What’s ノーマリゼーション?

福祉について考えるUMEMOTOのブログ

デンマークってどんな国?

2004-10-07 17:17:42 | ノーマリゼーション
「ノーマリゼーション」という言葉が生まれたのは、デンマークという北欧にある小さな国なんです。
どのくらい小さいかというと、九州とほぼ同じくらい。(フェロー諸島とグリーンランドは除く)
そこに約538万人の人たちが暮らしています。
デンマークという国には、よく『社会福祉国家』や『生活大国』という言葉が併せて用いられます。
それは単に社会福祉が整備されているという制度的なことだけではなく、実際の調査でも明らかになっています。
アメリカのペンシルバニア大学の調査によると、世界中で一番住みやすい国として、1位デンマーク、2位ノルウェー、3位スウェーデンとなっているのです。

よく言われることですが、デンマークでは医療費はすべて無料(歯科医療は18歳未満)で、旅行者も無料で治療を受けられます。幼稚園から大学までの教育費も無料で、さらには高校や大学では返済不要の奨学金6~8万円/月も希望によっては支払われます。
この「高福祉」を支えているのが、所得税平均50%と消費税25%の税金なのです。

デンマークを語る上でかかせないのが、民主主義に対する国民の意識です。
デンマークでは、日本の与えられた形だけの民主主義とは違い、自ら勝ち取って得たものなのです。それゆえ、いかに民主主義を守っていくかという観点から、教育も行われています。
「参加し協議して決議し、協議したことに責任を持ち、結果を共有する」という民主主義の教えが、家庭内でも学校内でも徹底して行われているのです。
それは、投票率という形にもあらわれています。
2001年の国政選挙の投票率は87%で、ここ20年でみても80%を下回ったことはないのです。
これだけでも、日本との大きな違いを痛感せざるをえません。

デンマークにおける「高福祉・高税」の考え方も、国民が皆で考えそれを支持している構造がわかると思います。
このことに関しては、次の項で詳しく書きたいと思います。