宗恵の「一期一会」

茶道教室の様子を中心に日々感じたことなどあれこれ綴ります。

岡墨光堂

2011-02-14 15:04:00 | 茶道一般
わびすけさまの『夏目漱石の京都』の中に「漱石が書いた紹介状」という章があります。漱石の近所に住む中村豊という青年が、京都の経師屋へ修業に出るにあたり、西川一草亭に他につてがないので経師屋の紹介をお願いする、という手紙が取り上げられています。詳しくはそちらをご覧になっていただくとして、この青年は墨光堂で修業し、東京に戻り中村鶴心堂という店を開き、横山大観などの表装を手がける職人になりました。

この「墨光堂」、現在では文化財の保存と修理で斯界の最高峰というべき存在になっています。

平安建都1100年、明治27年に、岡墨光堂は創業しました。以来110余年、当社社員を含め、数世代におよぶ多数の皆様の努力とご協力により、伝統技術の継承と、新たな技法を求めて文化遺産の保存に努めて参りました。 この長い歴史の間、重要文化財を含め多数の作品の修理に携わることができましたことは、当社にとって大きな財産となっております。
そして現在では、欧米における修理作業の手法、取り組み方等を学ぶことにより大きく影響を受け、文化財としての絵画や書跡等の作品の修理を天職と願って研鑽し、「修理師」の自覚をもって仕事をしております。 修理技法の基本は、千年の伝統のある表具にあります。
当社は、その基本技術に忠実にありつつ、科学的な知識も取り入れ、伝統的「表具師」の継承と、新たな「修理技術者」の確立と完成を目指して進んで参る所存です。(岡墨光堂HPより)


表装の世界もまた奥が深いですね。