What’s ノーマリゼーション?

福祉について考えるUMEMOTOのブログ

介護と看護について考える。

2004-10-26 00:08:50 | 福祉雑記録
介護職と看護師の対立というか、仲の悪さはどこにでもある問題ですよね。本当によく耳にします。特に福祉施設というのは、その問題が起きやすい環境なんでしょうか。皆さんも自分の施設のことを考えてみてください。
今回は、高齢者施設(主に特養)を舞台に少し考えてみたいと思います。

本来、介護と看護は、利用者や患者を一個人としてサポートしていく、という同一線上にいる存在であるはずです。つまり、視点は違えど同じ目的のために協力していく関係。少なくとも私たち介護職は学校でそう習いました。
でも実際はそうではなく、力関係というかバランスが崩れ、看護師の意見が強くなっています。というか、看護師が強く意見を言っているのが現状のような気がします。

その理由はいくつか考えられますが、まず大規模な高齢者施設が病院をベースに作られているという歴史が考えられます。自然、業務の組み方が病院的であり、看護師と介護職の関係も、看護師と看護助手という上下関係が持ち込まれたように思います。
もうひとつは、資格の問題です。看護師の資格は介護福祉士などの資格と比べて歴史もあり、かつ資格があることでしか出来ない業務というものが明確に位置づけられています。一方、介護職は誰でもできる仕事(本来はそうではないと思うけど・・・)として位置づけられているのです。専門的な知識の量も違うし、今の介護職がどれだけ独自の専門知識を持っているかというと首をかしげざるをえません。自分自身の反省も含めてですが・・・。
この差が、看護師から強く言われてしまう現状を作り出しているように思うのです。

されにあげれば、“高齢者の生活を支える”ことと“その施設”のことを理解できていない看護師が多すぎます。(もちろんそうでない看護師もいますが)
急性期の患者ではない高齢者が求めているのは、治療ではなく生活だということです。
“生活”ということを考えずに、「医療的に必要だから」といって時と場合を考えずに処置を行う様子からは、本当に利用者個人をみているのかと感じてしまうこともあります。その人が生活を送るために必要なことを、生活の流れに合わせて行う。それだけでいいのですが・・・。

以前、初めて特養で働いたという看護師が言っていたのは「病院ならもっといろいろ(処置を)してあげられるのに・・・」ということでした。病院と施設の違いに相当悩んだいたようで、目の前にいる利用者に対して歯がゆい思いをしていました。最終的にその看護師は「私には(施設は)向いていない」と口にするようになりました。
今は人員配置基準により看護師という資格で採用しているところが多いでしょうが、実際は人間ですから“合う合わない”という問題もあるでしょう。教育の現場で、もっと高齢者の生活を支える看護、そしてその現場で働くということを教える機会もつくるべきだと思います。これからは、介護職も看護師も人間性が問われてくる時代になってくると思います。そうなる前に、私たちが出来ることはまだまだあると思います。お互いを知り、尊重し、自分自身をより高めていくことが急場できることなのではないでしょうか。