1968年(昭和43年)に放送されたテレビドラマシリーズ「特攻ギャリソン・ゴリラ」(全26話)は、「コンバット!」に続いてセルマー・プロが製作した戦争スパイアクションだった。
第二次大戦中のヨーロッパ戦線。アメリカ軍情報部は頭脳明晰なクレイグ・ギャリソン陸軍中尉(ロン・ハーパー、声:田口計)を隊長に、特務隊を編成する。任務はドイツ軍占領地での諜報活動や破壊工作だ。隊員は刑務所に服役している4名の囚人たちで、いずれも札付きの犯罪者。彼らに特赦を条件にして命がけの任務にあたらせるのだった。
ご明察のとおり、映画「特攻大作戦(ザ・ダーティ・ダズン)」(1967年)が設定の元ネタである。
オープニングは、「俺は隊長のギャリソン中尉だ。4人の部下は正規の軍人じゃない」の台詞に続けて、メンバーが自己紹介する。
○アクター(チェザーレ・ダノーヴァ 声:森山周一郎)
「俺はペテン師のアクターだ。口八丁、変装にかけちゃ役者より上だぜ。」
○アパッチ(ブレンドン・ブーン 声:中田浩二)
「人呼んでクールな殺し屋、ナイフ投げのアパッチ。」
○イタチ(クリストファー・ケリー声:内海賢ニ)
「イタチって呼んでくれ。スリと忍びは任せとけってんだ。」
○カジノ(ルディ・ソラーレ 声:渡辺 猛)
「俺に鍵は無用だぜ。金庫破りのカジノよ。」
特赦を餌にされた4人は危険な任務を時として楽しみながら、ギャリソン隊長の鼻を明かし、出し抜くことをも常に考えていて、この駆け引きが面白い。
下に貼った動画はシリーズ最後半のエピソードで、「破廉恥作戦・将軍誘惑」とトンデモ邦題がついているが、脚本はなんとヘンリー・スレッサー(ヒチコックのお気に入り作家)、ゲストは若きジーナ・ローランズ(ジョン・カサヴェテス夫人)=最高の女優の、アルバイトだ。