名塩御坊 教行寺

西宮市北部にある蓮如上人創建の寺 名塩御坊教行寺のブログ
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2014年10月の寺だよりに掲載しました 地方創生

2016年10月27日 12時11分49秒 | 愚僧独言・「寺だより」掲載
 私は、岡山の受験校を経て東京の大学へ行った。多くの同級生も大都会の大学へ行き、その地で就職した。岡山では、卒業した大学に見合うだけの就職口が少ない。岡山に留まったのは、医者、公務員、家業の跡継ぎがほとんどだ。だから、高校の同窓会は、今も岡山本部と東京支部と関西支部で構成されている。
 このような状態は、岡山だけでなく、日本全国に共通しているはずだ。しかも、大学生に限らず、中央が地方の若者を集める仕組みは明治以来百年続いてきた。
 それでも、中央から地方へお金が配られていた時代には、人材を送り出す地方にもそれなりの利益があった。たとえ、土建屋経由の公共事業がほとんどでも、地方の経済は潤った。
 しかし、国の財政が逼迫して地方に回る金が減少すると、途端に地方は衰退し始めた。岡山に留まったり帰ってきたりして家業を継いだ同級生も、半分近くが会社や店をたたんだ。地方都市の商店街は、今やシャッター街と呼ばれている。
 ただ、悲観的になる必要はない。志ある者は、これまでも、そしてこれからも、自力で地方から中央へ攻め上ってくるだろう。新潟県柏崎市に生まれたブルボンは、その好例だ。今でも、デパートの地方物産展には、その地方の意欲的な商品が並んでいる。
 最近、地方の活性化に取り組んでいる建築家の安藤忠雄は、今、地方に足りないものは何かと問われて、人だと答えている。地方創生を言うならば、志を持つ若者が地方に留まれる仕組みを作ってもらいたいものだ。

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