MC5のギタリストであるウェイン・クレイマーが死去したというニュースがありました。
このブログで、MC5の名前はときおり出てきます。
アメリカにおけるガレージパンクの祖のようなバンドで、後のミュージシャンたちにも大きな影響を与えました。
たとえば、頭脳警察もそのラディカリズムに影響を受けたといいます。
代表曲であるKick Out the Jams は、レイジ・アゲンスト・ザ・マシーンがカバーしていました。
頭脳警察とRATMが出て来るだけでも、ロック史においていかに大きな存在かがわかるというものです。
この二者の顔ぶれからもわかるとおり、MC5はラディカルな反体制的姿勢でも知られるバンドです。
マネージャーをつとめていったジョン・シンクレアは反戦活動家でもあり、ベトナム戦争に抗議して逮捕投獄。ジョン・レノンが彼を支援する目的で作った歌が「ジョン・シンクレア」です。
ウェイン・クレイマーは、そんなMC5のリーダーでした。
21世紀になってからMC5を再結成し、新作発表の構想もあったといいます。
ウェインの死によって、それは幻となったわけですが……訃報を伝える記事では、新作に関するウェインの言葉が紹介されていました。
「1968年のスピリット、僕らが全員若者だった時の、自分の世代のスピリットを再燃焼させる時が来たって思っている」
「歴史の中で今はとても危険な時だ。もし僕らが集まり、団結、ステップアップしなかったら、全てを失ってしまうだろう」
「民主主義がなくなるかもしれない。僕らが反旗を翻す相手は冗談なんかじゃない。遊びの時間じゃないんだ。真面目な話さ」
この言葉からもわかるとおり、ウェイン・クレイマーは60年代のスピリッツを持ち続けた偉大なギタリストでした。
冥福を祈りたいと思います。
MC5 - Kick Out The Jams (1972)
>頭脳警察に影響を与えたとか考えた事はなかったですが、... への返信
コメントありがとうございます。
頭脳警察については、ToshiさんがMC5のファンだったということをどこかでいっていました。曲によっては、結構ストレートにそれが出ているものもあるんじゃないかと思います。
「キック・アウト・ザ・ジャムズ」がCD化した時は購入しました。
冒頭の「キック・アウト・ザ・ジャムズ、マザー〇ァッカー」も修正なしでした。
あの勢いは凄かったのを覚えています。
ご冥福をお祈りします。