絵本の古本屋 【えほんやるすばんばんするかいしゃ】

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「お店と作家の本づくり展」のこと ※会期は、5/9(月)まで

2022-05-02 | ●思うこと




うちの店から徒歩一分のbupposoで開催中の展覧会「お店と作家の本づくり展」も
残り一週間・5/9(月)までとなりました。会期終了まで休みなく営業(14時-20時)しています。

この展覧会について少し。
(と思って書き始めましたが、書き終わったら長くなりました、ごめんなさい)

展示内容を簡単に説明すると、作家さんが自分で出版した本と
お店が出版した本を集めた展覧会です。別の角度で言うと
出版社を経由せずに出版された本たちを集めた展覧会です。

これらは「自費出版」や「リトルプレス」と呼ばれることがありますが
個人的にはこの表現にちょっと違和感があります。
ただ、この違和感について書いてしまうと、ややこしいし
長い文章になってしまうのでここでは端折ります。
とにかく、ちょっと違和感があるので
そういう言葉を使わずにこれらのことを表現しようと思ったんですけど
なかなか難しく、すごく迷いました。
最終的には、bupposoの二人に相談しこの展覧会名に落ち着きました。よかった。

実はこの企画、ずいぶん前からやってみたかった企画だったのですが
いまいち踏み切れない何かがあって、ずっと保留にしていました。
が、今年の1月から2月にかけて広松由希子さんの著書「日本の絵本 100年100人100冊」の
イベントをやったことがきっかけで、この企画が自分の中で再浮上しました。

「日本の絵本 100年~」のイベントは絵本のこれまでを辿って
現在地を認識したいという気持ちから企画しましたが
実際は1910年~1970年代くらいまでしか辿れず、すこしだけ心残りでした。
ただ、あのイベントを開催したことで、すこしだけ見えてくるものがあって
次に検証してみたいことが出てきました。
それが、今回の展覧会「お店と作家の本づくり展」です。

ざっくり言うと「日本の絵本 100年~」展では、メインカルチャーの部分を
掘り下げたような気がしています。もう少し正確に言うと、
時間の経過とともにメインカルチャーとして認識された部分を掘り下げたという感じ。
語弊があると思うので大目にみて頂きたいのですが、メインカルチャーには
どうにもならない時間的な遅れや見えなくなってしまう時間があると思っています。
例えるならば、幹や枝や葉っぱや花を見るような感覚。
これはこれで、すごく重要であり大事な部分だけども、
現在地を認識するには、現在進行形で動いている生のできごと、もっと土の中の部分というか、
種の部分、根の部分、芽の部分に着目していかないと、なにかが抜けているような気がしました。

今回の本たちが、それにあたるかどうかは現時点ではわかりませんが、
少なくとも地に足がついているものたちのような気がしています。
それぞれの動機があって本という形になるまでに、自然な流れがあるもの。
いいとかわるいとか好きとか嫌いとかそういう評価は特に重要ではなく、
生みだすこと自体が重要なものたち。
こういう生まれ方をする本たちをたくさん見てみたいというのが、今回の動機です。

ただ、自分にはどうしても偏りがあるので今回の選書は、bupposoのお二人にほぼお任せしました。
知らない作家さんや本たちと出会うことで自分自身になにか発見があるような気がしています。

念のための補足として、出版社経由の本がダメだとか作家個人やお店の出版が良い、
ということでは全くありません。どっちも同じく「本」です。
どういう経緯で本が生まれたのかどうかは読むときにはあまり重要ではなくて
読んでいるその瞬間は、読む人のものだと思っています。
ただ、出版社の時間軸だけを追っていたら現在地が掴みにくいなあと思ってこれらの本に着目してみました。

長くなりましたが、機会があればこの展覧会を観て頂けたらうれしいです。


▼bupposo(果林社)のHPで全部ではありませんが、どんな本を扱っているのかわかります
https://karinsha.stores.jp/



ちなみに、下の写真に写っている本は、
大桃洋佑さんが自ら出版した「ぼくの街においでよ」(2018年)です。
この本を元に、小学館から「ぼくらのまちにおいでよ」(2020年)が発売されました。
この関係性も非常に興味深い出来事のひとつです。

▼「ぼくの街においでよ」(2018年)
https://karinsha.stores.jp/items/6263b0c1b34a563c2f592888




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