昨年、創業家以外から初めて就任となった宮下社長の謝罪をTVで見て、老け込まれたなあと感じた。20年ほど前は色々お付き合い頂いた開発計画の先輩で再開発が専門であったため、作業所での事故対応の苦労はお察し申し上げる。
今回の事故は、下水のバイパスを設置したが旧の配管をモルタルと土嚢で留めていたところ、短時間の大雨で留めが外れ下水が地下鉄に流れ込んだようだ。
失敗学の反省点として、「地下鉄近傍の工事」では掘削や漏水に十全な配慮が常識だ。例えば、地盤と地下水に課題のある梅田、日比谷などで実績のある竹中工務店では連壁による止水と逆打工法、地下水の排水がお家芸だ。(他には広島で同じお家芸を磨いたフジタがある)
今回の下水の仮設管、下水本管の暫定留め、地下鉄吸気塔の設置が地下道の同一区画にあり特殊な取り合い工事で、逆に考えると危険をはらむエリアだ。例えて言うなら、地下電気室の上での漏水と同じで事前対策は必須だ。(地下鉄は電源と制御回路があり水に弱い)
このような地下道エリアにおいて
①大雨で留めが破れる可能性の想定
②近傍に地下鉄への吸気塔があり、もしもの場合の止水対応
③止水できない場合での地下鉄の対応策の準備
の多段階の「想定」があったのだろうか。
設計はCADで高度化している。しかし施工の現場では東京の某マンションのスリーブ開け忘れ(鹿島他)や千里の高層マンションの充填忘れ(竹中)など「ぽか」の発生が多い。設計から作業所、作業所内部の建築・設備・電気の連携、危険部位への注目の経験知の伝承などに課題がある。しかも、作業所では本社への多岐にわたる報告が多く、「現場に出る時間がない」という笑い話もある。作業所の事務はローテクのままのようだ。
管理と生産の間にひずみがあり、設計と施工に乖離がある、さらに世代間の伝承にも課題があるのが根本要因ではないだろうか。
日本のゼネコンは請負保証に近く商社+設計機能でありサービス業に分類される。これに対し、欧米のゼネコンは作業員を抱え製造業となっている。独自の発展を遂げてきたが、技術とマネージメントの両方が分かる人材の育成と経営への参加が求められる
大阪では阪神百貨店梅田本店(梅田1丁目1番地)の着工(解体)が竹中工務店により始まるが、御堂筋線、阪神電鉄、道路と地下道、上空建物がある。より一層の危険予知と対応、体制が欲しいと願っている
宮下社長に再度謝罪を強いる事態が再発しないことを切に思う
今回の事故は、下水のバイパスを設置したが旧の配管をモルタルと土嚢で留めていたところ、短時間の大雨で留めが外れ下水が地下鉄に流れ込んだようだ。
失敗学の反省点として、「地下鉄近傍の工事」では掘削や漏水に十全な配慮が常識だ。例えば、地盤と地下水に課題のある梅田、日比谷などで実績のある竹中工務店では連壁による止水と逆打工法、地下水の排水がお家芸だ。(他には広島で同じお家芸を磨いたフジタがある)
今回の下水の仮設管、下水本管の暫定留め、地下鉄吸気塔の設置が地下道の同一区画にあり特殊な取り合い工事で、逆に考えると危険をはらむエリアだ。例えて言うなら、地下電気室の上での漏水と同じで事前対策は必須だ。(地下鉄は電源と制御回路があり水に弱い)
このような地下道エリアにおいて
①大雨で留めが破れる可能性の想定
②近傍に地下鉄への吸気塔があり、もしもの場合の止水対応
③止水できない場合での地下鉄の対応策の準備
の多段階の「想定」があったのだろうか。
設計はCADで高度化している。しかし施工の現場では東京の某マンションのスリーブ開け忘れ(鹿島他)や千里の高層マンションの充填忘れ(竹中)など「ぽか」の発生が多い。設計から作業所、作業所内部の建築・設備・電気の連携、危険部位への注目の経験知の伝承などに課題がある。しかも、作業所では本社への多岐にわたる報告が多く、「現場に出る時間がない」という笑い話もある。作業所の事務はローテクのままのようだ。
管理と生産の間にひずみがあり、設計と施工に乖離がある、さらに世代間の伝承にも課題があるのが根本要因ではないだろうか。
日本のゼネコンは請負保証に近く商社+設計機能でありサービス業に分類される。これに対し、欧米のゼネコンは作業員を抱え製造業となっている。独自の発展を遂げてきたが、技術とマネージメントの両方が分かる人材の育成と経営への参加が求められる
大阪では阪神百貨店梅田本店(梅田1丁目1番地)の着工(解体)が竹中工務店により始まるが、御堂筋線、阪神電鉄、道路と地下道、上空建物がある。より一層の危険予知と対応、体制が欲しいと願っている
宮下社長に再度謝罪を強いる事態が再発しないことを切に思う