![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/af/10a2b3d14bae183c2cddf82dab450ee3.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/63/3eca4566297d6588a4de95fbe74f80e7.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/87/a02e66b3210b3943119c382e50b0164d.jpg)
大斎原の西の出口に謡曲「巻絹」なるものがある。
実は良く分からないが、調べてみた。
時の帝が不思議な夢をごらんになり、千疋の巻絹を諸国から集めて、熊野三社に奉納するようとの宣旨が下ります。
そして、勅使が熊野にあって、国々から巻絹が集まってくるのを取りまとめています。
ところが、都からの分だけが未だに到着しません。
今やおそしと待っている勅使は、従者に、都の者が来れば直ぐに連絡するように命令します。
都からの使者は、はじめての紀伊国下りであり、また大切な勅命でもあるので、緊張して旅を急いだのですが、熊野について、まず音無天神に参詣し、折からの冬梅の見事さに一首の歌を詠み、神に手向け、その後、勅使の前へ出ます。
勅使は使者の遅参の罪を責め縛られます。
すると、一人の女が現れて、「その者は昨日音無天神に詣で、和歌を手向けた者であり、神も納受されたのだから、戒めの縄をとくように」と言います。
彼女は音無天神の神霊が乗り移った巫女ですが、勅使は、賤しい身で歌など詠める筈はないと、神慮を疑います。
そこで、巫女はその者に上の句を詠ませ、自分が下の句を続けて出来た「音無にかつ咲き初むる梅の花」「匂わざりせば誰か知るべき」という一首を証拠に縄を解かせます。
そして、和歌の徳、経の威力を説きます。
ついで勅使の求めに応じて祝詞をあげ、神楽を舞ううち神がかりの態になり、熊野権現の神徳を語りますが、やがて神は去り、巫女は狂いから覚めます。