今日11月3日。
文化の日とか、手塚治虫の誕生日とかいったことをこれまでこのブログで書いてきましたが……これは、“ゴジラの日”でもあるといいます。
1954年の11月3日に、『ゴジラ』第一作が公開されたためということです。
で、そのゴジラの日にあわせて、“ゴジラフェス”というものが行われていました。
恥ずかしながら知らなかったんですが、数年前からやっているそうで……去年は、コロナ禍を受けてオンライン開催。今年もオンラインとなり、YouTubeで配信されていました。
今年のゴジラフェスにおける目玉企画が、完全撮りおろしの「ゴジラ対ヘドラ」です。
今年は、あの『ゴジラ対ヘドラ』公開から50年ということで、特撮界隈ではヘドラが熱くなっていますが、こうして新たな映像作品も制作されました。
その動画をリンクさせておきましょう。もしかすると、期間限定でそのうち非公開になるかもしれませんが……
新作特撮『ゴジラVSヘドラ』
CGを極力使わず、昔ながらのミニチュアと着ぐるみを使用した特撮……ということです。
ゴジラとヘドラのスーツは、『ファイナルウォーズ』で使用されたもの。
ファイナルウォーズでの扱いがあまりにひどいという感想はやはり多くの人に共有されているようで、ある意味でヘドラ供養のような意味合いもあるようです。
作品を監督した中川和博さんは、ゴジラフェス本体にも出演して、作品の背景や制作経緯について語っておられました。
そこで監督が語った「リアルがすべてではない」という言葉は、もっともなことだと思えます。
この二十年ほどでCG技術は驚くべき進歩を遂げましたが、それで映像表現の質が高くなったかといえば、必ずしもそうはいえないんじゃないかと私は思ってます。まあ、こういうと“昔はよかった”論のように聞こえるかもしれませんが……しかし、現代のフルCGで作られた映像が、円谷特撮やハリーハウゼンより優れているかといったら、そういうことでもないんじゃないかと。
その観点であえて今回の「ゴジラ対ヘドラ」に対して一言いうならば、もっと徹底的にその特撮性、特撮ならではのところを押し出すべきだったんではないでしょうか。この映像では、一部CGを使用した(と思われる)箇所が不自然に浮いてしまっているようにも見えます。むしろ、特撮映像になじむようにCG映像をそこに寄せていくというアプローチをしていけば、よりすごいものが作れるんじゃないか。そこに、ゴジラの新たな可能性も見えてくるのではないか。そうなってくれば、また新たに令和シリーズをやっていけるのではないか……あえて批判的なことをいいましたが、今回の新作動画からは、そんな夢も感じられました。