ムジカ公式ブログ MUSICA Official weblog

オーディオと音楽とすこしマニアック。 MUSICA are a new Hi-Fi brand from Japan.

SN比とダイナミックレンジは同じ? vol.3

2018-01-31 | オーディオ部品のうんちく
『SN比とダイナミックレンジは同じ? vol.2』の続きです。

メーカーにうまく乗せられてしまった事例をもうひとつ。

ダンピングファクターという指標があります。

これはパワーアンプがどれほど大きなドライブ能力があるかということで

数値が大きいほどドライブ能力が高いということを表わします。

これはパワーアンプの動的な出力インピーダンスによって決まるもので

出力インピーダンスが低いほどダンピングファクターは大きくなります。

ダンピングファクターは真空管アンプで小さく、トランジスターアンプで大きくなります。

NON-NFBアンプで小さく、NFBのかかったアンプで大きくなります。

真空管の中でも5極管やビーム管は小さく、3極管で大きくなります。

例えば、6L6をビーム管接続で使用したシングルアンプでは0.7くらいになることもあります。

これが300Bになると4~8になり、このあたりが300Bが音が良いと言われる根拠のひとつになっています。

ところが一般的なトランジスターアンプでは100以上は当たり前で

中には10000というアンプも。

ダンピングファクターはバットとボールに例えられます。

ボールに対して重いバットであれば打ったときにボールを遠くに飛ばすことができます。

そう考えるとバットは重い程良いことになります。(人間が持つことができればですが・・・)

理論的には重さ5キロのバットに比べて重さ10キロのバットは倍の距離を飛ばすことになりますが

実際には打つ人の力や気象条件があり重いからといって良いわけではありません。

私はパワーアンプのダンピングファクターは10以上あれば問題ないと考えています。

ボールの重さの10倍の重さのバットで十分という考え方です。

現在ではダンピングファクターを誇ることの無意味さが定着し

カタログに誇らしげに『DP 10000以上』と書かれたアンプはほとんどありません。


今朝はログハウスに大きなツララができていました。







イベントに関してのお問い合わせをいただいておりますが、

毎年1月、2月は積雪が予想されますのでイベントの開催を控えています。

3月にはイベントができるとおもいます。

もうしばらくすると発表できるとおもいますので、お楽しみに!

4月7日は山寺レコードコンサートが開催されます。

詳細は決まり次第ブログでお知らせします。

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SN比とダイナミックレンジは同じ? vol.2

2018-01-30 | オーディオ部品のうんちく
『SN比とダイナミックレンジは同じ?』の続きです。

このようにレコードのダイナミックレンジはソコソコ高いのですが、

当時はうまくだまされて多くのオーディオファイルがCDに乗り換えていきました。

実はこういったメーカーにうまく乗せられてしまった事例は他にもあります。

たとえば、

『10W真空管アンプは50Wのトランジスタアンプ並み』

といわれていますが・・・そんなわけはありません!!

真空管アンプの最大出力はどうやって決められるかというと

出力を増やしていくとだんだん歪が増えていきます。

この歪が10%程度になったら最大出力といわれます。

とは言ってもこのまま出力を増やしていって20%になったとしても

歪はありますが、音はでます。

音楽信号において大出力が要求されるのは

ドラムとか鉄砲の音のように瞬間的で

多少歪んでいても判らない音源が多いのです。

トランジスターアンプは電源電圧によって出力が決まってしまいます。

最大出力を過ぎるとそれ以上パワーはでません。

そのため『10W真空管アンプは50Wのトランジスタアンプ並み』という話がでてくるのです。

これは10年程前に真空管アンプブームになったときに

小さなパワーでも大丈夫という意味で

メーカーによって言われていたことです。

次回に続きます。



イベントに関してのお問い合わせをいただいておりますが、

毎年1月、2月は積雪が予想されますのでイベントの開催を控えています。

3月にはイベントができるとおもいます。

もうしばらくすると発表できるとおもいますので、お楽しみに!

4月7日は山寺レコードコンサートが開催されます。

詳細は決まり次第ブログでお知らせします。

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SN比とダイナミックレンジは同じ?

2018-01-29 | レコードプレーヤー
ダイナミックレンジという言葉があります。

この言葉はCD時代になって出てきた言葉で

オーディオ誌等では日常的に使われます。

CD発売前の1970年代にはSN比という言葉が使われていました。

sはシグナルで音楽信号、Nはノイズをの意で

そのシステムで出すことができる一番大きな音と

スピーカーに耳をつけると聴こえる「サー」とか「ブーン」という残留ノイズとの比を表わします。

たとえば、パワーアンプの最大出力が10vで

残留ノイズレベルが10mVだとすると

10/0.01=1000=60dBとなりSN比は60dBと表示されます。

当時レコードで50~60dB、テープデッキで60~70dB程度のSN比が確保されていました。

ところがCDが発売され困ったことが発生しました。

CDはとてもノイズが少なく、90~100dBはあたりまえで

それ以上のSN比がある機器もありました。

レコードでは音楽信号が小さくなっていくといずれノイズに埋もれて聴こえなくなってしまいますが

CDの場合はノイズに埋もれる前に16bitの分解能によって音楽自体がなくなってしまうという現象がおきました。

ノイズに埋もれているわけではないけど

音楽は聴こえなくなってしまうのでSN比とはいえないということになりました。

そこで苦肉の策としてダイナミックレンジという言葉が使われるようになったのです。

当時ダイナミックレンジとSN比の違いを的確に説明されることは少なく

多くの人がSN比とダイナミックレンジは同じようなものと考えていました。

レコードは60dBだったSN比が

CDは90dBもあるからCDは30dB分(30倍)優秀だ!というような書き方がされていましたが、

レコードの場合、音楽信号はノイズに埋もれてしまってノイズの1/10になっても

音楽信号を聴きとることはできるのに対して

CDは音楽信号がなくなってしまうわけですから

あえてレコードをダイナミックレンジで表わすならば80dB程度はあることになり

CDとの差はわずか10dB(3倍)になってしまいます。

このように・・・次回に続きます。



イベントに関してのお問い合わせをいただいておりますが、

毎年1月、2月は積雪が予想されますのでイベントの開催を控えています。

3月にはイベントができるとおもいます。

もうしばらくすると発表できるとおもいますので、お楽しみに!

4月7日は山寺レコードコンサートが開催されます。

詳細は決まり次第ブログでお知らせします。

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2つのスピーカーを同時に鳴らすのは悪いこと? 番外編

2018-01-28 | スピーカー
『2つのスピーカーを同時に鳴らすのは悪いこと? vol.7』の続きで番外編です。

2つのスピーカーを同時に再生することの是非について考えてきましたが

業務用のスピーカーではこのようなスピーカーもあります。



このスピーカーはカラム型とかコラム型とか言われています。

複数のフルレンジスピーカーを縦に並べて配置したものです。

上記のTZ-205では12cmのフルレンジユニット4ヶが縦に配置されています。

このスピーカーで注目したいのは指向特性です。

水平方向の指向性0~25°なのに対して

垂直方向の指向性は0~5°となっています。

つまり横向きには広いサービスエリアが確保されますが

縦向きはわずか5度の範囲しかサービスエリアがありません。

座っているときは良い感じで聴こえていた音楽が

寝転んだら小さな音になってしまうということです。

このスピーカーは、例えば、学校の教室のように 天井が低く反射し易いような部屋で

たくさんの人が聴くときに使用されます。

業務用のスピーカーでは常識的なものですから

やはりスピーカーを2台並べて使うのは「あり」なのでしょう。

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2つのスピーカーを同時に鳴らすのは悪いこと? vol.7

2018-01-27 | スピーカー
『2つのスピーカーを同時に鳴らすのは悪いこと? vol.6』の続きです。

今回のテーマは2つのスピーカーを同時に再生することは「あり」か「なし」かということです。

今回の実験によってどうも「あり」だと感じました。

インピーダンスの条件やスピーカーユニットの指向特性等の

技術的な知識をもって行うことが理想ですが、

とりあえずやってみよーということでも

多くの時間がかかるかもしれませんが同じ結論が出るでしょう。

一般的に、オーディオ誌やスピーカーメーカーは異なるスピーカーを2つ以上同時に鳴らすことを推奨していません。

そこには大人の事情があることと思います。

しかし、1970年代~80年代のオーディオ誌を見ると、

今となっては???ということが結構書かれています。

とても興味深い実験、バカバカしい実験、???という実験を真面目に記事にしています。

こういったことの積み重ねが現在のオーディオの常識を作り上げています。

教科書ですら数年で書いてあることが変わるのですから

オーディオ誌やメーカーの見解、このブログに書かれていることも含めて検証してみることが大切です。

今常識とされていることも何年後かには変わっているかもしれません。

常識にとらわれず、まめに実験をするユーザーを何人も知っていますが、

よくこの価格のシステムで(失礼)これだけの素晴らしい音を出しているなぁという方が何人も見えます。

音はちょっとしたことで大きく変わります。

このブログのネタを足がかりにぜひ追試を行ってみてください。


それはそうと、

最近試聴にベートーヴェンのピアノソナタ月光を聴くことが多いのですが、

最近のお気に入りはヴァレンティーナ・リシッツァです。



月光は名盤がたくさん有り、古くはバックハウスとケンプ、

私の好みはルービンシュタインで

最近の録音だとポリーニが好きだったのですが、(あんまり最近でもないですが)

ヴァレンティーナ・リシッツァにはびっくりしました。

youtubeにアップされていますのでぜひ聴いてみてください。
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