ミューズの声聞こゆ

なごみと素敵を探して
In search of lovable

アーサー・アレキサンダー

2019年05月28日 | Fab4

 1979年7月に日本でも出版された、ジョン・レノンの最初の妻シンシア・レノンの回想録「瓦解へのプレリュード」(のちに「素顔のジョン・レノン」と改題)に、こんなエピソードがつづられている。

「(レコードデビュー前のビートルズを率いてハンブルグへ遠征していた)ジョンからの手紙は驚くほど定期的にもらった。シン、頼みがあるんだ、A Shot Of Rhythm & Blues の歌詞を送ってくれないか、それほど面倒じゃないと思うよ。何も文句も言わずに頼まれたレコードを買いに行き、歌詞が完全にとれるまで、回転を33に下げスローで何度も何度も長時間聴いたので、まわりの人たちを頭に来させた。たまたま、私の気持にぴったりの愛の溢れる歌詞のレコードをみつけると、それもジョンに送り、歌の心が届くのを祈った。」

「ア・ショット・オブ・リズム&ブルース」は黒人ソウルシンガー、アーサー・アレキサンダーのシングルB面曲(1961年)。A面はローリング・ストーンズがカバーした「ユー・ベター・ムーヴ・オン」だ。次のシングルはやはりビートルズがデビュー前から好んで演奏した「ソルジャー・オブ・ラブ」(と「ホエア・ハブ・ユー・ビーン」)、さらにそのあとがデビューアルバム「プリーズ・プリーズ・ミー」でカバーした「アンナ」である。

アーサー・アレキサンダーは初期ビートルズ、ジョン・レノンのネタ帳と言っていい。

 BBCでの初期スタジオライブ音源を集めた「ビートルズ・ライブ・アット・ザ・BBC」の「ソルジャー・オブ・ラブ」は最高の出来だ。このままデビューアルバムや「ウィズ・ザ・ビートルズ」に収められていてもおかしくないほどに。

 

 

 

 

 

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