絵本の古本屋 【えほんやるすばんばんするかいしゃ】

営業時間:14時~20時
定休日:火曜、水曜
電話/FAX:03-5378-2204

杉本さなえさんの新しい本「AGEHA」が完成しました / 予約販売も開始しました

2022-11-26 | ● お知らせ

先日、杉本さなえさんの本「AGEHA」が完成しました。

杉本さん、サイトヲさん、純子さん、ありがとう。
印刷屋さん、製本屋さん、活版屋さん、
製作に携わってくださった皆さま、ありがとうございます。

あとは、いろんな人に読んでもらえる本になるよう
育っていくことを願うばかりです。
暑苦しくならないように気を付けないと。

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当店で開催中の展覧会では、普通に見たり買えたりしますので
気になってる方は、ぜひぜひ店頭へお越しください。
展覧会は、12/31(大晦日)までやってます。

◉詳細はこちら


いろいろな事情でお越し頂けない方は発送までにお時間かかりますが、
オンラインで予約販売も開始しましたので こちらをご利用ください

◉予約販売


◉扱って下さるお店の方も大募集です


<補足>
製本屋さんから段階的に納品されるスケジュールになっており、現段階では
えほんやるすばんばんするかいしゃ・店頭分(開催中の展示販売分)のみの在庫しかないのと
展示のことでしばらくは発送まで手が回りそうにないので、
当面は予約販売とさせて頂きます。何卒、ご了承ください。

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杉本さなえさんの新しい本「AGEHA」のこと

2022-11-15 | ●思うこと

何年も前から、一冊の本を作っている。
この本のことを、どう表現していいかずっとわからない。
絵本でもないし、作品集や画集でもない。
いや、もしかしたら自分がそう思い込んでるだけで
ほかの人が見れば、絵本なのかもしれないし、作品集や画集なのかもしれない。
詩の本に見える人もいるかもしれない。また別のなにかにも見えるかもしれない。
いずれにしても、本であることは間違いなさそう。
そんな本が、もうすぐ完成しそうでうれしい。

完成間近で思うことがたくさんある。
どうしてこんなに時間がかかったのか。
いまならちょっとだけわかる気がする。
この本は主に、作家、デザイナー、版元(うち)の4名で進めてきたけど
みんなそれぞれにイメージがあり、解釈がある。
それでいて「絵本を作ります!」でも「作品集を作ります!」でもない。
とにかく、ちょうどいい言葉がない。皆と共有できる型がない。
曖昧な目的地に向かって進み始めれば、道に迷うことは当然と言えば当然で
ここに至るまでに制作を何度も休止した。
なんだかわからない本なので、イメージや解釈を4人それぞれが伝えながら共有しながら
進んでいるのか後退しているのかわからないことを、とにかくやり続ける。
その工程は、それぞれの役割を曖昧にする。
正直、この流れがいいのかどうかわからないけれど、このような歩みの中で
どう表現していいかわからない本が作れたことは(まだ完成してないけど)
とても貴重なことだと思っているし、とにかくとにかく、うれしい。

こんな面倒なことに対して匙を投げずに一緒にやってくれたみんなに感謝以上の感情がある。

作家が一度完成させた作品に解釈を入れて、曖昧な行先を決めて
本というまた別の作品を作らせてもらえるなんて、ほんとによくやらせてもらえたと思う。

ぼくにとって、あのときの展示があまりに眩しすぎたから
目が慣れてくるような時間を作り出したかったというのが、この本を作った動機です。

ひとまず、物体としての本が完成すれば、あとは手に取られた方たちの中で
それぞれの完成や解釈があるので、ぼくはそれをただただ楽しみにしておこうと思います。

もうすぐ完成だと思うとそわそわするなあ。

<追記>
完成しました!うれしい、、、
こんな本になりました↓

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そして、この本の完成にあわせて展覧会も開催します。

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杉本さなえ展示 「Again Tomorrow」

会期|2022/11/19(土)~12/31(土)
定休|火曜・水曜 ※但し 11/23(水祝)は営業します
時間|14:00-20:00
会場|えほんやるすばんばんするかいしゃ・奥の部屋
住所|〒166-0003 東京都杉並区高円寺南3-44-18
最寄|JR高円寺駅徒歩6分/メトロ新高円寺駅徒歩12分

◉杉本さなえさんのインスタグラム

◉杉本さなえさんのHP

◉展覧会の詳細はこちらもご覧ください(絵の購入方法などが気になる方向け)

きくちちき×サイトヲヒデユキ展「一枚の絵本」、無事終了しました

2022-11-15 | ●展示のお知らせ


昨日、きくちちき×サイトヲヒデユキ展「一枚の絵本」、無事終了しました。
延長もしましたので、約1か月半という長めの展示期間でしたが、
終わってみればあっという間でした。ぼくの無茶ぶり企画に挑戦してくれた、
ちきさんとサイトヲさんには感謝してもしきれません。
お二人とは、これからもいろんなことをやっていけたらいいなと思います。
そして、足を運んでくださった皆さま、気にかけてくださった皆さま、
本当にありがとうございました!
特に延長期間は、絵を預からせて頂いたお客さまや、
JULA出版局のお二人、講談社の皆さまのご協力がなければ、
成立しませんでした。心から感謝申し上げます。

一つの展覧会が終わると、始まる前にはなかったなにかが心の中に残ります。
観てくださった方がいたからだと思います。こういうものを授かりながら
拾いながらもう少しだけやっていけそうです。本当にありがたいことです。
数日後には、また次の展覧会がはじまります。
この展覧会は、まだ始まる前です。誰もいない店内は、しーんとしています。
この感じはいつも不思議です。

設営、がんばります。

※今日から11/18(金)までの4日間は、搬出&設営のため、店舗を休業いたします

サイトヲさんのこと。

2022-11-12 | ●思うこと


サイトヲさんには今回のちきさんとの展示でもお世話になってるけど
もうすぐ完成する杉本さなえさんの新しい本でもお世話になっている。

杉本さんの本づくりでは、サイトヲさんの執念みたいなものに
たくさん助けられたし、なにより心強かった。
印刷や製本段階で(それ以外でも)、無理だと思われていることも
わずかな可能性を見出し提案し交渉してくれる。
それは本来、僕の仕事かもしれないんだけど、
僕が同じことをやっても圧倒的に足りないものがある。
これを言葉にするのは難しいけど、、、おそらく「創造性」という言葉が近いかもしれない。
たぶん、これがないと、たとえ執念があっても ただのわがままになる。
実際、過去に自分もそれに近いことをやってきたつもりだけど、
混乱をさせただけだった気もする。
できるはず!という理屈とイメージが自分の中にあっても、
それを裏付ける経験や実績、そして具体的なビジョンがないと、
相手は非常に困るのだ。そういうものを総称すると「創造性」となるのかなと思う。

無理だと思われていることの大半は素晴らしい技術や仕組みが生まれて
その進化のあとにやってくる影の部分なんじゃないかと思う。
日々の生活の中で当たり前に感じるくらい自然な存在になっている素晴らしいものたちは
常識を生み出し、スタンダードになっていく。その強度は日に日に増し、頑丈になっていく。
それは安心に繋がり、よいものをもたらしてくれる。
でも、その変化や進化の中に柔らかさがなければ、いつの間にか硬化していく。
そして、それ以外の意識や思考を遠ざける。

サイトヲさんが、ちきさんと商業の絵本をやり始めたとき
可能性みたいなものが拓かれていくような気がして、すごくうれしかったのを覚えている。
画像の絵本「いろいろかえる」は、二人が作った本の中でも特に好きな作品で
この本が出たときは「わーっ!」となった。
この本の素晴らしさみたいなものを僕が書くと暑苦しくなるからやめておくけど、
この可能性をずっと妄想・想像していたので実際に感じられたことがうれしかった。
この本ができた過程はよく知らないけど、事実としてこの本が生まれたことで
僕の中でいろんな可能性が広がったのは間違いない。
この先にもう少し、なにかがある、できる。こんなことが思えるのはとても幸せなことで、
もう少しここに居させてもらっても大丈夫な気がした。

そんなことを踏まえつつ、サイトヲさんとちきさんの今回の展示は
僕の中では「種」みたいなことをやってるつもりで、
これをやったからって何か意味があるわけでもない。
どうなるかはわからないし、目的があるわけではない。
自然に芽を出して、育っていくといいなと悠長なことを思っている。

サイトヲさんは現在、ちきさんだけでなく、
いろんな作家さんの商業絵本を手掛けるようになっている。
言葉にするのは野暮かもしれないけど、それぞれの本からサイトヲさんの執念と創造性を感じている。
そして、この地道な活動が層になっていくとき、
無理だと思われてたことはいつの間にか可能になっていると思う。

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サイトヲさんときくちちきさんの展示「一枚の絵本」は、明日と明後日、11/14(月)で終了です。
観て頂けたらうれしいです。


11/19(土)~12/31(土)の期間、杉本さなえさんの展示「Again Tomorrow」を 開催いたします

2022-11-11 | ●展示のお知らせ

|おしらせ|
会期がなかなか決まらず、ぎりぎりのお知らせになってしまいましたが
11/19(土)~12/31(土)の期間、杉本さなえさんの展示「Again Tomorrow」を
当店の奥の部屋で開催いたします。

そして、今回の展示に合わせて、新しい本を発売します。
(この本の発売に合わせて、展示を開催するという方がやや正確かもしれません)
何年も前からこの本の完成を願っていたので
もうすぐ完成すると思うとすごくすごくうれしいです。
いよいよ来週届くので、ここ数日は ずーっとどきどきしています。

数年間休んでいた出版業も、これを機に再開しようと思います。
新しい展開になっていくような気がしていていろんなことが楽しみです。
あ!それから、ポストカードもこのタイミングで一新します。
こちらも来週完成なので、どきどきです。

そしてそして。
今回、杉本さんがこの展示のために、12点の絵を描き下ろしてくださいました。
新しい絵が観られることが、とってもうれしくて感激しています。
今回の絵たちも目に焼き付けておこうと思います。

ちなみに、12点すべて販売いたしますが、
できるだけゆっくり観て頂きたいので、今回は抽選販売とさせて頂きます。
初日の混乱や、開店前に並ぶのを少しでも解消できたら、とも思っています。
過去の経験や他店の事例を参考に、できるだけ公平な方法を考えたつもりなので
ご理解・ご協力頂けたら幸いです。なので、大変お手数ですが
作品(絵)のご購入を検討されている方は、必ず下記の【絵の販売について】をお読みください。

では、展示の詳細など、ざーっと読んで頂けたらうれしいです。

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杉本さなえ展示 「Again Tomorrow」

会期|2022/11/19(土)~12/31(土)
定休|火曜・水曜 ※但し 11/23(水祝)は営業します
時間|14:00-20:00
会場|えほんやるすばんばんするかいしゃ・奥の部屋
住所|〒166-0003 東京都杉並区高円寺南3-44-18
最寄|JR高円寺駅徒歩6分/メトロ新高円寺駅徒歩12分

◉杉本さなえさんのインスタグラム

◉杉本さなえさんのHP

◉画像の絵「Ho Ura」

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【 絵の販売について 】
できるだけ多くの方にゆっくり観て頂きたいので
今回は抽選販売という方法で販売させて頂きます。
絵のご購入を検討されている方にとっては
少々ご面倒だと思いますが、ご理解・ご協力頂けたら幸いです。

ご不明な点などございましたら
お気軽にお電話(03-5378-2204)か、メールでご連絡ください。
※メールのお返事は遅めです、ごめんなさい!

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〈概要〉
作品数|12点
販売方法|抽選販売 ※お一人様、一点のみ参加可
抽選期間|11/19(土)~11/25(金) ※11/22(火)は定休
抽選日|11/27(日) ※午前中の予定
抽選方法|くじ引き式 / 抽選の様子をインスタライブで配信予定
参加方法|店頭にある専用の用紙にご記入ください ※詳しくは店頭にてご案内します


〈抽選後のこと〉
ご連絡方法|当選された方にのみ、メールにてご連絡
ご連絡時期|11/29(火)までにご連絡いたします
(ご連絡がなかった場合は、落選となりますので ご了承ください)
ご入金方法|銀行振込のみ(三井住友銀行、ゆうちょ銀行) ※クレジットカード等は不可
発送時期|会期終了後、2023年1月上旬となります
発送方法|ゆうパック着払い

※期日までにご連絡が取れない場合は、別の方が繰り上げ当選となることがございます
※当選後のキャンセルはご遠慮ください

〈注意事項〉
・抽選販売ですので、早くお越し頂いても絵の購入はできません
・お店が狭い路地にあるため、開店前に並ぶのはご遠慮ください
・混雑する場合は、人数制限させて頂きます
(奥の部屋と手前の部屋で合計10名まで入場可能)
・抽選は、お一人様一点のみ参加できます
・抽選の参加は、店頭受付のみとなります
(メールやお電話での参加は不可となりますので、ご了承ください)

・店内は、わりと狭いです
・専用の駐車場はありませんので、近くのコインパーキングをご利用ください
・駐輪場もありません

今回は抽選販売なので、開店前に並んで頂いても
絵の購入には無関係ですが、それでも初日は多少混みあうことが予想されます。
絵の販売のための整理券配布はありませんが
入場をスムーズにするための整理券を配布する可能性はあります。

こまごまと書いてしまい、心苦しくもありますが
できる限り気持ちよく観て頂きたいと思っていますので
みなさまのご理解・ご協力をお願いします。

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長々と読んでくださり、ありがとうございました!
心地いい展示になるよう、がんばります。

これで今年が終わるのはなんだか、、うれしいなあ。



えほんやるすばんばんするかいしゃ
店主 荒木

企画展「一枚の絵本」のこと

2022-11-11 | ●思うこと


残り4日間となりましたので、今回の企画のことをざーっと書いてみます。

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◉ 企画展「一枚の絵本」

|はじめに|
近年のきくちちきさんの絵本は、サイトヲヒデユキさんが装幀を担当しているものが多く
今回の展示で誕生した「よたか / Chase」で計12作品となりました。
この二人の関係性とその相性が非常に興味深く、
展示を通してなにか実験的なことができないかと考えたのがこの企画のはじまりです。


|確認と仮説|
きくちちきさんの個展を観る度、本人に「今回の展示はどんな姿勢(身体の姿勢ではない)で
描いているのですか?」みたいなことを聞くようにしています。
これは絵一枚一枚に対する具体的なものではなく、大まかな姿勢の話なので、
確認程度の意味しかありません。
ちきさんは、いつも「ぼんやりと浮かんだ物語を絵にする」のようなことをおっしゃいます。
ということは、一枚の絵の中に物語が潜んでいるわけです。
(絵を絵のまま観て想像するのも楽しいけど)これを見てみたい。

一方、サイトヲさんは、ちきさんの絵とお話がどうやったら本の中で活きてくるかを
考えながら装幀・デザインをしているように見えます。
ちきさんが生み出したものの本質を掬い取るように扱い、絵本という物質にしていく。
繊細な作業だけではなく、いたるところにちょっとした遊びも加えます。
二人が作った本を見てると、信頼関係をすごく感じます。
これができる関係性ならば、絵本ではなく展示でも着地できるのではないか。
これまでの個展が、ちきさんのソロ活動に近いとすれば(実際はお店の人との共作だと思いますが)
二人の展示にできるのではないか。


|試み|
まず、ちきさんに「大きな絵を一枚描いて頂けませんか?」というお願いをしました。
これを、サイトヲさんが自由に扱って、デザインと印刷が加われば
展示作品にできるのではないかというのが今回の企画です。

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結果としては、一枚のつもりが二枚の大作がやってきたのはびっくり&うれしい出来事でした。
しかも、絵の中に文字が入っていて、さらにびっくりしました。
その二枚の大きな絵をサイトヲさんがどう扱うのか、ドキドキしながら待っていたのですが
仕上がってきたのは展示作品なのだけど本にもなるという、これまたびっくりなものでした。
今回、お二人にはたくさん驚かされました。

この企画を引き受けてくださった二人には感謝の気持ちでいっぱいです。

会期は、残り4日間・11/14(月)まで(火曜と水曜はお休み)なので、できたら見て頂きたいです。
遠方の方や、タイミングが合わなかった方は、オンラインでも購入可能です。

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◉手製本「よたか / Chase」


◉卸販売もやってます

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きくちちきさんが描いた大きな原画「よたか」「Chase」