6480blog 新栄町歯科医院

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戦略的保存

2018年06月28日 | 日記
たまってる仕事があるにもかかわらず、連夜のブログ更新・・・嗚呼・・ダーヒーしばきてえ・・・

ワールドカップの日本戦まであと少し・・スッキリ勝って決勝Tに行ってほしいですね!!

ということで、今から15年位前、SJCDの例会かなんかでインプラント界の重鎮K先生がゲスト講師で戦略的抜歯と言いながらプレゼンしていた時・・
当時はこの言葉が過大にとらえられ、保存できそうな歯も将来的なリスクを考えて(あえて)抜歯するのが是であるといった風潮でした。。

今なら、「それはあかんやろ~」と異を唱えるところですが、当時は「ふえ~・・そういう考え方になってるんだな~・・」みたいに思っていたボクでした・・、現在理事のM本先生が前の席で「オッカネ~・・」と言ってましたw

その時、大きな声で「なんで残せる歯を抜くんですか?おかしいでしょ?」と周りの空気をものともせず、「いや、わたし、総会屋じゃないですよw」と言いながらも戦略的抜歯に全否定をかましたのが、当時山崎先生に「おめえ、わけわかんないインプラント使ってるよなw」と言われながらも「いやいや、ス〇ラインはとってもイイんですよw」と笑顔で返したのが日本のHAの第一人者の林先生でした。。。

時は流れ、UCLAエンドメンターシッププログラムを受講した際、「エンドvsインプラント」ではなく 「エンドandインプラント」 インプラントに速やかに移行できるエンド(エンドーインプラントロジー)を提唱したのが御大清水先生・・



つーことで、今日も2ケース

1個目~

20代の女性・・

保存不可の右上7番を抜歯して8番を移植



術前~


術中~


術後~



エンドして築造まで(動揺0)これから補綴処置


同じ患者さんの


保存不可の7番を~


再植してエンドして補綴までして~2年後・・

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歯根吸収









2個目~

80代女性 右下6番



マイクロ下でエンド処置をしても腫れ、動揺おさまらず、デンタルでも大きな病巣あり、

「婆さん、これもう駄目だよ、抜いて入れ歯にしようぜ?」との提案に

「死んでも入れ歯はしたくない!!先生何とかしてちょ!!」と言われ

(ババア、一体何歳まで生きるつもりだ!!)と心で言いながら、再植してみっか?と提案

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ビロビロビロ~~~~!!!!


MTAで逆根充して戻す・・・


1か月後・・・

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近心根は動揺1遠心根は動揺0

ディープバイトで舌圧のかかる下顎で、でっかい膿胞あって、抜歯の時に歯質薄くて近遠心で折れて83歳でそれでも予後が良い・・・(保険の補綴入りました)



成否の条件は?

歯根膜の状態?MTA?感染部の徹底除去?血流?・・・


体が異物と認めたらあかんってことですよね・・・

清水先生も四国の荒木先生もラーナーのダーヒーも、おそらくみんなも同意見・・・

再植はギャンブル的な要素を含む歯を残す最後の手段と思っています。もちろん患者さんにもきちんと説明してやっています。プリントまで作って渡してます・・10年以上問題なく推移するケースも、短期でロスするケースもあり、同一患者さんでも結果が異なる・・・

神様が作ったもの(天然歯)がダメになるのに人工物(インプラント)がダメにならないとは言えませんが、現時点でインプラントに変われるだけのマテリアルはありません・・・



考えられる保存処置を可及的に行い、それでもダメな場合、大掛かりな処置なしに低侵襲にインプラントに移行する(戦略的保存)

インプラントを入れたら終わりではなく、生涯機能するようにする

認知症や、癌などメンテナンスが難しくなった時、上部構造を着脱式に替えることも考え、実行できる

そういうエンドーインプラントロジストに私はなりたい。。








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