有馬もとの補助犬訓練士ダイアリー

聴導犬・介助犬国際認定インストラクター(日本聴導犬協会)有馬もとのプライベートブログです。

107 オフィスケネルと、まみちゃん&えみちゃん

2006-02-06 14:53:41 | 捨て犬&動物保護
↑(福)日本聴導犬協会にも簡易な犬舎はあります。冬用にパネルヒーターをいれ、夏には扇風機と網戸のドアに換えます。できるだけ協会犬が居心地がいいよにとの願いで、工夫は欠かせません。
 でも、協会犬たちは、スタッフと24時間一緒にいるようにしてます。犬舎に入れるのが、個人的に嫌いなせいもありますが「オフィスケネル」と言って、事務所の中を犬舎がわりにして協会犬が昼夜、自由な時間を過ごせるようにしています。
 保健所で候補犬として選ばれ、その後、すぐにソーシャライザーのお宅に預けられます。人間のあかちゃんのように慈しんで育てていただき、候補としての適性があると判断した段階で、協会に戻り、訓練が始まります。その段階で、急に犬舎に入れたら、それまでの人間との接触で得てきた安堵感や、信頼感を満たせず、ストレス(ケネルストレス)になる候補犬もいるのです。

 なので、協会を始め、第1回目の候補犬が戻ってきた1998年から協会では犬舎はありますが、昼夜のオフィスケネルを通しています。仕事時間後は、スタッフはいつもは1頭。時には、3頭をつれて家に帰ります。写真は、まなちゃん担当の恵美ちゃん。乳母役のななちゃんと一緒に、協会→松下宅→協会と、通勤しています。昨日は一晩中、興奮して一人で遊んでいるまなちゃんのせいで、えみちゃんもななもちょっと睡眠不足かも。
 このオフィスケネルしか行ったことがないので、これが当たり前になっていましたが、ADI(国際アシスタンスドッグ協会)で、出会う訓練士にその話をさせていただくと、ほとんどの方が、共感をもってくださるのも、うれしいです。
 以前「オフィスケネルをしている君たちが、うらやましい」と言っていた3人のトレーナーが他の団体へ移り、(福)日本聴導犬協会ような
「オフィスケネルにしたよ」とうれしそうに報告してくれました。
「結果は?」と聞くと
「何万倍もすばらしい。悪いことなんかひとつもないよ」との答えでした。
 補助犬は確かに、身体障害者の方を助ける特別に訓練された犬たちです。そのためには、情感の豊かな情の深い犬の方が、合っているのではないしょうか? 仲間(ユーザーさん)を愛して、家族同様にいたわり、励ます、そんな存在が補助犬だと考えます。機能だけではなく、愛情の交流がそこにあって、初めて補助犬になれるのだと思います。
 スタッフも毎日大変ですが、これからも犬連れ通勤は続きます。