのだろうか?

2015-11-16 23:29:35 | 日本語
 戦後、新漢字の採用で「單」が「単」に変わったけれども「せみ」を「蝉」と書くのは実は誤まりである。「蝉」は新漢字として定められていないので、「せみ」は元のように虫扁に單でなくてはならない。一文字だけ変えても、他のあまたの漢字まで変わったわけではないのだ。

 明治時代から日本語表記の改変の動きはあったらしいが、これだけ急速に変わったのなぜだろうかと不思議に思っていた。亡父は旧漢字旧仮名時代の大正生まれなのに、私は新漢字と新仮名を亡父から教わっている。

 そこには、やはりGHQが絡んでいたのだ。GHQは漢字を廃止させようと思っていたらしい。廃止までの過渡的措置として新漢字を発表した。

 GHQの命令だから反論もへったくれもなかった。ところがけっきょく漢字廃止は実現せず、新漢字だけが残ったらしい。いまこそ旧漢字を復活させよう。新漢字では語源が分からなくなるからだ。

「学」も「蛍」も上は「ツ」である。これでは意味が分からない。学の上は「興」、蛍の上は「火」が二つだったのだ。

 いつぞや台湾旅行をしたときに、漢字が全部旧漢字だったので、とても気持ちが良かった。


※私の俳句(冬)

   灯台を乗せし断崖波の花