No,73
フェルディナンド・ホドラー、「選ばれし者」、19世紀スイス、象徴主義。
象徴主義を考える上で、忘れられない絵である。このイメージは、かなり強烈だ。
翼をもった女性の一群が、幼い子供(おそらく男児)を取り囲んでいる。
女性は天使のようにも、亡霊のようにも見える。
19世紀は、男と女が、逆転を始めた時代だった。男がかなり女性的に、繊細になってきた。昔のような、勇猛な男性性を発揮できる男が、ほぼいなくなり、その代わりに、女性が男性性を表現するようになってきたのである。
ホドラーが描く女性は、恐ろしい強さを秘めている。あからさまには表現しないが、沈黙の中に、強権を発動する意志を表明している。
この絵には、未来が胎蔵されている。
フェルディナンド・ホドラー、「選ばれし者」、19世紀スイス、象徴主義。
象徴主義を考える上で、忘れられない絵である。このイメージは、かなり強烈だ。
翼をもった女性の一群が、幼い子供(おそらく男児)を取り囲んでいる。
女性は天使のようにも、亡霊のようにも見える。
19世紀は、男と女が、逆転を始めた時代だった。男がかなり女性的に、繊細になってきた。昔のような、勇猛な男性性を発揮できる男が、ほぼいなくなり、その代わりに、女性が男性性を表現するようになってきたのである。
ホドラーが描く女性は、恐ろしい強さを秘めている。あからさまには表現しないが、沈黙の中に、強権を発動する意志を表明している。
この絵には、未来が胎蔵されている。