むじな@金沢よろず批評ブログ

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嘉義市立法委員補欠選挙結果、民進党はむしろ底を脱却した

2006-03-14 00:58:00 | 台湾政治
嘉義市における立法委員補欠選挙は、国民党の江義雄候補が4万2,879票(得票率52%)を獲得、民進党の陳麗貞候補(台連との共同推薦)の3万9,841票(48%)を4ポイント弱上回り勝利した。これで立法院において、民進党と国民党の議席がともに88議席となった。これは親民党から国民党に復党する人が相次いでのこともあるが、民進党がこれまでもっていた第一党の地位が早晩失われるとの観測もある。
ただ、これで「民進党の退潮が進んだ」と見るのは早計だ。
というのも、嘉義市における緑と青の勢力分布は、青が若干有利になっていたからである。実際、立法委員補欠選挙で一騎打ちになると、これまで国民党が勝つことが多かったし、昨年末の市長選挙も国民党候補が勝っている。
とはいえ、国民党は毎回、土着性が強く本土意識も強い本土派を出してきており、「国民党の勝利=馬英九的な大中国派の勝利」とは絶対に言えない。昨年末の市長選挙にしても民進党の陳麗貞が日本時代の郡役所撤去を主張、国民党で当選した黄敏恵が逆に保存を主張したように、国民党のほうがむしろ本土派、親日的ではないかと思わせるくらいである。
それに、13日つけ自由時報の投書欄にあった地元人の意見(参照:http://www.libertytimes.com.tw/2006/new/mar/13/today-o1.htm 藍得票差距縮小 █ 張添松)では、統一派メディアの事前の予測では、国民党側が13ポイント差で勝つはずだったのに、結果は4ポイント弱だった。しかも昨年末の市長選挙でもその差は9ポイント開いていたのと比べれば、むしろ差は縮まっているのである。

聯合報や中国時報などは例によって次のような嘘を書いている:「嘉義市はもともと緑が55で青が45で緑が優勢だったのに、逆転した」。
これは事実ではない。これまでの選挙を見ればわかるように、嘉義市は緑45で、青が55だったのである。
陳麗貞が市長に当選したときには、無所属だった。だから、彼女が昨年民進党から出て落ちたことは民進党の票田が縮小したことを意味しない。
もともと嘉義市は言葉の純粋な意味で「党外」で、民進党と国民党の中間的な票が多かった。
昨年末も今回も、陳は民進党員になって、陳総統らの応援も受けるなどして党派の色彩を鮮明にしたから落ちた。黄の市長当選と、江の立法委員当選はむしろ彼女らが国民党を強調せず、むしろ曖昧な本土派路線だったからこそ当選しただけである。
もし陳が無所属のままで、黄や江がやたらと国民党色を出していたら、結果は逆になっていただろう。


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