都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。論文や講演も。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

初秋の金沢を味わい、歩く、3万歩で堪能

2018-10-24 02:17:01 | 趣味

 11月半ばの土曜、子供と荊妻と3人で金沢へ。7時半過ぎに京都を出発、2時間少しで10時前にサンダーバードは金沢着。2002年頃はN生命で福井・金沢・富山のビルを管掌していたが、当時は論文などで忙しく観光は全く思いつかなかった。兼六園のみ一周回ったのを覚えている。その前、83年にはT工務店の見習いで北陸一泊旅行に行った。この時は大友楼で会席をSさんと一緒に食べた覚えがある。

  閑話休題、お昼の海鮮丼やお菓子、大友楼の駅弁などの食べる楽しみと、名所めぐりの歩く観光を楽しんで3万歩。

 金沢駅は綺麗かつ巨大になり商業も充実した、全体を覆うドームとあまり好みでないが巨大な鼓門(設計 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E6%B1%9F%E9%BE%8D%E4%B8%89 )などに驚く。 石川県庁や金沢大学の移転など中心部の空洞化、その反対に駅前再開発の進行、その先に北陸自動車道のICの設置などで駅周辺と駅の西側に都心が拡大している。旧市街と駅周辺の2極分化が見られる。

 北鉄バスの無料券もあり、香林坊まで。バスは右と左回りで15分に一本くらい。ここから歩いて武家屋敷をめぐる。用水の景観と観光歩道が整備、西外惣構掘など興味が湧く。用水に降りる階段も綺麗だ、また、一部は用水を生かした、こじゃれたお店になっている。足軽資料館は初めてで、こういう階級の資料は貴重だ。外壁は押縁下見張りで風雪に耐える仕上げだ。京都の杉板縦張りとは正反対だ。便所は汲取り式だろうか。風雨を凌ぐガラスと隙間風のないアルミ・サッシュ、壁の断熱など今の住宅は贅沢だ。この薄い壁と隙間風では冬は服にくるまっているしかない。途中にお洒落なパン屋があった。( https://tabelog.com/ishikawa/A1701/A170101/17006812/ )川沿いに柿が多く、写真で楽しんだ。

街中は築地塀で土のまま、瓦など挟んでいない。基礎の石垣が高めできれいに積んである。小路を歩くと和む。

 折り返して、鴨川に似た犀川を渡る。上流には堰が、川沿いの緑地・親水整備はあまりない。 

 にし茶屋街(ちゃやがい https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%AB%E3%81%97%E8%8C%B6%E5%B1%8B%E8%A1%97 )は小さい。重要伝統的建造物群保存地区(寺町とひがし茶屋街などの4か所が指定)にはなっていない。1820年の公許では明治の50年程前にしか過ぎない。2階がのっそりして高い、独自の細かい出格子(弁柄の木虫籠)が景観を形成する。京都で言うと祇園白川あたり。

 西茶屋資料館( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E8%8C%B6%E5%B1%8B%E8%B3%87%E6%96%99%E9%A4%A8 )は近年の復元、いまひとつ。周辺はあまり見るべきものはないが、甘納豆の店と奥の土蔵など一見の価値がある。昔は、香林坊、片町、にし茶屋のルートに賑わがあったのだろう。

 

寺町の近くから、バスで犀川を下り、お城の前を通って浅野川を渡り、ひがし茶屋( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E5%B1%B1%E3%81%B2%E3%81%8C%E3%81%97 ) へと浅野川を渡る。

 お昼は海鮮丼 澤ノ屋で楽しくおいしい。

 ひがし茶屋では、保存地区として(https://www4.city.kanazawa.lg.jp/11107/rekisimatizukuri/jyuudenkentiku2.html )志摩( http://www.ochaya-shima.com/ ) と、お茶屋美術館(旧中や http://www.ochaya-museum.com/ )で色々学んだ。もともと、1820年公許の前は八幡川に沿った区画だったが、ひがし茶屋は川を無視して暗渠化し道路を付け替え、周りに塀を回し冠木門を表と裏に設けたとある。平行に一、ニ、三、四番街が整備され背中合わせの建物となっている。どこかで見た町割りだと思ったら、飛田に似ている。奥には卯辰山が見えて景観と規模は東山を背にした祇園に似ている。

背中合わせのため仕出しなども表から入れたようだ。三業地であり、茶屋(明治には「上等貸座敷」とある)、置屋・検番、仕出しもあったとのこと。娼妓ではなく芸妓だったようだ。

 通りが広く、近代的な感じがする。建物も新しい。入口に階段と曲線の手すりがあり色街建築らしい。次の間があり、金屏風と地方の楽器が置いてある。

 志摩の中庭には何故か灯籠が3基もある。中や には水琴窟がある。入口は頑丈な木戸で潜り戸がついている。前から見ると2階がのっぺり高い。建具も2階の方が大きい。旧中やの2階の離れなど青の壁がモダンで床の間を枠どる木の磨きが映える。弁柄の色も対比となっている。もっとゆっくり見たかった。

 地下には石室(当時の冷蔵庫とのこと)と台所があり、仕出しの暖めなどに使ったのだろうか。 

 洋食屋や食堂もありハントンライスもあった。街並みは押縁下見張りの壁が特色で、影が面白い。なお出窓が多いが、空中越境を気にしないようだ。

 東側にある観音町は商店が多い。各戸にあるトウモロコシは門守と言い長谷山観音院( http://www7b.biglobe.ne.jp/~osyou/ )の「四万六千日」の縁起物。通りは参道でもあり、経田屋の穀物の名を書いた白い暖簾など独自の街並みがある。昔は平屋建てが多かったのだと解説の方から聞いた。 

 浅野川の向こうには、京都の先斗町みたいな主計町茶屋街(かずえちょう https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%BB%E8%A8%88%E7%94%BA_(%E9%87%91%E6%B2%A2%E5%B8%82) )がある。公許のお茶屋ではないものの自然発生的な川沿い茶屋を形成している。3階建ても多く、アドリブが効いている街並みだ。御茶屋は廃業し、カフェやホテルになっている。検番らしき建物もあった。

 近江町市場( http://ohmicho-ichiba.com/portal/servlet/ohmicho.search?tm=125657172 )まで歩く。市場は、活気があり京都の錦市場のような観光地ではなく、大きな生鮮スーパーのようで生活と結びついている。それでも観光客相手の鮨など多い。名物、泥鰌の蒲焼を3店比較してから購う。うまいお土産になった。

 金沢21世紀美術館( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E6%B2%A221%E4%B8%96%E7%B4%80%E7%BE%8E%E8%A1%93%E9%A4%A8 )はSANAAの作。丸い公共空間を置いて、そこに各展示室が突き抜ける箱となっている造形。うまいし、センスが良い。屋外アートも子供が楽しめる気軽さ。地下を使い、高さを15ⅿに抑えた手法も周辺の景観に配慮している。

 兼六園( http://www.pref.ishikawa.jp/siro-niwa/kenrokuen/point.html )は大名庭園で広大。瓢池と霞ヶ池で水を貯め、噴水と流れに利用するという土木計画。園内に御茶屋が多く、あんころ餅が名物のよう。

 傘は雪見型で広めの薄目、雪を冠るときれいに見えるからだろう。足は2本の有名な徽軫灯籠( ことじとうろう )や、こけしみたいなのとか凝っている。全体にあっさりモダンな形状。

 水辺のすすきが逆光にきれいに浮かんでいた。四季の花や雪景色がきれいなのだろうと思いをはせる。

バスを逃して、歩いて金沢駅まで。お城の裏側や近江市場、駅前の再開発などのんびり見て歩く楽しみ。

 金沢駅ではお土産と駅弁に。というもお目あてのおでん屋さんが長蛇の列で食べられず。

 帰りのサンダーバードは雄琴の手前で鹿と衝突し12分遅れる。雷鳥が鹿に勝つのは面白い。Google Mapで見ると水田近くまで森が伸びているところを走っていたのか。

 元気な子供は京都駅から歩くとのこと。荊妻と地下鉄で帰洛。さっそく泥鰌の蒲焼きで湯上りの一杯を楽しむ。

 充実した一日、仲良し一家は良いな

コメント
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