この本は、もう、ずーっと憧れの本。
こんな本を作ることができたのならどんなに幸せなことだろう、
と思うと同時にちょっと怖くもなるかも、とも思う。
ちょうどいい言葉が思いつかないけど
自分にとって、生まれてくれてありがとう、
という本のひとつです。
1968年に生まれたこの本が絶版にならずに、現在も新品で買える本で本当によかった。
わかやまさんはもちろんだけど、出版元のこぐま社さんとこの本を支えてきてくれた人たちに感謝しかないです。
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出版社の社史や絵本の歴史に詳しいわけではないけど、
絵本そのものを見ていると感じることがあって、60年代から80年代にかけての福音館、至光社、
そして こぐま社がやってきたことのバランスがすごく好きで、いまでも、いつでもすごく共感します。
あのバランスなんだ、といつも思う。
(あくまでも勝手な解釈だし一方的な共感ですが、松居さん、武市さん、佐藤さんの対談を本で読んだときに、
あーやっぱり!と感じて妙に納得したことがある)
こぐま社が他2社に比べてちょっと遅れてやってきた、というタイミングも絶妙でわくわくします。
そして、そのタイミングでこぐま社だけが意識的にやっていた(と勝手に思ってる)ことがあって、
これが自分の中では とってもおおきい。
で、ものすごい個人的な感覚だけれど、
この本には、福音館的感覚、至光社的感覚、(そんなものないと思うけど)
そして当時のこぐま社の輝きがすべて詰まっていると思っています。
自分の中ではこの三つが一冊の本で表現できるなんてびっくりなんです。
すべてのバランスがいい。
いや、バランスなんて言葉はちょっと優等生っぽくていやだけど、
本当にいろんなことが見事で、「お話が~」とか「絵が~」とか、
そういうことではなくって(もちろん、そういうことも含めて)
本という物体全体に大事なことがいっぱい含まれているように感じます。
あ、長々と書いたわりに、ちょっと抽象的すぎたかもしれません。
結局どんな本なの?という感じになってしまった気がするので、
いつかまた気が向いたら またこの本について書いてみたいと思います。
今回はやや出版社目線だったので今度は別の角度で。
とにかく、
この本をお店で扱うことができて嬉しいです。 .
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