このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
新しく開所した施設のバルコニーから太平洋を眺めながら、複雑な心境に陥っていると頭の中で声がした。
首を回すと、隣にざしき童子が立っていた。
僕と同じように手すりに両腕でゆったり寄りかかり、海風に髪をたなびかせていた。
「なんだかここはリゾート気分ね。」
特に今日は日本晴れだからね。―いやいや、エメラルド・グリーンの海は美しいけれど、あれが襲いかかって来たのだから。海からこんなにも近い施設を引き受けるなんて、僕は馬鹿だ。
「そうは思わないな。あなた公募のプレゼンで言ってたじゃない、地域の主たる介護サービスが散逸してしまったら、もう元には戻せないから、あえて火中の栗を拾うって。使命感でしょ。」
それを言われると弱いね。
確かに、ちょっとした自信と自負もあるんだ。
「あなたは大丈夫。だって、どんなに荒れた道でも、あなたが歩んだあとはきれいで美しいもの。ぽらんは本当に素敵、素晴らしいわ。」
ああ、顔に穴が開くからあんまり見ないでよ。僕はおどけて見せた。
潮風の刺激が強すぎるのか、目がしょぼしょぼする。