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福祉について考えるUMEMOTOのブログ

最近の認知症についての話題

2006-08-21 22:41:02 | 認知症
認知症の人が運転する車の4割が事故に合っていることが、高知大医学部の研究でわかった。
認知症で運転免許証を持つ83人のうち、41%にあたる34人が58件の事故を起こしていた。うち人身事故は14件。42人は運転免許の更新手続きを行い、全員が成功していることもわかった。
道路交通法の改正で、運転に支障がある認知症の人は公安委員会が免許を取り消すことができるようになったが、現在は自己申告制を元に判断しているため、処分は年間数十件にとどまっている。
認知症になると、赤信号とわかっていても「赤=止まる」という判断ができなくなってしまうことがある。時折、高速道路で逆走した車を運転しているのも認知症の人が多いという。

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長崎市にある病院で医師が認知症の患者から無断で採血をしたとして、家族から抗議を受けていたことがわかった。患者が認知症のため、意思表示ができない状態だった。
医師は大腿骨の骨折手術を受けた患者の回復状態を調査し、学会で発表する予定で、無断で採血をされた人も大腿骨の骨折手術を受けていた。
医師は「家族と連絡が取れなかった」と釈明している。

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認知症の進行を抑えることを目的に、簡単な計算や音読を中心にした『学習療法』に取り組む高齢者施設が全国で300施設になるという。
個々の能力に応じて、誰でも100点満点が取れるような問題を用意し、スタッフは目の前ですぐに採点し、「よくできましたね」などとほめる。それを1日10分~20分をできるだけ毎日取り組む。
効果として、認知機能に改善傾向がみられたり、笑顔や会話が増えているという。しかし、スタッフとの交流が効果として現れているのではないかと、学習療法の効果を疑問視する声もあがっている。

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これらの話題は認知症というキーワードのもと、ここ1ヶ月程度で話題になったことである。どれだけ認知症という病気が理解されておらず、まだまだ研究が未発達な分野であるかが分かる。
それは兎にも角にも、「脳」自体の研究が発展途上の段階であることも影響している。脳の機能はまだまだ分かっていないことも多く、その上に立っている認知症ケアはまだまだ不安定な部分が多いとも言える。
しかし、脳が萎縮していようが、損傷を受けていようが、人間であることには変わりない。一人の価値ある人間として、医師や警察、研究者、そして看護師や介護士などの認知症に関わる人が向き合っているか。それだけのことでもある。

一人の変わらない人間として関わっている人がどれだけいるのだろうか。最近のニュースで虐待が取り上げられることが多いのも気になる。
とどのつまり、私たちは『人間』というものを理解していないだけなのかもしれない。

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