今日4月17日は、「クイーンの日」。
毎年この日はクイーンに関する記事を書いていますが……
今年はちょっと特別です。
そもそもこの日付がクイーンの日とされているのは、1975年にクイーンが初来日を果たした日付ということなんですが、それからおよそ半世紀となる今年クイーンの来日公演があり、それにあわせてライブアルバムが発表されているのです。
前にちょっと触れましたが、日本のリスナーによる人気投票で収録曲を決めるという趣向。
その投票で一位になったのは、「愛にすべてを」でした。
これは、やや意外の感もあります。代表曲の一つであるのは間違いないところですが、一位というのは……映画『ボヘミアン・ラプソディ』の冒頭で使われことで、再評価されているというようなこともあるんでしょうか。あと、超有名どころの曲は、ライブでもいくつもの名演があり、票が分散しているということもあると思われます。実際、人気投票のトップ20をみると、たとえば「ボヘミアン・ラプソディ」は2つ、「ウィー・ウィ・ルロック・ユー」は3つの別バージョンが入っているのです。それらをまとめて集計したら、結果はだいぶ違うものになっていたでしょう。
このランキングは、クイーンのメンバーにとっても意外だったようです。
曲目発表に際してブライアン・メイとロジャー・テイラーがメッセージを寄せているんですが、二人とも、投票の結果に驚かされたと語っています。
驚きポイントは、トップ以外にもいくつかあり……下位のほうに目をむけると、中期以降、特にアルバム『A Kind of Magic』収録曲の割合が多いというところも注目されます。おそらく、ブライアンとロジャーも、これは意外に感じたんじゃないでしょうか。以下、それらの曲の動画をあげてみます。
アルバムのタイトル曲ももちろん入っていました。投票でのランキングは17位。
Queen - A Kind of Magic (Official Video Remastered)
「心の絆」。
これが、投票では18位でした。
We Will Rock You から「伝説のチャンピオン」という鉄板リレーの合間にこの曲をはさんだライブの動画があります。
アンコールで急遽披露した「Friends Will Be Friends」:Queen The Greatest Live (エピソード43)
そして、「One Vision ーひとつだけの世界ー」。
このへんは、ライブエイドである種の行き詰まりを突破した勢いとか、そういうこともあるんでしょうか。中期以降のクイーンはライブエイド的な空気感を漂わせていて、この曲にはそれが特に強く表れていると感じられます。これが投票では11位となっていて、『カインド・オブ・マジック』の曲としては最高位。
Queen - One Vision (Extended) 1985 [Official Video]
ブライアン・メイにとってうれしい驚きだったかもしれないのは、自身のボーカル曲である「'39」が2位という上位にランクインしていること。
今回のアルバム収録曲の中で、唯一フレディがリードボーカルでない曲です。
ポール・ロジャーズ期にライブで披露した動画がオフィシャルYoutubeチャンネルで公開されているので、載せておきましょう。
Queen + Paul Rodgers - '39 (Live In Ukraine, 2009)
そのブライアン・メイですが、今年の来日において、名古屋公演の際に名古屋城を訪れています。
そこで、英語で俳句を詠んだという動画が公開されています。
BRIAN MAY: Thinking of Haiku - Visiting castle, Nagoya - 02/2024
I was just a boy
First visiting this castle
Now just an old man
First visiting this castle
Now just an old man
「はじめてこの城を訪れた時、私は少年にすぎなかった。そして今は、ただの老人にすぎない」。
一応、音節としては5・7・5になってます。海外では、単に短い詩を書けば俳句・短歌という認識が一般的だそうですが、ちゃんと5・7・5にまとめてくるのが律儀です。
季語はどうしたんだとかいうのはあるかもしれませんが……歌意としても、彼が生涯ずっと抱えているという自己肯定感の低さを背景としているようでもあり、ある種の哀愁を漂わせているんじゃないでしょうか。
最後にもう一つ、『絆』の収録曲としてSave Me。
Queen - Save Me (Official Video)
これがなんと、20位。ギリギリですべりこんできました。
このへんもやはり、ブライアンやロジャーを驚かせたんじゃないでしょうか。