平安時代から鎌倉、室町、江戸中期まで京都の皇族、貴族を中心に紀州の熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)への参拝(熊野詣で)が盛んに行われた。
京都から淀川を船で下り大阪天満橋辺りの八軒家浜に到着、そこからは途中に九十九の王子神社でお祓いや休憩しながら、往復約25日にわたる長い旅である。
春、夏は毒蛇や毒虫が多いため秋から冬にかけての厳しい時期に行われた苦行、信仰の旅であったらしい。
熊野詣での人々は、八軒家浜から南に向かい熊野街道を辿り、王子神社ではないが古刹、四天王寺にも立ち寄り参拝した。
四天王寺の南大門のすぐ内側にある熊野権現礼拝石の上から熊野に向って旅の無事を祈り、熊野までいけない人はここから熊野の神に加護を願い遥拝した。