ロック探偵のMY GENERATION

ミステリー作家(?)が、作品の内容や活動を紹介。
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COMPLEX, BE MY BABY

2020-03-04 19:11:18 | 音楽批評

 

 

今回は、音楽記事です。

 

最近このブログでは新型肺炎に関する記事を連続で書いてきましたが……

 

どうも、この問題はかなり長期化しそうです。

その間コロナ関連の記事ばかりを書き続けるのもどうかと思うので、このあたりで通常モードに徐々に戻していこうかと。

 

相変わらずのしりとりスタイルを貫き、以前書いた吉川晃司さんからのつながりで、COMPLEXについて書きましょう。

 

COMPLEXは、1988 年に吉川晃司さんと布袋寅泰さんで結成されたスーパーユニット。

 

イントロの「ビーマイベイビー、ビーマイベイビー……」が印象的BE MY BABY は、彼らの代表曲です。


 


いきなり大ヒットとなり、オリコンチャート一位を獲得。その後も、リリースしたオリジナル作品は、シングル、アルバム含めてすべてチャート一位になるという快進撃を続けました。

 

しかしながら、このユニットの活動は、短期間に終わります。

2枚のアルバムを発表し、1990年に無期限活動休止というかたちで事実上の解散。わずか2年ほどの活動でした。

 

そうなるにいたった原因は、音楽性の違いといわれています。

 

吉川さんは、前に紹介した SAMURAI ROCK でもわかるとおり、音楽的に伝統堅持派といえるでしょう。

そのいっぽうで、布袋さんは新しいものをどんどん取り入れていく実験的なところがたぶんにあります。デジタルサウンドを使ったり、ギターのエフェクトにしても、とても一人で弾いているとは思えないようなトリッキーなエフェクトを多用しているようです。布袋さんはデビッド・ボウイに並々ならぬリスペクトを持っている人ですが、そういうところも影響を受けているんでしょう。

 

時代が変っても古きよき伝統スタイルを貫くべきか。

それとも、時代が変れば新しい技法を取り入れていくべきか。

 

この、古くて新しい問題が COMPLEXを空中分解させてしまったらしいのです。

 

ここで私自身の感想をいえば――ずるい言い方になりますが――どちらの立場も理解できます。

 

昔ながらのロックを大事にしたい。でも新しいものもやりたい……

これは、ロックというものが誕生して以来ずっとあった問題――というより、たぶん音楽にかぎらず、小説や映画、漫画とあらゆるジャンルにあるんだと思います。

 

その折衷案で配分がうまくいくと、ビートルズみたいになれるということなんでしょう。

ただ、それがメンバー間の軋轢というかたちになると、グループの存続の問題になってしまうという……COMPLEX結成以前から交流があった吉川さんと布袋さんですが、活動後期になると二人の関係はかなり悪化していたようです。

 

しかし、時間が解決してくれるという部分もあります。

 

活動休止からおよそ20年後の2011年に、COMPLEXは一日かぎりの復活を果たしました。

東日本大震災を受けて、「日本一心」と銘打ったステージ。


 


BE MY BABY が、満員の東京ドームに響き渡りました。

以前も書いたとおり、吉川さんは原発問題に深い関心を持っています。震災と福島第一原発事故のことで、何かせずにはいられなかったということなんでしょう。

 

そういう意味でいうと、今回のコロナ禍が終息したら、COMPLEXの一時的復活がまたあるのかもしれません。

今からそれを期待するというのはちょっと不謹慎になってしまうかもしれませんが……

 

 

 



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