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世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

もうやめてね

2008-07-06 16:33:01 | フェアリィウィスパー

外に出ると、ビーストがいっぱいいます。最近はとくに、たくさん見かけるの。それで、いやな気持になって、家に帰って、横になってたりしたら、妖精が、ちょっとなんとかしてあげなくっちゃって思うらしくて、いろんなことを教えてくれたりするんです。

それ、ほんとなの? 言われてみれば、そんな感じだけど、書いていいのかな?ていうと、妖精は、書いていいよ、と言います。みんなに教えたら、きっと役に立つからって。でも、てんことしては、ちょと苦しいな。ていうと妖精は、いいよっていいます。なので、書くことにしました。でもちょっと、苦手な分野なので、表現がいま一つ硬くなります。それわ、許してくださいね。

ビーストは、人間に化けるとき、自分の体の、いちばん汚いところを、一番きれいにする癖があるんですって。そこが汚いのが、とっても辛いからなんですって。それでね、ビーストがいま、一番きれいにしたいところが、顔よりも、おしりなんですって。なぜと言うに、そこがいちばん汚いからなんですって。

男の子も女の子も、ビーストが化けてる人間は、お尻だけがやけに小さくてまるくて、きれいに整っているのですって。それはそこが、一番汚いからだそうなの。だから、ビーストが化けてる人間のおしりは、見てると、きれいなのに、なんだかとてもいやな感じがするのですって。

なんでそこが汚いかっていうとね、そこがいうのが、難しいんですが、つまり、硬い言い方をすると、ニクタイのカイラクをブジョクしすぎているからなのですって。妖精はすとれえとに、「ばかがやりすぎ」というのだけど。

げひんですみません。ごめんなさいね。

つまりね、そういうことのために、ひどいことをやりすぎてるのですって。ビーストは。人間とは思えないようなことを、そのことのためにやりすぎてしまったのですって。それで、そこがとても汚くなったのが、いやなので、人間に化けるときは、そこだけ異様にきれいにしてしまうのですって。

町を歩いていて、なんだかお尻だけ目立って整ってきれいにして、見せびらかしているような男の子や女の子がいたら、気をつけてね。それは、そうとうに、危ないビーストです。

ほんもののきれいなお尻は、絶対に出てこないのよ。だって、ほんとはそんなもの、見せるものじゃないから。お尻がきれいだったら、こまるんです。だって、みんな、言わなくても、わかるでしょ。きれいなお尻を見せられたら、それは要するに、それがそれだってことで、つまりは、ようするに、どうしたらいいのかなっていうことで、相当に、こまるでしょ。

つまりはあ、これは、これは、ようするにい、はっきりいわないと、わからないかもしれないので、いうのですが、ようするに、きれいなおしりを、はっきりと、みんなにみせたがるのは、それがしたいって大声でみんなに言ってるようなものなんですう!!

おさるさんのお尻が赤くなって、発情してるんだなってサインを、出してるのとおんなじなのです。人間がそれやったら、本当に困るのよ。

ビーストはこれがわからないから、正体がばれてしまうの。普通の良識ある人間には、とてもできないことだから。

だから、もうやめてね。







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愛の響き・5

2008-07-06 13:57:08 | 有為のしらべ

アイリッシュ・モチーフを組み合わせて作ったコサージュです。小さいパールビーズも使って、気分はすっかり女の子♪ でも、わたしにはとても似合いそうもありません。だれかにあげようかな。

お花を胸につけると、女の子はほんとにかわいくなりますね。なんでだと思いますか? それはね、お花が、ずっと、女の子を助けてあげてるから。女の子は、大変なのです。愛で、なんでも一生懸命にやっても、みんなに馬鹿だって言われるの。それは、この世界は、クールに、エゴイスティックにやれるほうが強いから、そっちがかっこいいからってことに、なってたから。

愛だけで、なんでもやってしまうのは、まるで召使みたいで、ばかみたいなものだってことになってたからなんです。

女の子はずっと、だれかにいばられて、馬鹿だって言われて、いろんなことを、苦労してやって、みんなのために働いて、それで、なんでもない馬鹿になって死んできたから。それで、いやだってこともいうことができないで、皆がつらいことにならないように、がんばってきたから。

だから、花はいつも、女の子を助けてきたのです。女の子が、どんなにがんばっているか、わかっていても、人間はみんな、知らん振りしてしまう。だから、お花がそっと寄り添って、女の子を、きれいにきれいにしてきたのです。お花が、女の子を好きだっていうのよ。なんでって、とってもまじめにがんばっているから。だから女の子には、お花が似合うのです。

愛で、がんばっている人が、お花をつけると、とてもかわいくなるのは、花が、愛してくれてるからなんです。いつも見ているから。誰も見てなくても、わたしはわかってるから。だから、助けてあげるよって。お花がきてくれるのよ。

かわいくなって、みんなが君を愛してくれるようにしてあげたい。みんなが君を大好きになるようにしてあげたい。花はいつもそうやって、女の子のとこにやってくるのです。

これが、愛の響き。女の子に花が似合うのは、お花が、女の子を愛してくれるからなのです。

だれかが、きれいなのは、だれかが、その子を、愛してるからなんです。ほんとよ。

赤ちゃんが、かわいいのは、お父さんやお母さんが、愛してくれてるから。男の子が、すてきなのは、かわいい女の子が、好きになってくれるから。でも女の子のことは、男の子はあんまり好きになってくれないの。馬鹿だっていうんです。男の子が愛してくれないので、女の子は馬鹿みたいにちっぽけに見える。それが苦しくて、お花が助けてくれるんです。

愛の響きの、いろいろな美しい魂が、女の子を助けてくれたので、女の子は、とってもきれいになりました。これはほんとです。

美しいのは、愛だからなのです。愛しているから、愛されているから、美しいのです。愛の響きが、美しい魂の幸福を、胸の中で歌ってくれるから。だから、愛があれば、どんなものも美しくなる。

反対に、どんなに形がきれいでも、愛がなければ、とんでもなく、馬鹿みたいに見える。だって、愛してもいないのに、きれいだから。それはみんな、嘘だって、わかるから。それはね、とっても恥ずかしいことなの。

愛してもいないのに、愛してるふりをして、みんなに愛してもらって、自分だけ得をしたいんだって、言ってることだからなの。それは全然愛じゃないから、美しくないの。

愛の響きが逃げていくと、どんなに形が美しくても、きれいに見えないのです。それは本当です。

美しくなりたい人は、やさしいことやいいことをして、愛の響きに、耳を澄ましましょう。ほんとうに美しい人は、美しくなりたいとは、あまり思わないのよ。だって、美しかったら、みながつらいでしょう。だから、普段は抑え目にして、神様が許してくれるときにだけ、美しくなれたらいいなって思ってるの。それがほんとに、きれいな人。

美しい人は、美しいということを、ちゃんと勉強しています。それはね、服だとかお化粧だとか、そんなものじゃないの。愛と、美しさで、みんなのためにいちばんいいことをするってことなのです。

それができなければ、美人になってはいけないのです。

ほんとうよ。




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ほんとうはもうなにもない

2008-07-06 09:26:31 | フェアリィウィスパー

ほんとはもう、なにもないんだって、ビーストは言います。

ビーストはね、人間が作ったいいものが、とてもほしくて、人間に化けて、無理やり盗んで、自分のものにしてしまうんですって。

たとえばね、今、ちまたに、なんとかの文学賞だとか、音楽大賞だとか、いろんな、とっても立派に聞こえる、賞があるでしょう。あれはね、ビーストがどうしてもあれがほしくて、そんなのをたくさんつくっちゃったんですって。

とにかく、きらびやかに、はでに、美しく、とってもいいものになりたかったんですって。

それでね、すっごい美女に化けて、歌を歌って、完璧な歌手になって、CDを売り出して、とっても売れてるスキャンダラスなシンガーになったんだって。でもね、それ、ぜんぶうそなんだって、ビーストはいうのよ。

ほんとはね、ぜんぜん馬鹿なんだって。無理やり売れてることにするために、いろんなことをやってるんですって。それでね、普通の人は、その歌を聴くと、へえ、売れてるんだねっていって、なんとなく聞いてるんだって。それでね、今はこんなのがいいんだろうなって感じで、なんとなく合わせてるだけなんだって。それでね、なんとなく売れるってことにしてるんだって。

馬鹿が一生懸命にやってるんだけど、もういやになってきてるんだって。ほんとはもう、みんなにばれてるのに、つらいからって、みんながなんとかしてくれてるから。ほんとはもう、とっくに何にもない。人間はみんな、ビーストがどんなことをして、売れてる歌手や作家なんかになっているのか、知っている。その上で、みんなが、ひどいことにしないように、あらゆる努力をして、助けようとしてくれてる。

それがわかるようになって、ビーストはとんでもなく恥ずかしいんですって。

ビーストは人間がきらいで、いつも人間を、馬鹿だっていって、馬鹿にしてきたの。そして、人間から皮を盗んで、人間になって、とんでもなくいいものになったつもりだったの。人間なんて、ビーストが馬鹿にすれば、なんだっていうことをきく。ほんとに馬鹿なものなんだって、思ってたの。それで、みいんな馬鹿にしたの。全部だめなやつだって、言ったの。人間は、頭のてっぺんからつま先まで、全部、だめでできてる。存在するだけで苦しいんだよ。いないほうがいいんじゃないの?おまえなんて。ばっかみたいだよ~。

ビーストはずっと、人間にそう言ってきたの。そして、人間になりたくて、すっごくいい人間に化けて、人間をだましてたつもりだったの。でも、ずっとそればかりやってきたら、いつのまにか、みんなばれてて、人間がみんな、助けてくれてたの。

やっとわかったの。馬鹿は、馬鹿だっていうほうなんだって。

それで、恥ずかしくてたまらなくて、まだやってるんだって。なんにもないのに、ずうっと、派手でぜいたくな、ばかみたいなスターになってるんですって。だれもみないのに、まだ踊ってるんだよ。まだ、歌ってるんだよ。もうだれもいないのに。

ビーストはまだ。やってるんですって。




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