世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

しらたまをくだきて

2008-03-19 13:31:50 | 詩集・貝の琴

しらたまをくだきて
その苦き身の恨みを
見出さむとす
この胸に腐る傷の
たへがたきがゆゑに

こがねなるよろこびの日に
ひとしほ染むる花に
陰なる愚を描かむとす
この骨にこもる傷みの
はげしきがゆゑに

いまいましきこの身の
なきがごとき あるがごとき
たはぶれに
ほろびしものの恨みの
あまりに苦しきがゆゑに

あはれなるものの
たましひをくらひ
我のみがたふとき
くらきたかつきに棲み
ゆふぎりの衣にてよそはむ
星のたまりに去りゆく
神の目をたばからむがために

わが長き月日を織る
機小屋のみづに朽ちゆくを
知らぬ井戸に投げ
あたらしき名にて語らむとす
ことごとく我のほかなるもの
憎きがゆゑに




この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ばか | トップ |  »
最新の画像もっと見る

詩集・貝の琴」カテゴリの最新記事