ビルボード・チャート日記 by 星船

1970年代から80年代にかけての特にビルボードのチャートを中心に、洋楽を愛する私と、皆さまにお届けするブログです

ビルボード All American Top40 1987年9月19日付 Michael Jackson & Siedah Garrett "I Just Can't Stop Loving You"

2023-09-17 22:09:43 | 1987年ビルボードTop40
1987年ビルボード Billboard All American Top40、1987年9月19日付、1位の交代がありました、2位から上がって1位はMichael Jackson with Siedah Garrettの"I Just Can't Stop Loving You" 。Michael Jackson、『Thriller』に続く待ちに待ったニューアルバム『Bad』からのファーストシングルがこの曲。クインシー・ジョーンズの秘蔵っ子といわれるSiedah Garrettとのデュエットです。Michael Jacksonのソロヒットとしては、この曲で18曲目のTop40ヒットで、11曲目のTop5、8曲目のTop3ヒット、通算6曲目のNo.1となりました。アメリカのシンガーソングライターSiedah Garrettは初のTop40ヒットでNo.1となりました。

2位は3位からアップ、Whitney Houstonの"Didn't We Almost Have It All"。Whitney Houstonですが、初のシングルヒット"You Give Good Love"が最高位3位を記録、その後は、"Saving All My Love for You"を皮切りに4曲連続の1位を記録、この曲もTop3に入ってきました。

3位は3週間の1位からダウン、Los Lobosの"La Bamba"。"La Bamba"は元々はメキシコ民謡で、50年代にリッチー・ヴァレンスが歌って大ヒット。そのリッチー・ヴァレンスの自伝映画『ラ★バンバ』の主題歌をLos Lobosが取り上げ、再びの大ヒットになりました。Los Lobosですが、メキシコ系アメリカ人により結成されたロック・ポップグループ。初のTop40ヒットがNo.1獲得です。

4位は前週と変わらず2週目の4位、Whitesnakeの"Here I Go Again"。Whitesnakeですが、1970年代後半に結成されたハードロックグループ。元ディープ・パープルのデイヴィッド・カヴァデールが中心となって結成、一時、ジョン・ロードにイアン・ペイスが所属し、ディープ・パープルファンの私も、ディープ・パープルの再結成だと喜びました。そのWhitesnakeが、まさかのシングルでの大ヒット、バンド結成9年目にしての初めてのTop40ヒットが4位まで上がってきました。

5位は8位からアップ、ABCの"When Smokey Sings"。ABCですが、イギリスのポップグループ。この曲で6曲目のTop40ヒットで、2曲目のTop10ヒット、1985年に9位を記録した"Be Near Me"を上回り、初のTop5ヒットとなりました。

この週1位はMichael Jackson with Siedah Garrettの"I Just Can't Stop Loving You" 。1位はこの1週間。年間チャートは45位。No.1とはなったものの、Hot100には14週間、Top40には11週間の、短い期間のヒットで、年間チャートは45位どまりではありましたが、83年の"Beat It"以来、Paul McCartneyとのデュエットを入れれば、"Say Say Say"以来、4年ぶりの1位となりました。

Michael Jacksonですが、もちろん皆さんご存じ、説明するまでもないスーパースターです。ソロでは、1972年の"Ben"が初のNo.1となり、それ以来、この曲で6曲目の1位。"Say Say Say"を含めれば、7曲目の1位となりました。"Say Say Say"については、こちらをご覧ください→→→

1982年に発表されたMichael Jacksonソロでの6枚目のアルバム『Thriller』、ギネス認定の世界で最も売れたアルバムです。そのアルバムからは、"Billie Jean"と"Beat It"の、2曲のNo.1を含め、7曲のシングルすべてがTop10ヒットとなりました。"Beat It"の記事をご覧ください→→→

1987年8月、Michael Jacksonソロ7枚目のアルバム『Bad』がリリースされました。『Thriller』から5年ぶりとなる待望のソロアルバムの発売です。そのアルバムからのファーストシングルカットがこの曲"I Just Can't Stop Loving You" です。アルバム・シングルともプロデュースはQuincy JonesとMichael Jackson。Quincy Jonesがプロデュースしたアルバムとしては、『Off the Wall』、『Thriller』に続き3枚連続となり、Quincy Jonesプロデュースアルバムでは最後のアルバムになりました。

"I Just Can't Stop Loving You"ですが、曲の作者はもちろんマイケル自身。Siedah Garrettとのデュエットソングです。この曲の相手としては、Barbra Streisandや Whitney Houstonが候補に挙がったようですが、レコード会社の都合や、バ-ブラとの年の差?により断念、Quincy Jonesの秘蔵っ子といわれるSiedah Garrettとのデュエットが実現しました。

Siedah Garrettですが、アメリカロサンゼルス出身のR&B歌手。クインシー・ジョーンズプロデュースの数々のアーチストのバックボーカルを務め、もちろんマイケル・ジャクソンのバックボーカル、ツアーにも同行してバックボーカルを務めていました。ソロアルバムはヒットしなかったようですが、その後もバンドのバックボーカルやソングライターとして、今でも活躍しています。

このアルバム『Bad』からは、この曲"I Just Can't Stop Loving You"を皮切りに5曲連続のNo.1となる、画期的な、世界的な大ヒットアルバムとなりました。『Thriller』の世界的な大ヒットに続くアルバムとして、かなりのプレッシャーはあったでしょうけれども、それを跳ね返し、すごいアルバムを作ったものです。マイケル・ジャクソン、文句なく、世界最高のソングライターであり、天才ミュージシャンです。


今週 先週 song / artist
1 2 I JUST CAN'T STOP LOVING YOU / MICHAEL JACKSON WITH SIEDAH GARRETT
2 3 DIDN'T WE ALMOST HAVE IT ALL / WHITNEY HOUSTON
3 1 LA BAMBA / LOS LOBOS
4 4 HERE I GO AGAIN / WHITESNAKE
5 8 WHEN SMOKEY SINGS / ABC
6 7 DOING IT ALL FOR MY BABY / HUEY LEWIS & THE NEWS
7 6 CAN'T WE TRY / DAN HILL(DUET WITH VONDA SHEPARD)
8 10 I HEARD A RUMOUR(FROM "DISORDERLIES") / BANANARAMA
9 16 LOST IN EMOTION / LISA LISA & CULT JAM
10 11 TOUCH OF GREY / GRATEFUL DEAD
11 17 CARRIE / EUROPE
12 13 WIPEOUT / FAT BOYS(&THE BEACH BOYS)
13 5 ONLY IN MY DREAMS / DEBBIE GIBSON
14 14 I NEED LOVE / L.L. COOL J
15 20 U GOT THE LOOK / PRINCE
16 19 WHO FOUND WHO / JELLYBEAN featuring ELISA FIORILLO
17 21 ONE HEARTBEAT / SMOKEY ROBINSON
18 22 WHO WILL YOU RUN TO / HEART
19 23 PAPER IN FIRE / JOHN COUGAR MELLENCAMP
20 9 WHO'S THAT GIRL / MADONNA
21 27 JUMP START / NATALIE COLE
22 28 CASANOVA / LEVERT
23 12 DON'T MEAN NOTHING / RICHARD MARX
24 18 ROCK STEADY / THE WHISPERS
25 31 LET ME BE THE ONE / EXPOSE
26 15 LOVE POWER / DIONNE WARWICK & JEFFREY OSBORNE
27 25 MARY'S PRAYER / DANNY WILSON
28 34 NEVER LET ME DOWN / DAVID BOWIE
29 37 LITTLE LIES / FLEETWOOD MAC
30 35 FAKE / ALEXANDER O'NEAL
31 36 YOU ARE THE GIRL / CARS
32 29 I WANT YOUR SEX(FROM "BEVERLY HILLS CUP Ⅱ) / GEORGE MICHAEL
33 41 CAUSING A COMMOTION / MADONNA
34 26 LUKA / SUZANNE VEGA
35 40 VICTIM OF LOVE / BRYAN ADAMS
36 24 IT'S NOT OVER('TILL IT'S OVER) / STARSHIP
37 43 SOMETHING REAL / MR. MISTER
38 30 HEART AND SOUL / T'PAU
39 42 IN MY DREAMS / REO SPEEDWAGON
40 - BAD / MICHAEL JACKSON

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33 コメント

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2人の声が似てるから (音時)
2023-09-17 22:24:02
http://neverendingmusic.blog.jp/archives/32231890.html
 サイーダはアルバム「Bad」に収録される"Man In The Mirror"のバックボーカルを担当しましたが、後日またクインシー・ジョーンズから電話があり、スタジオにもう1回来るように言われました。サイーダは"Man In The Mirror"の仕上げをするものだとばかり思ったそうです…。
 クインシーはレコーディングが終わったあとこの曲を目を閉じて聴いたあと.."どっちが誰の声かなんて、わかるもんか!"と言ったそうです(笑)クインシーがマイケルのパートナーにサイーダを選んだのは、二人の声が似ている、ということもあったのかな、なんて思います。
Unknown (太ったボンジョビ 👀‼️)
2023-09-17 22:36:30
ほ、ほ、ほ、⭐⛴️さん❗
なんと40位は……早すぎやりすぎ、レツゴー三匹が首位のさなかにパーポゥレインシングルを早々と切った84年が思い出されますです。
あるいはビリージーンが首位独走中なのにビレーを切ったみたいな❗
と言いながらこっそりと33位に感傷もっております。
地味に急上昇しそうであります。
秋も楽しみになって参りましたねー☺️
控え目な1stシングル (hannah)
2023-09-18 00:27:12
星船さん、こんばんは。
遂に5曲№1のアルバムの登場ですね。
ただ、1stシングルとしては1週のみの№1で、♪Thriller♪の♪The Girl Is Mine♪と同様にやや控え目なヒットでした。
№1になっているので大ヒットなのですが、その後のシングルが凄過ぎたため、控え目に感じてしまいます。
デュエットシングルなのも前作と同じですね。
Paulと同じように大物とのデュオを模索していたんですね。
Unknown (太ったボンジョビ σ(・ε・ ))
2023-09-18 01:59:58
正直⭐⛴️さんはこの曲をあえてスルーの方向だと推測しておりました。だって次は必ずきますよね、アルバムタイトルですもんね。
バナーさんとおなじでして、一枚目シングルとしてはうーん( ´-ω-`)ではなかったかと…。
まぁ私は逆張りが多いのでオフザウォールだと3つめのオフザウォール(曲)、スリラーだと4つめのワナビー、バッドだと7つめのクリミナルなんですの。
共通しているのはカラオケが高音だったり言葉が速すぎたりでクッソ難しいことかな?でも低評価上等で酔っぱらって歌ってるとホント楽しいですのん。
では次こそ今回の歌の方で☺️
Unknown (ローリングウエスト)
2023-09-18 13:21:05
この女性はクインシー・ジョーンズの秘蔵っ子だったようですね!メロディ、テンポ、そして掛け合いがたまらなくいい曲だと思います。今度マイケルジャクソンのデュエット特集やってみようかな・・!ポール・マッカートニー、ミック・ジャガー、スティービー・ワンダー、ダイアナ・ロス、エディ・ヴァン・ヘイレン、フレディ・マーキュリー・・大物ばかりですね!
Unknown (ダークディスコ)
2023-09-18 16:59:01
チャートマニアとしては40位と1位が同じ人というのが中々の珍記録ではないかと。過去にあったのでしょうか?
ちなみに、40位ジェームズ・ラストのseduction/1位ブロンディのcall me(共に映画「アメリカン・ジゴロ」より) 、40位ビーチ・ボーイズのkokomo/1位ボビー・マクファーリンのdon't worry be happy(共に映画「カクテル」より) なんてのもありました。
波長が合っている? (星船)
2023-09-18 17:51:40
音時さんこんばんは。
そうでしたか、そういえばサイーダ・ギャレットさんの声、マイケルに似ていいますね。もちろんよく聞くと、歌い方が特に違いますからわかりますが、波長は合っているのかも。その辺の相手の選び方も、さすがクインシー、といったところでしょうか。
祖rふぇにしても、この曲を最初のシングルに持ってくる、その辺の戦略も、さすがクインシー、でした。
次のシングル早すぎ (星船)
2023-09-18 17:56:08
太ったボンジョビさんこんばんは。
いくらなんでも、次のシングル、早すぎじゃろ、この時Hot100にはまだ7週間ですよ。でもそれが戦略なのでしょう。その辺はすごいというか、2曲目に本命を持ってくる、さすがですねぇ。このシングルの順番、私はよかったと思いますよ。
甘いデュエットバラード (星船)
2023-09-18 18:04:44
hannahさんこんばんは。
この曲、ヒットとしては控えめでした。十分待たせた話題のニューアルバムからのファーストシングル、もっとヒットしてもよかったのですが、本命曲がすでに40位に、まあ、それじゃあ無理でしょう。
でも、この曲、曲は良い曲だったですよ。甘いデュエットバラード、さすがマイケルの曲でした。
一騎打ち (hannah)
2023-09-18 18:06:21
星船さん、こんばんは。
この曲はお化けアルバム♪Bad♪の1stシングルとしては、強力さに欠けるところもありましたが、楽曲的には好きな曲でした。
次週には2位につけているWhirtneyの2ndシングル♪Did'nt We ~♪に№1を明け渡します。
もう少しMichaelとWhitneyの一騎打ちが続くかと思っていました。

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