去年の暮れに長崎を訪ねたとき、連泊でもない限り「安楽子」には行きたいと申しました。その次元をも通り越し、連泊したときでさえ必ず寄っているのが「はすや」です。本日も二軒目には迷わずここを選びました。
何がそこまでよいのかについては、過去にも繰り返し語ってきたところではありますが、今回改めて思ったのは居酒屋としての完成度の高さです。道中で世話になった店を引き合いにすれば、「しまや」も「山水」も酒より料理が主役の店であり、「弦や」については酒とタイ料理のミスマッチに真価があります。それに対してこの店の場合、酒と肴が不可分の一体をなしています。日本料理と形容するには大袈裟な、しかしありふれた家庭料理とも一味違う工夫を凝らした品々は、店主が標榜する通り「酒肴」と形容するにふさわしいものです。たとえばお通し一つにしても、昨日はあんこうの友和え、今日は煮こごりといった具合に、酒呑みが思わずほくそ笑む品を繰り出すところは心憎いものがあります。もちろん酒の品揃えは万全、器も高級さこそないものの気の利いたものが使われ、店主による包丁さばきも実に鮮やか。相当な修行と研究の跡が、ありありと窺われる名店です。
かつて弘前で呑むとはこの店で呑むことと同義でした。ところが他の店を知るにつれて年々依存度が低下し、昨日ははしご酒の三軒目、今日も軽く一杯やった後の二軒目という状況です。当然腹具合は中途半端にならざるを得ません。万全な状態ならばもっとおいしく、もっと多くの品をいただけただろうと惜しまれるのは事実です。しかし花見の時期になると事情は変わってきます。十時頃まで夜桜を見物してから一杯やるということになると、一軒限定という状況が少なからず出てくるからです。そのときはこの店で存分に飲み食いすることになるでしょう。
★はすや
弘前市上瓦ヶ町1-1-2F
0172-33-6981
1800PM-2400PM
日曜定休
豊盃・華一風・九頭竜
お通し(煮こごり)
刺盛り七点
カニ味噌和え
おでん汁かけごはん
何がそこまでよいのかについては、過去にも繰り返し語ってきたところではありますが、今回改めて思ったのは居酒屋としての完成度の高さです。道中で世話になった店を引き合いにすれば、「しまや」も「山水」も酒より料理が主役の店であり、「弦や」については酒とタイ料理のミスマッチに真価があります。それに対してこの店の場合、酒と肴が不可分の一体をなしています。日本料理と形容するには大袈裟な、しかしありふれた家庭料理とも一味違う工夫を凝らした品々は、店主が標榜する通り「酒肴」と形容するにふさわしいものです。たとえばお通し一つにしても、昨日はあんこうの友和え、今日は煮こごりといった具合に、酒呑みが思わずほくそ笑む品を繰り出すところは心憎いものがあります。もちろん酒の品揃えは万全、器も高級さこそないものの気の利いたものが使われ、店主による包丁さばきも実に鮮やか。相当な修行と研究の跡が、ありありと窺われる名店です。
かつて弘前で呑むとはこの店で呑むことと同義でした。ところが他の店を知るにつれて年々依存度が低下し、昨日ははしご酒の三軒目、今日も軽く一杯やった後の二軒目という状況です。当然腹具合は中途半端にならざるを得ません。万全な状態ならばもっとおいしく、もっと多くの品をいただけただろうと惜しまれるのは事実です。しかし花見の時期になると事情は変わってきます。十時頃まで夜桜を見物してから一杯やるということになると、一軒限定という状況が少なからず出てくるからです。そのときはこの店で存分に飲み食いすることになるでしょう。
★はすや
弘前市上瓦ヶ町1-1-2F
0172-33-6981
1800PM-2400PM
日曜定休
豊盃・華一風・九頭竜
お通し(煮こごり)
刺盛り七点
カニ味噌和え
おでん汁かけごはん