都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

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2008-09-28 09:20:15 | インポート

御覧頂いている、皆様。当ブログに関連するホームページの修復完了いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。

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大阪北ヤード2期を考える

2008-09-28 09:17:53 | 都市計画

<o:p></o:p>

先日、「大阪府庁の移転の評価と提案」を述べた。最近の新聞には大阪オフィス市況の変化を受け、大阪北ヤードⅠ期の竣工遅延とⅡ期をどうするか、公園にしてはとの提言も書かれていた。<o:p></o:p>

今後の大阪のあり方を考えてみたい。先ず、大阪北ヤードの規模は24haである。これは大阪ビジネスパーク(OBP, 25ha)と同じ大きさで、汐留(32ha)より一回り小さい。面的都心整備として、全体の開発で新都心としてのクリティカル・マスが充足される(つまりは、Ⅰ期のみだと集積が足らないこととなる)のでⅡ期の開発が必要である。<o:p></o:p>

次に、都市として大阪を考えると、縮小が考えられCBDの集約が必要となる。梅田周辺は西梅田、堂島・中ノ島の開発が500m圏にある。つまりは梅田の西、北に地下街とともに開発が連坦している。更に北側も開発が進めば大きな集積となる。また梅田は大型百貨店の新規出店、リニューアルもある。また、JR,阪神・阪急、地下鉄のターミナルとなっている。これらのことから、Ⅱ期の開発もオフィスで行い、大阪の使いやすいAクラスのオフィス集積を伸ばせば、都市間競争に優位となる。ロンドン・ドックランズの開発は90年代オリンピア・アンド・ヨークの破綻の要因となったが、今ではロンドンの金融センターとなっている。当面の空室より、クリティカル・マスの確保という中期的視点が必要である。<o:p></o:p>

但し、梅田の開発は痛みもある。御堂筋線で淀屋橋、本町は既存集積と京阪、中央線(近鉄)の利便性で発展が見込めるが、その南部である心斎橋、難波、天王寺のオフィス需要は今後明解には言えない。さらに御堂筋東西の堺筋、四ツ橋筋については御堂筋線の補完、または住居系エリアとしての変容もある。(タワーマンションが多い)大阪の今後の成長がゼロサム(あるいはマイナスサムであるとすれば、梅田の開発分のパイはその他のエリアでは減少することとなる。そのため、エリアごとの今後のあり方を考える必要がある。つまりは大阪コンパクト・シティ化である。<o:p></o:p>

コンパクトシティでは住・商・医・教が求められる。大阪都心では特に、チェーンで無い市場が欲しい。(京都や東京では意外と多い)また、中ノ島を始めとする緑や歴史のアメニティのいっそうの整備が必要である。特に中ノ島軸は市内を分断するエッジ要素であるから、回遊と緑で魅力的なものとする必要がある。または、梅田から淀屋橋までオフィスの連続性を確保するのも一手である。(歩道橋やアンダーパスで新地付近が分断されている)<o:p></o:p>

さらに、前も述べたが、大阪府庁こそ跡地を緑化すべきである。その容積は北ヤードにTDR(容積移転すればよい)。そうすると、州都の庁舎確保と梅田の中心性向上となり、更に中ノ島軸に広がりのある歴史エリアが付加される。<o:p></o:p>

それでは、WTC,ATCはどうするのかというのが残る。コンパクト・シティには相容れない立地であり、郊外のコールセンター、バックアップセンターとしての活用があろう。湾岸線を利用して、境の「液晶ゾーン」との連携も考えられる。<o:p></o:p>

大阪を都市としてどうするのか、都市競争の課題は何か、効率的な投資は、都市計画案は、という中期を見据えた開発計画・都市戦略が欲しいものである。<o:p></o:p>

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証券化やデリバティブはゼロサムゲームと今後の日本の対応

2008-09-21 08:53:37 | マクロ経済

<o:p> </o:p>不動産証券化の歴史の中で、80年代の終わりに事例として習ったのが不動産担保証券であるFannie Mae, Freddie Macで、その後、90年代のバブル崩壊護、日本で外資の投資銀行がデリバティブで大儲けした。そして、その後不動産の証券化(REIT)が出てきて、2000年以降、不動産ファンド会社の乱立と現在の一部破綻を見るに至っている。<o:p></o:p>

何度も言うが、証券化もデリバティブもゼロサムはゼロサムである。その説明として、今回のAIGCDSCredit Default Swap)を採り上げると、これは貸出し金利の回収の保険部分の分離と考えられる。同じく、オプションなども将来の保険としての分離と考えられる。保険のプレミアムは金利以上には(通常)なく、単に金利の構成成分を分けただけである。マクロ的に見ると付加価値(GNP)を上げるには金利を上げることしかない。<o:p></o:p>

更に不動産ではプロジェクト・フェーズ毎にリスクが区分され開発段階はコンストラクション・ファイナンスとなり、更には開発型証券化手法もとられ、開発者とその後の所有者が分離された。そして運営も専門会社への委託が多い。つまりは開発と運営と所有の分離がなされている。専門化・特化であるが、このことは開発から所有と運営までの「哲学」が一体ではなく、都市計画上のモラルや開発と運営の一貫性に課題がある。(破綻した開発会社やファンドで宙に浮いているプロジェクトも散見される)<o:p></o:p>

分離の次は混合である。CDSにしても、CDOにしても複合の案件をまとめているものが多い。REITははじめから束にした案件である。ここで混合するとリスクが減るという考え方がある。ある一面は正しい。しかし、カレーは色々なルーを混ぜたほうが美味しいというのは正しくないというのを「カレーライスの謎」水野仁輔著で読んだ。これによると、カレーの基本は決まっており、プロが作ったままが一番美味しいとある。具体例として、色々なカレーをレシピのまま作ったらそれが一番美味しかったということも述べられている。混合でなんでも良くなるというのも幻想だろう。混合は何が入っているのか分からない餃子かも知れない。この場合、皮は投資銀行やファンドのブランドということになるのか。だが、今では投資銀行もブランドとして権威がない、ファンドも課題のあるものが見受けられる。となると餃子より、中身の見えるハンバーグ、挽肉のハンバーグより焼肉、切ってある焼肉より出自の明らかなお肉屋さんから買ったお家でのお食事になるのかもしれない。<o:p></o:p>

餃子も皮から作ると安くて美味しいし、家族のつながりを感じる。もっと分かりやすく、ごまかされない投資が手作りでかつ内容の分かり易い物が欲しい。<o:p></o:p>

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さて、アメリカの投資銀行などの金融支援が求められている。日本の貯蓄で「買収ファンド」など運営し、相応の値段で取得するチャンスではないだろうか。後ろ向きよりも、前向きで創造的に。<o:p></o:p>

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空気の研究とバブルへの追従と日本

2008-09-21 08:46:01 | マクロ経済

<o:p> </o:p>アメリカの信用危機について引き続き考える。バブルとは世の中の雰囲気であろう。最近、KYという言葉が流行っているが、どうやら場の方向に敏感なようだ。山本七平著の「空気の研究」というのがあるが、その中には、日本人は空気を読んで、どうしようも無いときも、その場の雰囲気に流されるというのがある。これがアメリカにも伝わっているのか、それとも世界的にそういう流れなのか。流れに棹差す意見が、見解が少ないのはこれこそ問題であろう。周囲の意見に流される付和雷同の結果が、アメリカの住宅バブルとしたらこれこそ恐ろしい。また、日本では「右に倣え」が更にその傾向を強めているとしたらそれもおかしい。「オレたち花のバブル組」池井戸潤著に骨のある銀行員の姿があるが、こういうのが欲しいな。(小説自体はなかなか無理のある設定と内容です)<o:p></o:p>

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リーマンブラザーズ破綻に思う

2008-09-20 16:10:14 | マクロ経済

<o:p> </o:p>あまりに納得がいかないので駄文を書き連ねます。<o:p></o:p>

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     住宅高騰による消費拡大は<o:p></o:p>

GsS-Nx = I 投資は財政黒字、貯蓄、それから輸出超過を引いたものである。アメリカは、財政赤字、借入れ拡大(マイナスの貯蓄)、輸入超過であり、投資は輸入超過が支えていたことになる。このような状況では、産業が成長する訳が無い。GMも破綻するのが分かる。(「GMとともに」の新刊が出たがSloanも嘆いているだろうな。)<o:p></o:p>

住宅高騰による借入れ拡大と消費の拡大は、貯蓄率の低下(借金の増加)であり、現在の消費の付けを、先に支払うことである。金利収入は拡大しGNPに貢献するが、住宅の高騰分(含み益)はGNPに直接的にはならない(Economic Rent:経済地代は拡大するが)<o:p></o:p>

どうも架空の成長ではなかったか。グリーンスパンの90年代以降はインフレ無き成長と評価されたが、これが住宅高騰によるものとしたら、消費の先食いに他ならなかったのでは。<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

     金利の低下と所得の偏在<o:p></o:p>

アメリカも景気対策のため金利を上げようにも上げられない。より良いリターンのため、富裕層の資金が「シナリオ相場」を作っていないか。この前まで、中国製品がデフレの要因と言っていたのが、中国の消費がインフレの原因とはおかしくないか。大体、中国のGNPとかは結構いい加減な推計であるし、国際金融収支なども誤差脱漏が物凄く多い。(どうも麻薬取引などアングラが多いらしい)ここを狙って好き勝手なことを言っているような感じである。中国はその上、所得格差、地域格差が大きく、把握しにくい状況にある。<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

     ITのバンドワゴン効果<o:p></o:p>

うわさで動くのが更に多くなって気がする。流言飛語を助長しているのでは。株式欄などで書かれると資金は引き上げる、取引は停止するという動きが多い。更にそれが、即株価に反映するスパイラルがある。情報の過度の流動性ではないか。銀行も資金の「池」という機能でなく、よりすばやく資金を動かす機能となっている。(余談:ネットで怖い事例は、「決壊」    平野啓一郎著にあります。一読下さい)どうも、貸し付けの動きが急である。これはノンリコースローン(プロジェクト・ファイナンス)や証券化(私募債を含む直接金融)が多いことも一因だろう。<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

     投資銀行とは何か<o:p></o:p>

目の前の収益にだまされたのではないか。短期の収益(ストックオプションに跳ね返る)、みんながやってる(ネットの効果か)、理論上安全でお墨付き(格付け)もあり。というのが、背景だろうか。切ない感じである。あの、アメリカ債と同じくらいの信用度の住宅関連債も、政府が保証となったのだから、長期の宴はなかなかの酔い加減であったのであろう。気がつかなかったのが悔やまれる。それとも、CEOは儲けられるときに儲けようという方針か。ストックオプションがボーナスで、キャピタルゲイン課税が15%ならば考えられる。投資銀行でリストラされた方々をTVで見ると、さばさばしているのも、稼ぐだけ稼いだということか。<o:p></o:p>

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中京区の洋食屋でビフカツ

2008-09-20 16:03:43 | 食べ歩き
ビフカツとは牛肉のカツで、これとエビフライ2本とハム、カップスープがついて約千円である。かなりレトロなお店で、ロウ細工のサンプルに歴史を感じる。美味しいとの評判なので、値段の変わらない「はふう」のハヤシライス(サラダと飲み物が付く)は、良く行っているし、こちらに伺った。お昼のランチもあり700円台でポークカツとエビフライだが、ドゥミグラス・ソースのかかったビフカツが美味しそうなのでそちらにする。時間となり中に入り、数人の注文が取られた。ご主人が、フライヤーにカツを入れた。次にエビフライを入れた。そしてカップスースが先に渡された。次にお皿にカツ、エビフライと千切りキャベツが載せられ、タルタルソースやカレーソース、ドゥミグラス・ソースが掛けられ、ご飯とともに次々と運ばれた。味は、「フライ」である。牛肉は薄くて旨味も無い。エビフライはエビである。ドゥミグラス・ソースの色は濃いが旨味がどこにもない。付け合せは少量のキャベツのみで卓上のサウザンド・アイランド風のドレッシングを掛けるようだが旨味がない。徹頭徹尾、油とライスと衣と肉とエビである。もっと、ひとつひとつ慈しむように作れないのか。これでは洋食屋ではなくとんかつやである。(それなら美味しい「かつくら」もある)店は忙しく、落ち着かない。味は単調で、変化もない。5分も走れば行ける、左近という祇園のステーキ屋さんの1,260円のランチにすれば良かったと心から思い、はふうのハヤシライスの偉大さに気がついた。ひとつ良かったのは、この店は恐らく約700円のランチのお店なのであろうと思った。(そちらの注文が7割だった)。ご飯大盛にすれば納得のカリテ・プリだろう。
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「格差はつくられた」(Paul Krugman:The Conscience of Liberal) を読んで

2008-09-15 20:18:07 | マクロ経済

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進歩派の良心と訳せば良いのかな。久々の毒舌経済学者の新刊。読んでみると所得格差の広がり、いわゆる二極化を1920年代と現代のアメリカの「長期の金ぴか時代」(三上義一さんの訳はいまひとつついて行けないので、原著を読むべきだが)としている。1950年代は中流階級が主体の所得格差の「大圧縮」時代とある。現在の格差の原因は「制度と規範」の変化として限界税率の低減(所得移転の減少)、ストックオプションなどの企業制度、ITの普及としていて、お金持ちが更に優遇され、その子弟の教育も良いというまとめになっている。<o:p></o:p>

必ずしも、保守派が原因だとは思わないが、格差が広がる社会の仕組みには賛同せざるを得ない。要は、持てる権益を守り、より利益を拡大するという風潮がある。それが無い物は、持てる様に努力すべきだという解釈が多い。つまりは、階層間、階級間の移動が難しく、所得の移転がすくない社会になりつつある。権益資本主義とでも言おうかな。<o:p></o:p>

私は、歳入では限界税率を元に戻す(累進課税)と消費税(取り漏れの防止)が最もよく、歳出では、教育(公平性の原則の根幹)の充実のため低利ローン、奨学金、私学への補助金(公的教育はどうも投資効率が低いのでは、人材でも採用の透明性が無いなど)が根幹と考えている。自分の好きな道を、好きなだけ勉強でき、それを引き出す教育者が欲しい。<o:p></o:p>

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うどんのおはなし

2008-09-14 19:12:27 | 都市生活

うどんが好きだ。とくにきつねうどんとカレーうどんが佳い。お気に入りの山元麺蔵で土牛蒡の天ぷらのおうどん(840円)を食べてきた。麺は。こしがあるが滑らかで、嫌というほど入っている。牛蒡の天ぷらも揚げ立てで、ばらばらなものが、ひとつかみ入っている。お出汁は力強く、醤油が効いている。一口目には驚嘆するくらい、牛蒡と油とお出汁、そして麺が美味しい。麺と牛蒡をお出汁が仲立ちしている。大地を食べているような感じで、心がたゆたう。ただただ次の箸が口に運ばれる。と、途中まで良かったのだが、中間を過ぎて飽きてきてしまった。なにか、憑物が落ちたような感じである。どうも油と出しの濃さに飽きが来たようである。もう少し量を減らすか、お出汁が柔らかいお味(例えば昆布を増やすとか)のほうが食べられる。カレーうどんは一気に平らげるのだが、夏ばてで胃が天ぷらに弱いのだろうか。それともよる年波か。

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最近、おうどんのお出汁が塩っぱいまたは濃いと感じることが多い。昔から大阪の美々卯で「組」と言ってせいろそばを先に、きつねうどんを声がけで持ってきてもらって食べていたが、それでも千円くらいであった。但し、二十年も前からのことで、いまは1,440円である。当時の定食が600円くらいだったので相場かも知れない。この美々卯もお出汁が濃いと感じる。お揚げはよいのだが。船場の松葉屋もきつねうどんの元祖だが、お出汁は濃く、荒々しさを感じる。今のお気に入りは「やなぎ」の淀屋橋、きつねはこの見せに限る。麺もなかなかこしがあり、滑らかで、お出汁もさらりとして薄味であるがコクがある。昆布やかつおが支えているが出しゃばってこない。また、お葱の切り方が斜めに長く切ってあって麺やお揚げとの調和がある。(美々卯のお葱の薄い小口切りも良い。確かお葱切りお専門の方もいると聞いたことがある。余談:京橋店の裏の穴子の頭も懐かしいな)

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最近、讃岐うどんが流行り、硬い(加水率が低いまたは腰のある粉)、弾力がある(粉または濃い塩分または練り)、ゆでたての即〆が良いとされる。私は固さや弾力よりも滑らかな、つまりは喉越しが良く、腰のある麺が好きだ。京都が誇る、茹で置きの麺もお出汁を絡ませるが、喉越しが悪いので好まない。お出汁も、昆布の効いた、醤油の薄い、旨味のあるものがよい。これと違い、讃岐の麺にはイリコと讃岐や小豆島の醤油の荒々しいお出汁が合う。<o:p></o:p>

山元麺蔵ではなくて、お隣の岡北で食べたほうが良かったかな。ここは長閑でありながら、隙の無い仕上がりの麺が楽しめる。

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松葉屋のおじやうどんの大も、こういう秋の空の空腹の時には食べたいものです。強めのお出汁が煮含めた椎茸、お揚げ、ご飯、うどん、紅生姜なんとも合います。レンゲが止まらなくて、食べた後は大汗となっています。岡北でもやってくれないかな。富美家にはあるんだけれど。<o:p></o:p>

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社家町の静けさと土塀

2008-09-14 19:11:12 | 都市生活

やっと秋めいてきた。日差しも優しくなり、空も高い。京都の楽しみの一つに古い町並みの散策がある。今朝は上賀茂神社の社家町に自転車で巡ってきた。社家町は、上賀茂社の神官の住まうお屋敷と明神川の風景が良く、そして太田神社とお漬物のすぐきでも有名な京都の北の山際にある。京都の都心から鴨川を上がって15分くらいである。スケッチがあるのでよろしけば( http://www15.plala.or.jp/n7ohshima/shakachou_1.jpg )

ここで気がついたのは静けさである。音がしない。自転車のフリーホイールの爪音のみ聞こえる。静謐とはこのことかと思った。都心居住は音が多い。朝は、カラス、朝刊のバイクからはじまり、夜は自動車のアラーム、人の騒ぐ声などである。この社家町は人通りも無く、生活の音も感じられないくらい静かである。気分はそのおかげか大変なごむ。景色も古い町並みであり、目だった色や看板も無く、視覚的にも「騒音」が感じられない。逆に、都心居住での音は何かとストレスになるのかもしれない。

彷徨っていて、社家町の土塀は、何故か上が土か土色の漆喰(または鏝仕上げのできる土でしょうか)で、出っ張っていて、その腰は石組みのものが多い。普通は、下の石組みが出ていて、上は白い漆喰仕上げなどが多い。何かの様式であろうか。この色が落ち着いているのでより穏やかな風景なのかな。

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袖看板について考える

2008-09-13 17:39:32 | 都市計画

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袖看板について考えてみたい。イタリアのまちづくり(宗田好史著)の148Pに(ヴェネツィア氏の歴史的市街地における広告物規制から)を見ると突き出し看板や壁面文字、案内板などは許可されているが、屋上看板や野点看板、ポール看板の独立看板、袖看板はその概念すらない。20年前のボストンにもデザインコードがあったが、これらの看板は規制の対象にすらなかったように思う。(現在手元にないため不確かです)<o:p></o:p>

特に屋上看板と袖看板は日本に多い。袖看板についてあるが、要件を満たす高さの上であると、1m以内で歩道か道路への突き出しが要件を満たした上で許可される。袖看板は、①建築基準法の「工作物」扱い(高さ4mを越える場合)、②屋外広告物法(条例に定めてある仕様の適合、許可申請等)③道路法(道路上の場合道路管理者への占有申請が昼用)の要件と費用支払いがある。<o:p></o:p>

しかし、袖看板は多い。何故かというと①テナントがその名称を出し案内としたい、②ビルとしてない場合テナント誘致に支障をきたす懸念があるという背景がある。<o:p></o:p>

その結果、街路からの景観では、袖看板が十重二十重に見える。景観の優れた銀座本通でも創である。だが、袖看板および屋外看板(多くは建物の屋上にある)は景観を害していると感じる。(道頓堀くらいふぐ、エビ、カニなどあるとアジア的で一種の名物になるかもしれない。ボストンでもチャールズ・リバー沿いにあるCITGOの看板は名物に指定されている)<o:p></o:p>

しかし、袖看板には安全性の問題もある。地震のとき道路への落下の危険性もあるし、現実に落下した看板もある。規制すべきだと考えるが、すべての看板を規制するのにはコストがかかる。それなら、占有料は道路管理者が定める料金で議会が決めるのが多いと思われるが、それを相応に値上げする対応が考えられる。その追加収益があれば(というのも看板の数の減少と単価のアップの結果は減少かも知れないので)を震災対策に回すというのはどうだろうか。屋上看板もいわゆる賑わいへの「ただ乗り」であるから、更に広告条例で規制するなり、広告費用を徴収してはどうか。あわせて、でき得れば壁面の広告も規制が欲しい。というのも、壁面のすべてが広告のようなビルも散見される。景観は公共物としての認識が欲しい。まちを守っていく、お互いに協力するといった認識がこれから商業者やオフィスの利用者にも欲しいものである。<o:p></o:p>

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dekannbann
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大阪府庁の移転の評価と提案

2008-09-07 13:33:05 | 都市計画

大阪府庁をWTCに移転させる計画案が橋下知事から出されている。移転の収支という目の前の赤字対策に惑わされている。この移転には様々な都市計画と都市政策における課題と問題点がありいよいよ大阪都心が凋落するリスクがある。それらを整理し、評価のうえで代替案を提案します。<o:p></o:p>

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まず、大阪府庁は天神祭りで有名な天神橋と大阪城の間に立地しており、地下鉄谷町線か京阪の天満橋が最寄で、大阪市の玄関口である梅田から12分です。WTCは市の西側にある埋立地の大阪南港にあり、梅田から33分かかります。東京の臨海副都心のような立地です。(yahoo路線情報から)<o:p></o:p>

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1.与件の整理<o:p></o:p>

①府と市のニーズ<o:p></o:p>

今回の移転では、橋下知事は関西州の州都を目指すということです。京都・兵庫などからのアクセス、州都のイメージが必要です。また大阪都心は最近、オフィスと住居(タワーマンション)が混在し、コンパクト・シティとなりつつあります。また、中ノ島リバーフロントを中心に、アメニティ施設やイベントの充実が計画され、都市としての快適性向上や観光誘致政策がとられています。<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

②大阪市からみた府庁の立地<o:p></o:p>

府庁の位置は、天神橋に近く、近隣には合同庁舎や日赤があり、周辺は中ノ島と北浜のオフィス街や天満(裁判所 等)と連携した官庁街です。認可関連のゼネコンや法律事務所が集積しています。また大阪城があり、難波宮の遺跡もあります。歴史と緑と水の接点でもあります。(地図 http://www.pref.osaka.jp/location/index.html)敷地は5.2haで、これは東京ドームくらいの広さである。<o:p></o:p>

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③州都として求められる機能<o:p></o:p>

州都としてなら、京都、兵庫、奈良、和歌山から便利の良い立地と都市機能集積が求められます。何も無い不便な立地は、人工都市で、その成熟には時間がかかります。また、今の大阪の活力では、新しい州都が核としてできると、経済がゼロサム状態であるため、既存の都市集積が弱体化するでしょう。また、州都は災害に強く、周辺に新しい産業を誘致、育成できる立地が求められます。<o:p></o:p>

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2.WTCへの移転の評価<o:p></o:p>

WTCの価値の変動<o:p></o:p>

WTCの大阪市からの売却価格は、売り先が大阪府であれ、他であれ、最有効利用はオフィスであり、その賃料もよそくされるため、同一のはずである。大阪府であるなら安く買える訳ではない。WTCは、大阪市の含み損はサンク・コストであり、期待賃料が上昇しない限り回収はできない。しかし今、大阪市では梅田北ヤードをはじめ、ストックの15%相当の供給が見込まれており、WTCの賃料は下がりこそすれ、上がることは予測できない。<o:p></o:p>

また、大阪府は改修案、新築案より安いという、移転先の安値の物件として検討しているというスタンスであろう。またWTCは臨海部でもあり、自然災害リスクからすると府庁や州都の立地には疑問がある。<o:p></o:p>

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②利用者からの視点<o:p></o:p>

大阪府は安ければ良いという短期の視点である。またまちづくりなど広い視点も無く、あくまで府の財政再建の観点に絞っていると推察される。しかし、新庁舎を関西州都の庁舎とするなら、まず利用者(州の代表を集めるアクセス)やコミュニティ(いままで天満橋に立地しているオフィスや府庁関連の企業など)を重んじるべきである。<o:p></o:p>

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③都市の長期的育成<o:p></o:p>

大阪市は、東京と二眼レフ構造を目指していたが、いまや地方都市の代表(横浜の方が大きいが)に位置づけられている。州都でかつ、都市機能集積もあり、しかもアメニティ(歴史物、緑、安らぎ)のある都市づくりが都市間競争の中での都市経営として望まれる。府庁の跡地は、5.2haで643億円(4百万円/坪か)の売却を考えているようだが何を作るのであろう。まさか、高層マンションの林立を大阪城の横に立てるつもりではないだろうが。<o:p></o:p>

この場所は、大阪都心では稀有な緑の集積がある。建物より公園利用が望ましいと考える。中ノ島の水の軸から、大阪城抜ける緑の軸である。水の回廊にぶら下がる緑のペンダントのようなイメージである。<o:p></o:p>

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1.   代替案の提案<o:p></o:p>

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①府庁跡地の利用<o:p></o:p>

難波の宮の歴史公園かつ、NHKなどを利用した文化公園で、代々木公園のようなイメージで整備し、若者が集え、表現できる公園としたい。暗くてじめじめではなく、明るく広々とした「賑わいのある」公園である。<o:p></o:p>

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②容積移転(TDR<o:p></o:p>

公園開発には資金がかかる上、土地売却資金も手に入らない。そこで、府の持つ土地の容積率を北ヤードの大2期に移転(TDR)してはどうだろうか。もともと、北ヤードには公園が必要とされていたが、その公園をより効果の上がる天満橋に移転する。そのかわり、北ヤードに州都を設置するのである。そうすると、州都としての利便性・集積は向上し、しかも良い立地にビルを持てる。大阪府の使用部分は極力減らし、その他の余剰容積は民間ディベロッパーに売却すれば相応の収入は見込める。ただ、北ヤード開発との取り合いが必要である。北ヤード1期の開発のキーテナント確保が難航していると聞く。府庁の利用も考えられる。<o:p></o:p>

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WTCの活用方法<o:p></o:p>

大阪の都心にAクラスビルの大量供給が見込まれる中、WTCは立地面で劣位にある。ただ、周辺の住宅開発が進んでいること、乗り入れている近鉄の学園前などがあることから、高学歴のパート労働力の確保が見込めるため、コールセンターやバックオフィスにターゲットを絞るのが得策と考える。<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

④スポンサー、ファンドの設立<o:p></o:p>

大阪市と大阪府の整備費用や収支に課題があるならば、府庁跡の公園(緑化)事業にスポンサーをつける(CO排出量を控除するとかのメリットをつける)、木のそれぞれに個人の出資を図る、全体整備に、緑化費用を割り引いたファンドを作り出資者を募る、などの方策がある。<o:p></o:p>

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橋下知事の政策は革新的なものが多いが、都市の計画にかかわる案件は、幅広く長期の視点がさらに望まれる。一回一回完了するプロジェクトのようなものでなく、連綿と続き、時流にあわせて変化していくのが都市計画であろう。<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

今回はえらく長くなりました。カレーうどんが書ききれません。<o:p></o:p>

oosakafuchou
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