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流野精四郎&東澤昭が綴る読書と散歩、演劇、映画、アートに関する日々の雑記帳

映画館に行きたい

2021-08-18 | 日記
 今日発表の東京都の新型コロナウイルス新規感染者数は5386人、大阪府でも2000人超えなど、収束どころか減少の兆しも見えない状況が続いている。私自身はほぼ一歩も外に出ない日がここ何日か続いているのだが、おかげで体調がまったくすぐれない。これはひとえに自粛生活の運動不足のせいなのだ、と自分に言い聞かせている。
 私が昨年まで所属していた団体でも陽性者が複数発生しているようだ。居住地の保育園などでも園児の感染報告があるようだ。家庭内感染の拡大が懸念される。少し前までは実のところまだまだ遠いところの話と思う部分がどこかにあったのだが、今やコロナウイルスは私たちのすぐ側にあっていつ感染してもおかしくない状況だと実感する。
 親子3人が感染し、自宅療養していた40代の母親が、容体が急変し亡くなったとの痛ましい報道があったばかりだ。医療体制の整備が急務であることはみな分かりきっているのになかなか進まない。その要因分析と対策の構築、早急な実行を政府も各自治体も着実に進めてほしいと願うばかりだ。
 組織が機能していないとか、トップがバカだとか、あれこれと非難を浴びせて留飲を下げることはいつでもできるのだが、今はとにかく目に見える形での対策の実現こそが求められているのだ。

 毎週いくつかの新聞の土曜版に書評欄が掲載されているのだが、それをまとめて読むのを楽しみにしている。今の私にとっては、書店や図書館を巡って、本の背表紙を眺めたり、時に立ち読みしたりという時間が何よりの楽しみなのだが、コロナ禍で思うようにならない現在、新聞や雑誌の書評欄は、未知の本との出会いや発見をもたらしてくれる貴重な機会だ。実際にそれらの本を手にする機会はほぼ皆無であるとしても……。

 群像9月号の三浦哲哉氏の批評「『ドライブ・マイ・カー』の奇跡的なドライブ感について」を読んだ。この濱口竜介監督・脚本の映画の素晴らしさについては、様々なところで目にするのだが、三浦氏によれば、「どこもかしこも繊細きわまりなく、観察することがよろこびでしかない、とびきり幸福な映画」とのこと。これはもう観るしかないのだが、今の自分にコロナ禍をものともせず映画館まで出かけていく元気のないのが問題である。

 いつか再び、映画館や劇場で心置きなく映画や演劇、音楽にどっぷりとつかることのできる日々のくることを夢に見る……。