10時16分、西宮古墳に到着。
ここは石室の中に入れます。
廿日山丘陵の南側斜面、中段に築造された方墳。
一辺約36mあり、二段のテラスを配して三段に築成されている。
墳丘の左右と後方の三方に堀割を廻らし、周囲の地形を大きく取り込んだ墓域を有する。
墳丘は全面に貼石が施され、傾斜部分(35度)は扁平な石を、テラス部分はやや丸みのある石を用いている。
墳丘の南側、下段テラス面にあわせて精美な切石の横穴式石室を設け、羨道側石と天井石の前面を墳丘勾配に合わせて加工している。
この状況から、石室の開口部を墳丘封土に埋め込むのではなく、扉状の施設によって閉塞し、石室を墳丘外に明示していたことが確認できる。
羨道の幅に合わせて前面テラスを0.2m下げて墓道としている。
石室は基本的に一石で積まれ、玄室は奥壁、側石、天井石がそれぞれ一枚石で積み木のように組まれており、目地には漆喰が詰められている。
石室の床面には近世に礫石経(法華経)が敷かれているが、この下には90cm角ぐらいの花崗岩切石を敷きつめているらしい。
玄門部に竜山石製の刳抜式家形石棺身部が盗難を免れて残り、外面上下に帯状の突帯を設けている。
羨門部で須恵器坏蓋、高坏片が出土し、7世紀中葉から後半の築造と考えられている。