院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

精神障害者の作品の展示即売会

2007-06-01 13:01:16 | Weblog
 精神障害者が作業療法などで作った作品を展示即売することがある。

 場所はデパートの催事場フロアを借り切って行う。

 20年ほど前、私が精神障害者のリハビリ施設の所長をしていたころ、そういう会に参加したことがあった。

 作品は陶芸、木工、七宝焼き、籐細工などである。素人が作った作品だもの、そんなに上等なものがあるわけはない。だから、値段は市価の5分の1程度に設定され、デパートのフロア代もまかなえなかった。

 その会に参加して驚いた。

 デパート開店と同時に、主婦と思われる女性陣がどっと入場してきたのである。彼女らは作品を見る目があって、値段よりも格段に良くできた作品を大量に買いしめた。特に籐細工が人気だった。

 彼女らのピラニアのような貪欲さのために、開店30分後には、出来の良い作品はすべて売り切れてしまって、あとにはカスばかりが残った。

 その後から来たお客さんは、作品の出来の悪さに辟易としたことだろう。出来の悪い作品は、別の精神障害者が買っていった。

 それにしても、主婦たちの生活感覚の凄さに驚嘆した。同時にまだ若かった私は、人生勉強もさせてもらった。