あをき野の こほれるゆりの 音をもとめ 月風に問ふ のいちごのはな
あまのかわ 彼の岸に立つ 青杉の 星のまなこは 何を悲しむ
玻璃の雪 積もるあばらの 君が胸に わが目を彫りぬ 痛きを思ふ
さそりの火 赤きをとほき 寄る辺とし 風にも揺るぐ せぼねを立てぬ
小夜ふけて ふたごの星の かたわれの とほき風野の 笛を聞く窓
そよ風の 春のガラスの 小部屋にて 小鳥ひとりで 鈴の音を鳴く
石の野に 玻璃と割れにし わが骨を 玉とひろへよ 竜胆の君
うすあをき ぎんがのみずに くるぶしを ぬらしつつ追ふ 君の口笛