最近、とんと見なくなったが、私が子供の頃には、境内にもケラがいた。ケラは、コオロギに似た体長3cmほどの昆虫で、土中に暮らすが、地上を走り、羽を広げて空を飛び、短時間なら水面を泳いだ。じいじいと泣きさえした。
この生態から、昔は、「おケラの七芸」「ケラ才」という言葉があった。多芸ではあるがどれも大したことがない様を言った。好例を知りたければ、昨今、テレビに登場する怪しげなタレントを見るが良い。
「おケラの水渡り」という表現もあった。ケラは長時間泳げず、すぐに水中に没するところから、最初は熱心にやるが、直に飽きてしまうことを言った。子供の頃、面白がっておケラを池に放り込んで遊んだ覚えがある。
優れた落語家でありながら、俳優、司会者として名をなした故桂小金治は、自らの自伝を自嘲的に「おけらの水渡り」と名付けた。もっとも、小金治は、泳がせてもすぐに元の場所に戻ってきてしまうという意味で使っていたと記憶する。
おケラをオモチャにした罰が当たったか、もって生まれた定めか、私の人生も振り返ってみれば、おケラのようなものだったと、しみじみ思う。そんな中、山寺の坊主だけは、50年近く続けてこられた。仏祖のご加護、私を支えて下さった大勢の方々のお蔭としか言いようがない。
この生態から、昔は、「おケラの七芸」「ケラ才」という言葉があった。多芸ではあるがどれも大したことがない様を言った。好例を知りたければ、昨今、テレビに登場する怪しげなタレントを見るが良い。
「おケラの水渡り」という表現もあった。ケラは長時間泳げず、すぐに水中に没するところから、最初は熱心にやるが、直に飽きてしまうことを言った。子供の頃、面白がっておケラを池に放り込んで遊んだ覚えがある。
優れた落語家でありながら、俳優、司会者として名をなした故桂小金治は、自らの自伝を自嘲的に「おけらの水渡り」と名付けた。もっとも、小金治は、泳がせてもすぐに元の場所に戻ってきてしまうという意味で使っていたと記憶する。
おケラをオモチャにした罰が当たったか、もって生まれた定めか、私の人生も振り返ってみれば、おケラのようなものだったと、しみじみ思う。そんな中、山寺の坊主だけは、50年近く続けてこられた。仏祖のご加護、私を支えて下さった大勢の方々のお蔭としか言いようがない。
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