goo blog サービス終了のお知らせ 

ムジカ公式ブログ MUSICA Official weblog

オーディオと音楽とすこしマニアック。 MUSICA are a new Hi-Fi brand from Japan.

電源電圧を変えると音質は向上するのか? vol.10

2018-01-10 | オーディオ部品のうんちく
『電源電圧を変えると音質は向上するのか? vol.9』の続きです。

ダイソーの1.5mの延長ケーブル(200円)と



3口タップ(100円)を



オーディオ用タップとして適しているかテストしています。

この3口タップですが、

どんなにロスが少ないタップでも多少のロスは必ず発生します。

どのくらいのロスが発生するのか計算してみます。

実際に『電源電圧を変えると音質は向上するのか? vol.8』で計測したときは

3口タップの部分で134mV-120mV=14mVのロスがありました。

これは6Aでの値ですので 

その抵抗値は 0.014/6=0.0023オームです。

ここに最大電流である15Aが流れたとすると

その発熱は 15×15×0.0023=0.525Wとなります。

線路は2つありますので総合的な熱量は0.525×2=1.05Wとなります。

1Wといえば結構な発熱量です。

この状態が1時間続くと仮定すると、その熱量は1.05×3600=3780ジュール

1カロリーは4.2ジュールなので900カロリーとなります。

これはコップ1杯(180cc)の水の温度を5度上げる熱量です。

これほどの熱量が金属にかかったり冷えたりを長期間繰り返すと

焼きなましという現象がおこります。

これは金属に特有の現象で、ゆっくりとした温度の上下によって

金属内部の歪が解消されていく減少です。

3口タップを作るときはプレス機で金属を曲げ加工していますが



これが元の板状に戻っていってしまいます。

その結果、接触がゆるくなり

接触抵抗が上がり、そしてさらに焼きなましが進んでいくという悪循環になります。

こういったことを考えると

初期の性能を維持させるためには最大定格電流(15A)の半分以下(7A以下)で使用することが望ましいと思います。

この点さえ注意すれば100均タップはオーディオ用として長期間問題なく使用できるはずです。

次回に続きます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする