タイ国では巨大財閥であるCP(チャルン・ポカパン)グループの勢いが凄いですネ。
今やタイ国民とタイ在住外国人の誰もが CP系列企業の製品・サービスを、何かしら
利用・活用しているCPグループ。現在の主な事業だけでも、お馴染みセブンイレブンを
運営しているCPオール食品、加工・販売のCPフーズ、携帯電話事業のTrueコーポレーション、
大型スーパーのサイアム・マクロ、不動産のCPランド … … 等々です。昨年には、英国
スーパー最大手テスコの東南アジア事業を約105億ドル超(約1兆1,000億円)で買収
しており、さらに最近では、高速鉄道開発事業にまで手を伸ばし、CP帝国を築いています。
現在、そのCP帝国の会長は82歳のタニン・ジラワノン氏です。CPは1921年、中国から移民
してきた、いわゆる華僑と言われる父親と叔父の謝兄弟が、バンコク都に小さな園芸店(飼料
肥料貿易会社)を創業したことからスタートしています。今年でちょうど創業100年になりますネ。
<タニン・ジラワノン会長>
華人として1939年にバンコクに生まれたタニン氏は、父の意志により中国および香港で教育を
受けています。三人の兄がいましたが、1969年に30歳でグループ社長に指名され、50年かけて
食品から流通通信、さらに高速鉄道開発事業にまで関わるCPグループを育て上げました。
今年の1月時点で、タイ国で一番の資産172億ドル(約1兆9,162億円)を持ち、世界の富豪
トップ100には いつもランクインしている人物としても有名です。創業100年を迎えるに当たり、
タニン氏は何かしら 大きな記念事業を進めると噂されていましたが、それは、昨年 買収した
スーパーテスコを、全店の名称を「ロータス」に統一し、売り場のデジタル化を最大の売り物に
することと、タイ国鉄が保有しているバンコク都マッカサン地区の土地開発の二つのようです。
タニン氏にとって、スーパー「テスコ」には因縁がありました。タイを震源地に東南アジア
全域を揺さぶった1997年の通貨危機までは、独自に展開していたスーパー「ロータス」も
グループ下でした。それが、通貨危機で経営難に陥り、株の75%を翌年にテスコに売却します。
2003年には残りの25%も手放した経緯があり、いつかは、という思いがあったといいます。
それが近年、テスコが東南アジア事業の売却方針を示すと、タニン氏はいち早く手を挙げ、
タイ財閥大手TCCグループや小売り最大手セントラル・グループに競り勝ち、20年末に
タイのM&A にて、過去最大規模の約105億ドル超で買い戻したのです。 明日に続きます。
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